石川一雄さん死去 「狭山事件」で無期懲役、無実を訴え再審請求中

中村瞬 宮島昌英
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 1963年に埼玉県狭山市の女子高校生が殺害された「狭山事件」で無期懲役の判決を受け、現在は無実を訴えて再審請求中だった石川一雄さん(86)=仮釈放中=が11日夜に亡くなった。関係者への取材でわかった。昨年末に体調を崩して療養中だった。

 事件は63年5月に発生した。女子高校生が行方不明になり、その後遺体で発見された。石川さんは殺人などの疑いで逮捕され、一審で死刑判決を受けた。二審から否認し、弁護側は「被差別部落出身者に対する偏見に基づいた捜査だった」などと主張して無罪を訴えたが無期懲役となり、77年に最高裁で刑が確定した。直後に再審請求を始め、現在は2006年に申し立てた3次請求中だった。94年に仮釈放されている。

 今月8日にあった再審を求める集会で、石川さんは「何としても生き抜き、冤罪(えんざい)を晴らす」とのメッセージを寄せていた。

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この記事を書いた人
宮島昌英
さいたま総局|事件担当
専門・関心分野
国内政治、日本史、大相撲