「冗談だろ」三木谷氏激怒 楽天ケータイその理想と現実
井上亮
経済インサイド
2月29日、東京・二子玉川の楽天本社。携帯電話事業への本格参入を前に、三木谷浩史会長兼社長ら幹部が集まっていた。大手3社に次ぐ新たな携帯電話会社として料金面でどうアピールするか。料金プランを発表する3日前のこの日も議論は続いていた。焦点は採算性の確保だった。
三木谷氏が出した答えは、「自社で通信網を整備する大都市などではデータ通信無制限、それ以外は上限を月2ギガバイト」にという地域分割の料金体系だった。複数の楽天関係者によると、大手の半額以下となる「月2980円で無制限」プランの導入の方向性は早期に固まった。三木谷氏はかねて「他社がまねできない料金体系」「できるだけシンプルに」と強調していた。
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去った「立役者」
だが全国一律での「無制限」は難題だ。自前の基地局のエリア以外はKDDI(au)に通信網を借りる。全国で利用者が無制限にデータを使えばauへの利用料支払いが増え、大赤字になりかねない。その結果が、地域分割の料金体系だった。
安さと採算性のバランスにつ…
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