クビ切られた「非正規」の声 政治に届けたい 大椿裕子さんの挑戦

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聞き手・中塚久美子
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 「解雇された人間が国政に挑戦してもいいじゃん!」と、今回の衆院選で大阪9区から立候補したロスジェネ世代の女性がいます。大椿裕子さん(48)。今年2月に社民党副党首に就いたばかりの元非正規雇用者が、国政を目指すまでの歩みを聞きました。

 1996年に四国学院大を卒業したロスジェネ世代です。専攻は社会福祉でした。当時は施設などに就職する学生が多かったのですが、私は自分が施設職員としてやっていく姿を描けなくて、女性支援の仕事に就きたいと思いながら卒業後は四国で複数のバイトをして暮らしていました。社会福祉士や保育士の資格は取りました。就職が決まらない友人らは実家の親から「帰っておいで」と言われていました。

子どもを産むと仕事を失うと泣いた

 特定のところに所属できていない不安や、年齢とともに正規雇用が難しくなる実感から焦りが生まれました。姉がいた神戸に移り、工場の派遣や障害者支援団体でヘルパーとして働いた後、2006年、関西学院大で障害のある学生の支援を担うコーディネーターに就きました。耳が聞こえる学生を集めてノートテイクの研修をして配置したり、車いすの学生のためにバス会社と交渉したり、学べる環境を整える仕事です。学生の成長を間近に見られ、やりがいがありました。

 ただ、雇用は最長4年。その間に子どもを産んで休んだら、別の人に置き換えられる場合もある。非正規だと産めないかあ、と泣いたことがあります。33歳くらいのころです。

 最終年を前に、働き続けたい…

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