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システム性能監視の「New Relic」、インシデントの調査から対策提案までAIエージェントが行う新機能

2025年3月19日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

米New Relicの日本法人は2025年3月19日、オブザーバビリティ/システム性能監視クラウドサービス「New Relic」に、AIエージェントによるインシデントレスポンス支援機能を追加したと発表した。一般提供に先立ち、プレビュー版として提供開始した。人間の担当者に代わって蓄積されたシステムデータを調査して、実施すべき対策を提案する。

 New Relic(ニューレリック)は、オブザーバビリティ/システム性能監視クラウドサービス「New Relic」を提供している。監視対象のシステムやアプリケーションからデータを収集・蓄積して可視化する。メトリクスなどの監視データのほか、外部システムが出力したログデータも取り込んで分析対象にできる(関連記事システム性能監視ツール「New Relic」にログデータを最長7年間保存する「Live Archives」オプション)。

図1:AIエージェントが運用担当者に代わってインシデントを調査し、とるべき対策を提案する(出典:New Relic)
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 今回、システム起因のビジネス停止時間(ダウンタイム)を減らすため、性能劣化やシステム障害などのインシデントの発生から対処までの時間を短縮する機能群のプレビュー提供を開始した。RAG(検索拡張生成)構成の生成AIシステムで動作するAIエージェントにより、人間の担当者に代わって蓄積されたシステムデータを調査して、実施すべき対策を提案する(図1)。

写真1:New Relic コンサルティング部兼製品技術部部長の齊藤恒太氏
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 New Relic コンサルティング部兼製品技術部部長の齊藤恒太氏(写真1)は、「従来、インシデント発生から対策実施までの工程は運用担当者が複数の運用管理ツールを行き来しながら実施していたため、解決までに時間がかかっていた」と説明。ここにAIエージェントを導入し、影響分析や過去の類件確認、因果分析、対策検討・実施などのプロセスを自動化する。

 例えば、アプリケーションの応答性能が劣化した場合、どの画面に影響が出ていて、どう対処すべきかなどをAIエージェントが自律的に調査して、運用担当者に提示する。これらの調査を担当者に代わって行ってくれることで、インシデントレスポンスが高速化する。

 AIエージェントは、New Relicのデータへの参照だけでなく、各種外部ツールと連携して動作する。プレビュー公開時点では、GitHub、ServiceNow、Amazon Q、Geminiの各外部サービスと連携する。今後、AIエージェントから参照・操作可能な外部サービスを拡充する予定である。

 ビジネス停止時間を減らす機能として、マシンラーニング(機械学習)を活用した予兆保全機能もプレビューとして提供開始した。蓄積した履歴データからパターンを抽出して時系列のメトリクスを予測する。インシデント発生の予兆を発生前に予測して通知する。

 ほかには、アプリケーションの体感性能を計測する2つの監視エージェントの一般提供を開始した。1つは動画視聴時の再生品質を観測するエージェントである。もう1つは画面操作を監視するエージェントで、「Web画面の反応が悪くてクリックを連打した」といったユーザー操作を把握できる(図2)。

図2:エンドユーザーの画面操作を計測し、改善策を提案する(出典:New Relic)
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New Relic / AIエージェント / オブザーバビリティ / システム監視 / RAG / 生成AI / ログ管理 / インシデントレスポンス

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