10日の東京外国為替市場で、ドル円相場が147円台前半まで上昇した。午前10時時点で1ドル=147円29銭前後と、前週末7日の午後5時時点に比べて38銭程度のドル安・円高となった。アメリカの景気減速への懸念が背景にあるとみられる。
今後のドル円相場については、日米の金融政策や長期金利動向が重要なカギを握る。
三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏による『【市川レポート】2025年のドル円相場見通し』によると、米連邦準備制度理事会(FRB)が2025年3月と9月に、それぞれ25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを実施すると見込んでいる。また、2026年3月と9月にも同様の利下げが行われ、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は3.25~3.50%に達したところで利下げが終了すると予測されている。
一方、日本の金融政策については、日銀が2025年1月と7月、2026年1月の金融政策決定会合で、それぞれ25bpの利上げを行うと予想されている。無担保コール翌日物金利の誘導目標は2026年1月時点で中立金利の下限(1.00~2.50%程度)に達し、その後の利上げペースは年1回程度になるとみられている。
日米長期金利差が縮小していく過程では、一般にドル安・円高が進みやすいとされる。三井住友DSアセットマネジメント社は2025年12月末のドル円の着地水準について、1ドル=153円と予想している。
前回の第一次トランプ政権ではドル安・円高が進み、特に米中の関税引き上げ合戦は、FRBの利下げ(不確実性の高まりによる景気への配慮)と一段のドル安・円高進行の要因になった。
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