ブラッド・ピット主演のラブロマンス映画「ジョー・ブラックをよろしく」にはある作品が登場する。それは「絵画=詩(栗毛の彼女を愛する幸せ)」と名付けられた名画で、20世紀スペインを代表する画家、ジュアン・ミロによって描かれた。来月1日[土]に開幕する「ミロ展」では、90歳まで生きた巨匠の画業を、初期から晩年までの名作でたどる。

 キスをしているカップルの左側で弦楽器が奏でるのは恋の歌だろうか。フランス語で「栗毛の彼女を愛する幸せ」と書き込まれた作品に、本展の学術協力を務める松田健児慶応大学教授は「作品全体から描き手の幸福感が伝わってくる。ミロは恋愛をしている状況にあったのだろう」と話す。

 1921年にパリにアトリエを構えたミロは、詩人や作家と交流を深め、絵画の中に詩として読める文字を書き込んだ作品を多数残している。その中には、栗毛の彼女について言及した別の作品もある。本作品を描いた当時、30代だったミロは、栗毛の女性に恋をしていたようだ。

 東京・上野の東京都美術館で、7月6日[日]まで。本展の詳細は公式サイト(https://miro2025.exhibit.jp/別ウインドウで開きます)。

イベントピックアップ

特集