「組合員がついてこない」 全トヨタ労連が夢見た「バラ色の社会」は
10日投開票の参院選は、全トヨタ労働組合連合会(全ト、約35万8千人)にとってまさに総力戦と呼べるものだった。伝統的な組織票固めだけでなく、労組のトップ自らが街頭でビラを配るなど「どぶ板」も展開。組織内候補の議席は死守したが、課題は今も残されたままだ。
「あり得ない光景だ」。全トのOBらは、眼前の後輩たちの戦いぶりに、思わずそう漏らした。
選挙戦最終日の9日。自動車関連企業が集まる愛知県刈谷市の名鉄刈谷駅前では、全トの組合員が「皆さん、携帯にいっぱい番号が入っていると思います。比例は全国なので、誰にでもお願いできるので、全員に電話して下さい」と声をからした。鶴岡光行会長も街頭に立って車に手を振り、支援を呼びかけた。
ほかの候補であれば選挙期間中のありふれた光景だ。だが、組織票固めを徹底する選挙に慣れた全トOBらにとっては驚きだった。「街頭で訴えても意味はない。繰り返し組合員に支持を呼びかけないといけないのに」
選挙期間中は、鶴岡会長がビ…
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