現代は「不寛容な社会」になりつつあると思います。そして、何か問題が起こるたびにガイドラインが策定され、がんじがらめの中でビジネスを展開しなければならない。今回は、こうした中でどのように動けばよいのか考察します。 ガイドラインそのものが悪いわけではない 皆さんは、「ガイドライン」という言葉を耳にして、どのような印象をもちますか? 多くの方は、「面倒くさいもの」とお感じになるのではないかと思います。現代は、個人情報保護や、セクハラ・パワハラなど、様々な分野でガイドラインが策定されています。ガイドラインが増えれば増えるほど、「面倒くさいもの」がどんどん増えていくことになります(苦笑)。 ただ、個人情報保護という考え方がなぜ生まれたかというと、その扱いが不適切だったために損害や迷惑を被った人がいたからです。セクハラ・パワハラも同じで、それによって不快な思いをしたり、場合によっては人生を狂わされてし
小竹貴子氏(以下、小竹):高津社長が就任してから、さらに「だし」の原点に立ち返っている印象があります。私のイメージでは、子どもの頃は「にんべん」と言えば「つゆ」のイメージが強かった。それが最近は、こういった店舗を含め、「だし屋さん」としての印象が強くなりました。 高津社長(以下、高津):当社は320年前、日本橋で鰹節を売ることから始まりました。つゆを売り始めたのは54年前なので、だしに比べれば歴史は浅い。もとは一般の家庭でも、鰹節でだしを引いて、かえしと合わせてつゆをつくっていたんですが、あまりつくられなくなったところで商品のつゆが登場し、濃縮タイプでめんつゆ以外の用途にもいろいろ使える万能調味料になっていきました。 小竹:つゆの万能調味料化は、家庭料理にとっての一つの転機でした。私がだしに注目しているのは、だしに立ち返ることで、私たちの日々の料理がもっとシンプルに、楽しめるものになるので
こんにちは、総合南東北病院外科の中山祐次郎です。京都大学大学院でただいま勉強中です。 こちら京都では梅雨はどこ吹く風、凄まじい暑さが襲っています。気温は他の土地と変わりませんが、「風がない」「湿度が高い」のが特徴的です。 実は医学的には「暑さ」とは「暑さ指数」として熱中症の危険度として表現され、気温だけでなく風速・湿度・日射量で決まります。 さらに専門的には、 WBGT(暑さ指数)=0.735×Ta+0.0374×RH+0.00292×Ta×RH+7.619×SR-4.557×SR2-0.0572×WS-4.064(環境省の「熱中症予防情報サイト」より) と算出します。Taは気温(℃)、RHは相対湿度(%)、SRは全天日射量(kW/m2)、WSは平均風速(m/s)です。 さて、この連載は前々々々々々回から、特別編「医者の本音」シリーズとして全8回で毎週お送りしております。 「余命3カ月のが
今年の5月中旬、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門の審査が、山形であった。元々は、WINE&SPIRITSという雑誌が主催し、世界のワインを比較するコンテストとして始まったIWCだが、2007年にSAKE部門が設けられ、世界各国からの評者によって、(彼らの視点で見た)優良な日本酒が選ばれ始めた。 今年は、9カテゴリー1639点が出品され、その中から97点のゴールドメダル酒が選ばれた。このあと、7月にはロンドンでチャンピオン・サケが発表されることになっている。ちなみに、昨年のIWC2017では、岩手県の「南部美人 特別純米」がチャンピオン・サケの栄誉に輝いている。 さて、9カテゴリーの中に、「古酒」というカテゴリーがある。一般的には、若いうちに飲みきる酒類と考えられている日本酒だが、ワインと同様に、熟成を楽しむ対象としても捉えられているのだ。 日本酒をグローバルビ
こんにちは、総合南東北病院外科の中山祐次郎です。 前回から8回にわたり、「一介の外科医、日々是絶筆・特別編」として毎週記事をお届けしています。ここでのテーマは、「私の医者としての本音を書く」というものです。私が医者として働いてきた中で、最も言いづらい部分をお伝えします。ご意見やご感想、ご質問がありましたら、ぜひお寄せください。なお、私中山のフェイスブック、ツイッターでも構いません。前回の記事でも多数のご意見を頂戴いたしまして、ありがとうございました。 「医者に病名をハッキリと言われない不安」とは何だろう。 知人から送られてきた質問を見て、私は疑問に思いました。「そんな不安があるのだろうか?」と。私はすでに医者の脳みそになっていて、患者さんのお気持ちが分からなくなって来ているのかもしれません。 皆さんが調子が悪くて病院にかかった時、「ナントカ病ですね」などとハッキリ医者に言われないことは多い
本数が減れば、乗る人も減るのがつね。ここのバス路線も、本数減る→乗客減る→さらに本数減る、というスパイラルに。まあ、マリー・アントワネットなら「バスがなければ、プライベートジェットに乗ればいいじゃない」とか言うだろうが、こっちはグンと庶民的に「バスがなければ、地下鉄に乗ればいいじゃない」ということだと思う。 確かに周辺には地下鉄の駅があるけれど、今どきのバスは運行状況が分かるアプリもあるし、ついでに都心の道はバブルの頃より空いている。長いエスカレーターを乗り継いでホームまで降り、また到着駅で長いエスカレーターで地上へ、みたいに縦の移動もばかにならない地下鉄より、バスのほうが早く着く場合もある。大事な足なのだ。 それより何より、バスは外が見えるのがいい気分。せっかく家の近くにバス停があるのに、時刻表がスッカスカって、「幸い中の不幸」ってこれだと思う。だからといって高度成長期じゃあるまいし、少
「気が付くと私は、母の頬を平手打ちしていた。」 本連載の「果てなき介護に疲れ、ついに母に手をあげた日 ~母の“意外な”反応と、介護者側の暴力への対応策」で、著者の松浦晋也さんが自らの行いを冷静に描いたこの場面には、読者の皆様からも大きな反響と「もし自分だったら」という、多くの自省のコメントをいただいた。 家族が介護をするストレスは、これまでも語られてきた。しかし「介護ということそのものに目を向けたくない」という、我々の心理が、そこに正対することを妨げてきたように思える。 今回、松浦さんと対談していただくのは、日本放送協会(NHK)大阪放送局報道部(報道番組)の横井秀信チーフ・プロデューサー。横井さんは、2016年放映の「“介護殺人”当事者たちの告白」の制作を指揮したひとり。「どこにでもいる普通の人が、介護疲れの果てに、 家族の命を奪ってしまう悲劇」が相次いでいることを、広く番組を通じて訴え
橘 玲(たちばな・あきら)氏 作家、59歳。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部を超えるベストセラーになる。2016年の著書『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)は50万部を超え、「新書大賞2017」に選ばれる。昨年11月には女性読者に向けた『専業主婦は2億円損をする』(マガジンハウス)が話題を呼ぶ。近著に『80's エイティーズ』(太田出版)、『国家破産はこわくない』(講談社+α文庫)。 世の中には、老後を見据えた退職時の必要貯蓄残高にまつわる俗説が多く出回っています。誰もが関心を持つのでしょうが、一番大事な視点が欠けています。 そもそもなぜ、仕事を「60歳で卒業」しなければならないのでしょうか。「老後資金は60歳までに貯めないといけない」などというルールはありません。世界に先駆けて超高齢社会に突入した日本では、「定年退職まで頑張って働き、退職金と年金を元
経営を続けていれば、誰しも逆境に直面する。しかし、トップの向き合い方次第で、結果は大きく変わる。経営者は逆境にどう向き合ったか――。カレー店チェーン、壱番屋の創業者、宗次徳二氏の体験談に耳を傾けてみよう。 宗次徳二(むねつぐ・とくじ)氏 1948年石川県生まれ。高校卒業後、住宅メーカー勤務などを経て74年に妻の直美氏と喫茶店「バッカス」を開業。78年に現・愛知県清須市で「カレーハウス CoCo壱番屋」1号店をオープンする。82年法人改組し、壱番屋の社長に就任。98年に妻の直美氏に社長を譲り、会長に就任。2002年、500店達成(現在、国内1303店)を機に、生え抜きの浜島俊哉氏を社長に据えて創業者特別顧問となり、経営から退く。03年、NPO法人イエロー・エンジェルを設立し、理事長に就任。07年には名古屋市内に音楽ホール「宗次ホール」を造り、代表も務める(写真:早川俊昭) 2001年9月25
こんにちは、総合南東北病院外科の中山祐次郎です。 前回はロボットが外科医の手術を支援するというかなり「ハイテク」な話をしましたが、今回は逆にほとんど医療機器のない飛行機の中で急病人の治療をした「ローテク」な話をいたしましょう。 あれはもう7~8年前のこと。私はヨーロッパで行われる国際学会に参加するため、成田空港からオーストリアへ向かう飛行機に乗っておりました。フライトは9時間ほどあったため、ビールやワインなどを飲みながら本を読んだり映画を見たりして過ごしていました。 座席の目の前にはモニターがあり、今自分が乗っている機体が航路のどのあたりを航行しているのかが示されておりました。ロシアの上空のちょうど真ん中あたりだったでしょうか。それにしても大きな国だな、それなのに医療がかなり遅れていると聞くが実際はどうなんだろうな、なんてことを考えながらぼんやりとモニターを眺めておりました。すると、ポーン
平川 克美(ひらかわ・かつみ) 文筆家・実業家 1950年東京生まれ。隣町珈琲店主。声と語りのダウンロードサイト「ラジオデイズ」代表。立教大学客員教授。早稲田大学講師。早稲田大学理工学部機械工学科卒業後、内田樹氏らと翻訳を主業務とするアーバン・トラストレーションを設立。1999年、シリコンバレーのBusiness Cafe.Inc.の設立に参加し、CEOを務める。近著に『何かのためではない、特別なこと』『喪失の戦後史』『言葉が鍛えられる場所』『路地裏人生論』など。 平川:いや、そうなのよ。取材に来てもらった方にお茶を飲んで貰って収益も上げる(笑)、というわけでもないんだけど、ずいぶんここで対談をやっています。元々は酔興で作って、でも何となく面白くなって、家に入りきらなくなった本を置くようにしたら、常連さんが自分のも置いてくれと持ってくるようになったり。この店を潰したら本の行き場がなくなっち
みなさまごきげんよう。 フェルディナント・ヤマグチでございます。 先日クボタの工場に見学に行ってきたのですが、その際のリポートができましたのでご報告を。日経ビジネスオンラインスペシャルでは、久保(俊裕)代表取締役副社長執行役員に工場をご案内いただき、日経テクノロジーオンラインスペシャルでは、おフランス帰りのピエール種田(敏行)エンジン技術部長にエンジニアのお仕事について詳しくお話をうかがっています。 クボタというと、どうしてもトラクターや田植え機などの農機具のイメージが先行しがちですが、実はもともと水道管の会社で、今では取水から排水まで、一気通貫で主要製品を供給する「水の総合ブランド」です。 連結売上高は約1兆6000億円と兆超えの巨大企業。海外比率は実に65%と、「隠れたグローバル企業」でもあります。海外志向の学生さんはクボタに入りましょう(入れてくれればですが)。リストラに怯えながら南
肉食系代表の不肖フェルと、草食系代表の林さんがタッグを組んでお届けした異色のトークイベント。そもそも林さんが本当に草食かどうか。これはあくまで自称であり、科学的な検証は一切なされていない訳ですが、まあそこはそれ。ご本人の主張を尊重しましょう(笑)。 ご来場いただいたお客様は、ざっと見渡したところ女性比率が7割くらい。当「走りながら考える」のイベントを開きますと、95%がオッサ……いえあの中高年男性という碁会所のような集会になるわけですが、さすがは女性読者が多いcakesです。今回は圧倒的に女性が(しかもかなりの美人さんが)多かった。会場からのお悩み相談も艶っぽいものが多く、演者の方も十分に楽しませていただきました。
衰える足腰、量が増える失禁、度重なるトイレでの排便の失敗――老衰とアルツハイマー病の両方の進行により、2016年の秋の母は弱り、ますます介護に手間がかかるようになっていった。 10月に入ると、これらに加えて過食(「介護体制が整ったと思うや、病状が進行…」)も再発した。 いつも午後6時頃に夕食を出すようにしていたのだが、少しでも遅れると台所をあさり、買い置きの冷凍食品を散らかすのだ。「お腹が空いてお腹が空いて、いてもたってもいられない。御飯を作ってくれないあんたが悪い」――食欲は原始的かつ根源的な欲求ということなのだろう。何度言っても、懇願しても怒っても止まらなかった。 自分が壊れる時は、必ず前兆がある。 今回の場合、前兆は、「目の前であれこれやらかす母を殴ることができれば、さぞかし爽快な気分になるだろう」という想念となって現れた。 理性では絶対にやってはならないことだと分かっている。背中も
デイサービス通所初日から、左肩脱臼というとんでもないトラブルに見舞われたが、おかげで母の生活の拠点を2階の自室から1階の居間に移すことができた。 失禁は相変わらずだが、ヘルパーさん達の誘導(介護の世界では「説得」とは言わない。自らその方向に動くように“誘導する”という)で、本人不承不承ながら、尿漏れパッドを着用してくれるようになった。そしてウィークデイの昼間はヘルパーさんが入ることで、私が食事の用意をする必要がなくなった。 2015年7月、どうやらやっと、公的介護保険制度で本格的に介護する体制が整った。2014年7月に母の様子がおかしいことに気が付いたのだから、実に1年かかってしまったわけである。ここまで負けて負けて負け続けて、ようやく踏みとどまる足がかりができた。 今回は、母の食事に関してどのような苦労があって、どうやって乗り切ってきたかをまとめておく。私のやったことが介護面や栄養面にお
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