コンピュータシステムの意図に反する処理、誤動作、暴走などの原因を「バグ(bug:虫)」といい、これを修正することを「デバッグ(debug:虫取り)」という。「プログラムにバグはつき物」とか「バグのないプログラムはない」という経験則は、皆が認めるところのものであろう。従って、バグ世界第1号は、もちろん世界最初のプログラムに潜んでいたハズである。ということは、世界初のバグを探すには、世界初のプログラムを探すことになる。しかし、最初から、プログラムミスをバグと呼んでいたわけではない。そう呼ぶようになったのは、一匹の蛾が起源だったらしい。 1945年の9月、アメリカの海軍の使っている計算機がどうしても動かなくなった。懸命の検査の結果1匹の蛾が、電気回路に悪さをしていることが分かった。当時のコンピュータ「マーク�T」には、まだ部分的にリレーが使われていたのである。その接点に蛾が挟まって回路を遮断して