『2025クラウドガバナンスはこう変わる!マルチアカウント運用のre:Invent最新情報と活用例』に登壇しました!

インフラチームでAWSの運用保守をしているねぎです。こんにちは。

1月30日(木)開催の『2025クラウドガバナンスはこう変わる!マルチアカウント運用のre:Invent最新情報と活用例』にて登壇をしました。

aws.amazon.com

はじめに

本イベントや、発表のきっかけについては、先日のブログで公開をしておりますので、そちらも一読いただければと思います。

tech-blog.yayoi-kk.co.jp

登壇前練習

弊社の発表枠は30分をいただいており、私含めて登壇する3人で自社の会議室に籠って、2時間30分ほど練習を行いました。

  • はじめに30分ほど各々イメージトレーニング
  • 発表練習+振り返り/休憩を3セット

上記の流れで練習を進めて、1回目の発表練習では30分枠のところを20分程度で終わってしまい、みんなだいぶ早口で時間に収めようという気持ちが強かったことを確認しました。
2回目の発表練習では、1回目を振り返って各自少しゆっくり話をしました。25分でした。。。まだ早いw
だいぶ余裕があることが確認できたので、各々もう少し特に発表したいポイントを肉付けした話そうという振り返りを行いました。
そして3回目の発表練習、28分!!
本番は緊張で早口になりがちなので、3回目の発表練習イメージを各自意識しながら登壇に臨もう!と練習を終えたのでした。

イベント直前

イベント開始の30分前、18時30分に会場到着しました。
早々に用意した資料が投影できるか、などの事前チェックを終え、発表台の真ん前の席を取らせていただきましたw
イベント開始までAWSさんが用意してくれたお菓子で糖分補給をしながら、ドキドキが増していきます。
イベント開始時間が間際には、会場となっていたStartup Loftの会場スペースが奥の方まで参加者でいっぱいに埋まっていた状況でした。(緊張度MAX)

イベント詳細

当日の各イベントですが、各セッション弥生の取り組みに活かせそうな内容が多く参考になりました。

「ビジネス成長を阻害しないために新しく AWS アカウントを作成した人がやるべきこと」

AWS様スピーカーセッションで、タイトルの通りアカウントを作成した後にやっておく基本ポイントを網羅的に聞けるセッションとなっていました。
「ルートユーザーアカウントの常用は絶対止めましょう」というコメントを何度もお話されてたのがとても印象的でした。

「re:Invent 2024 から見る AWS マルチアカウントガバナンスのこれまでとこれから」

AWS様スピーカーセッションで、マルチアカウントを実現する上で便利なAWSサービスである「ControlTower」に関する紹介がありました。
re:Invent 2024の新機能の紹介もあり、RCPや宣言型ポリシーによるガバナンス強化や使い分けで実現できることをわかりやすく学べました。

「少数精鋭で200+アカウントを支える!弥生の「CSGO活動(Cost、Security、Governance、Other)」とは」

弊社スピーカーセッションになります。資料は以下で公開をしております。

speakerdeck.com

時間を計ることを失念してしまったのですが、19時40分くらいから発表をはじめて、20時10分ごろに終わったので練習の成果が発揮出来た、はずです(汗)

「AWS Organizations で実現する、マルチ AWS アカウントのルートユーザー管理からの脱却」

STORES株式会社様スピーカーセッションで、一番最初のAWS様スピーカーセッションで何度も強調されていたルートユーザーアカウントをマルチアカウントから削除するまでに行ったことを具体的に紹介されていました。
弥生でのやろうとしていた内容だったので、とても参考になりました。

「スタートアップとセキュリティ対策」

SecureNavi株式会社様スピーカーセッションで、ISMS認証、Pマークなどを取得する際に取り組むポイントなどを紹介されていました。
AWSのマーケットプレイスでも提供されているということで、気になりました。

「持続可能なクラウドガバナンス運用: スモールステップと生成AIで始める運用効率化」

AWS様スピーカーセッションで、弥生がこれからやろうとしていることが一部盛り込まれている内容でした。
そのため非常に参考になり、生成AIでよりセキュリティやガバナンス強化が目指せると感じました。

イベント後

イベントが21時10分ごろに終了し、21時30分の会場退出時間まではQ&Aタイムということで、弥生の発表内容について各参加者の興味を持っていただいた方からご質問をいただきました。
ありがたいことに非常に好評をいただきまして、会場退出時間ギリギリまで色々な参加者の方とQ&Aを通じて、困っていること悩んでいることなどお聞きすることも出来ました。
AWSをシングルアカウント構成で活用している方、すでにマルチアカウントで運用されている方にも興味を持ってもらえた発表に出来たのかと思います。

登壇した感想

ねぎ

登壇する前までは、ただ弥生が取り組んで来た内容がメインで、この内容でイベントに参加された方に興味を持ってもらえるか不安がありました、 いざ終わってみると反響がすごく大きく、同じような悩み・取り組みをやっていきたいというお声を多く聞くことが出来ました。 今までやってきた方向性が正しかった、他の方にも響くような内容だった、という点が非常に嬉しかったです。 また登壇する機会をもらえるようによりAWSをフル活用して、より安全で快適な環境を作り上げていきたいと思います。

五十嵐

自分たちがやってきたことに対して、参加者からポジティブなリアクションいただけたので非常に励みになりました。 また、AWSさんのセッションや弥生以外の事例紹介では、弥生が今後取り組んでいく施策に活かせる内容が盛りだくさんで非常に有意義な時間となりました。 また登壇できるよう精進していきます!

今泉

今回の登壇はre:Invent 2024に参加した際に現地でお話をいただき、参加させていただく運びとなりました。 私個人ではこのような登壇は初めてで緊張しましたが、CSGO活動について皆様にお伝えできてできてよかったです。 登壇後には、参加者の皆様からマルチアカウント環境やSIEMについての質問をいただき、意見交換ができました。非常に有意義な時間を過ごせたことに感謝しています。 また、このような機会があれば、ぜひ積極的に参加したいです!

今後

今後の展望として

  • 「プラットフォームエンジニアリング」

  • 「生成AIの活用」

  • 「SIEM」

といった3点をチャレンジしながら、4つの軸としている

  1. 「コスト最適化」

  2. 「セキュリティ強化」

  3. 「ガバナンス強化」

  4. 「未来を実現するためのインフラ基盤整備」

のさらなるレベルアップを、引き続き少数精鋭で実現していきたいと思います。


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QAエンジニアがFindy Job LTの「QAエンジニア特集」に登壇します

こんにちは、開発本部の kanai です。

2月25日(火)開催のFindy Job LTの「【QAエンジニア特集】プロダクト成長を支えるQA 品質保証の取り組みと課題」に、開発本部QAエンジニアの奥野 賢一が登壇します。
このブログは、告知です。

お話するもくにゃん

「【QAエンジニア特集】プロダクト成長を支えるQA 品質保証の取り組みと課題」

QA(Quality Assurance)は年々取り上げられるシーンが増えており、スタートアップなど規模を問わずQA組織の立ち上げが行われる程重要視されています。また、品質保証(QA)の役割は単なるバグ検出にとどまらず、プロダクトの信頼性や開発プロセスの最適化、ユーザー体験の向上まで広がっています。

そこで本イベントでは各社のQAエンジニアの方をお招きし、自社における品質保証の取り組みや品質において重視しているポイント、現場での課題や今後の展望を具体的な事例を交えながらお話しいただきます。

(イベントページより)


名 称:  Findy Job LT
主 催:  ファインディ株式会社
開催日:  2025年2月25日(火)12:00 - 13:00
会 場:  オンライン

こんな方におすすめです!

  • 各社のQAの取り組みや今後の展望を知りたい方
  • QAの役割やその重要性について理解を深めたい方
  • 今後のキャリアを考えているQAエンジニアや開発者の方

参加申し込み

以下のリンクの「イベントに申し込む」からお申し込みください。
[https://findy-code.io/events/0A7KrNpGFUvwP

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AWS re:Invent 2024 参加報告会 開催します!

こんにちは!弥生でエンジニアをしている中尾です。

皆さん、もくテク はご存知ですか?
もくテク は弥生株式会社が主催している社外向け勉強会です。

久しぶりにもくテク運営より開発者ブログを書いてみました。
好評であれば継続していこうと思います!
よろしければしばらくお付き合いください!

イベントの概要

https://mokuteku.connpass.com/event/340760/mokuteku.connpass.com

2025年1月29日()19:00 から、もくテク1月会「AWS re:Invent 2024 参加報告会」を開催いたします!

「AWS re:Invent」はAWSが毎年開催している全世界規模の学習型カンファレンスになります。
例年ラスベガスで開催されていますが、実は弥生の選抜メンバーが毎年現地まで行き参加しています!

今回のもくテクでは、LT&座談会形式で実際に参加したメンバーに「AWS re:Invent」の思い出や普段の業務でのAWSの利用シーンについて語ってもらいます!

LTの概要

もくテク定番のLT(Lightning Talk)になります!
タイトルを紹介するので気になる発表があった方はぜひお申し込みください!

LT1

「フロントエンドとバックエンドの非同期連携パターンと弥生Nextの事例紹介 (仮)」になります。
発表者の木村さんが re:Inventの記事を投稿しているので、ぜひご一緒にご覧ください。

tech-blog.yayoi-kk.co.jp

LT2

「Amazon OpenSearchのコスト最適化とZeroETLへの期待」になります。
発表者の今泉さんも re:Inventの記事を投稿しているので、ぜひご一緒にご覧ください。

tech-blog.yayoi-kk.co.jp

LT3

「re:Inventで学んだWebシステム運用のBad Dayへの備え方(仮)」になります。
発表者の宮崎さんも re:Inventの記事を投稿しているので、ぜひご一緒にご覧ください。

tech-blog.yayoi-kk.co.jp

LT4

「AWS re:Inventで感じた世界に見る生成AIの競争」になります。
re:Inventとは別ですが、発表者の髙瀬さんが社内の勉強会について記事を投稿しているので、ぜひご一緒にご覧ください。

tech-blog.yayoi-kk.co.jp

座談会

本イベントではLT登壇者による座談会を行います。
イベント中に視聴者の皆様から質問を募集しますので、遠慮なくご質問ください!

イベント申込ページ

イベントの申し込みはconnpassのイベントページからお願いいたします!
ほかの媒体は取り扱っておりませんのでご了承ください。 https://mokuteku.connpass.com/event/340760/mokuteku.connpass.com

過去のイベント

もくテクでは、過去のイベントをYou Tubeで公開しています。

一覧はこちら もくテク配信アーカイブ - YouTube

昨年度のre:Invent回はこちら

youtu.be

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AWSイベントに登壇します

インフラチームでAWSの運用保守をしているねぎです。こんにちは。

1月30日(木)開催の2025クラウドガバナンスはこう変わる!マルチアカウント運用のre:Invent最新情報と活用例にて、登壇をします。

aws-startup-lofts.com

このブログは告知です。

2025クラウドガバナンスはこう変わる!マルチアカウント運用のre:Invent最新情報と活用例 とは

タイトルにもありますが、昨年行われたAWS最大規模のイベント「re:Invent」の最新情報をAWSさんからお話いただき、その後各社の事例として今回は「マルチアカウント運用」をテーマに活用事例をお話するイベントとなっております。

イベント前日にはもくテクで、弥生社員が昨年参加したre:Invent参加報告会も予定されています。こちらも是非ご参加いただければと思います。

発表のきっかけ

2022年5月のもくテク発表です。この時に「マルチアカウント運用」に関して発表していました。

mokuteku.connpass.com

その時の発表資料をAWS社内でも活用いただいているということで、今回のイベントテーマにも沿っていて、その後2年間でどういう進化を遂げたかをお話して来ようと思っています。

speakerdeck.com

発表概要

タイトル:「少数精鋭で200+アカウントを支える!弥生の「CSGO活動(Cost、Security、Governance、Other)」とは」

2年前のもくテク発表時は、AWSアカウントが100アカウント近くなってきた時のお話でした。

そこから倍以上のアカウント数となりました。。。(あっという間に)

2年前までは私一人で運用をしていましたが、今では私含めて3人!!(人数は3倍に)

それでも少人数だと思いますので、少人数でこの規模を運用していくポイントとして4つの取り組んだ内容をイベントでは紹介します。

  • コスト最適化(Cost)
  • セキュリティ強化(Security)
  • ガバナンス強化(Governance)
  • 未来を実現するためのインフラ基盤整備(Other)

上記4つのポイントはCSGO活動(Cost、Security、Governance、Other)として、それぞれの頭文字を取って勝手に社内で呼んでいます。

これからAWSでマルチアカウント環境を検討されている方、すでにマルチアカウント環境を運用されている方の気づきやヒントになると思っています。

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弥生アドベントカレンダー2024ふりかえり

この記事は弥生 Advent Calendar 2024のシリーズ2、25日目の記事です。

プレゼントもらえた?
こんにちは、かとあず(@kato_az)です。
弥生でQAエンジニアをしている傍ら、弥生開発者ブログの運営や弥生株式会社エンジニア情報X(旧Twitter)の中の人をやっています。

弥生アドベントカレンダー2024 とは

今年もQiitaの「Organization」カテゴリーでアドベントカレンダーを作成し、弥生メンバーがブログリレーをしました。
「業務に直接関係あること、ないこと」を書いた弥生エンジニアのたくさんのブログが公開されました。
ぜひご覧ください。
qiita.com

ふりかえり

「弥生アドベントカレンダー2024」を「弥生アドベントカレンダー2024」でふりかえる件について

弥生アドベントカレンダー2024ふりかえり

当初は、アドベントカレンダーが12月25日に完了後、外部発表として弥生の取り組みを紹介する予定でした。
しかし、急遽12月23日に開催した弥生社内の部門でのLTでお話しすることになりました。

「12月25日までアドベントカレンダーが続くのに23日にふりかえりをテーマにLTをするの?」と感じる人もいたかもしれません。
それでも、「鉄とふりかえりは熱いうちに」。タイミングを逃さないことをモットーに、 実行しながらふりかえっていくスタイルです。

部門でのLTに関しては、弥生アドベントカレンダー2024の20日目と23日目で、新卒入社1年目の野溝さんと矢谷さんが紹介されています。
ぜひこちらの記事もご覧ください。 tech-blog.yayoi-kk.co.jp

tech-blog.yayoi-kk.co.jp

弥生アドベントカレンダーの参加者情報

去年2023年までは「シリーズ1」25記事の登録が完了するのが11月の最後だったのですが、今年2024年は11月12日に25記事の登録が完了していました。すごい。
このため、弥生のアドベントカレンダーとしてははじめて「シリーズ2」を作成し26記事以上の参加を募集することになりました。

アドベントカレンダー記事数と参加者数(見込み)
大盛況のアドベントカレンダー、弥生は2018年から参加しています。
最初の2年は複数の会社が合同で実施しているところに参加している状態で、3年目の2020年から主体となって実施しています。
アドベントカレンダー実施は連続7年
年々アドベントカレンダーが浸透していって参加が増えている印象がありました。しかし、数値で見ると、2018年と2024年ではエンジニア人数が約2倍、アドベントカレンダー参加人数も約2倍ということで、参加割合の推移はあまり変わっていないということがわかりました。
2018年から2024年でエンジニア数が2倍、アドベントカレンダー参加者数も2倍
何年か続けているうちに「常連だけの内輪ネタお祭り」になりそうですが、「弥生アドベントカレンダー2024」は参加者のうち、過半数は初参加でした。
初参加が半分以上

運営メンバーがやってきたこと

寄稿者に向けての取り組み、運営内の取り組み、それぞれ3点紹介します。

寄稿者に向けての取り組み

  1. とにかく周知
    複数の場で周知し、社内でアドベントカレンダーを全員が知っている状態を目指しました。
  2. 個別にアプローチ
    「●●さんのあのLTについて、もっと読みたい」「社内で表彰されていたこと詳しく教えて」などなど、普段のみなさんの活動を見ながらブログに書いてほしいことをお願いしました。
  3. Slack、はてなブログで盛り上げ
    公開後には意識的にリアクションして社内での盛り上げを意識しました。ブログを書いてよかったと思えるようにしていきました。
    寄稿者に向けての取り組み3点紹介

運営内での取り組み

  1. 準備は10月から
    「弥生でアドベントカレンダーやると思わず他のアドベントカレンダー登録しちゃった」や「急に周知されてもブログ書くのが間に合わない」ということにならないよう、入念に準備し、11月早々に参加表明してもらえるように準備しました。
  2. みんなで参加を
    エンジニアだけのお祭りに閉じないよう、全社のSlackで見えるようにしたり、絵が描けるメンバーにカバー画像をかいてもらいました。
    もくにゃんかわいい。
  3. 接点を増加
    弥生開発者ブログやアドベントカレンダーの存在に気づいてもらうため、弥生株式会社エンジニア情報Xにてブログ情報を投稿しています。
    まだまだフォロワー数の少ないアカウントではありますが、知っていただくために試行錯誤しています。
    運営内の取り組み3点紹介

偶然発生したこと

運営が狙っていたわけではないことでもよいことがたくさんありました。
特に、フルリモートワークを採用している弥生では部門が異なる人同士のコミュニケーションが難しいと感じます。
ブログをとおしてレビューアーとレビューイーでZoomミーティングをしたり、投稿記事のリアクションから話が広がったりしたのは、よいことだったと感じています。
今後、業務上で連絡を取り合うときに「ブログのあの人」と思い出すことでスムーズに会話が進むかもしれません。

狙っていたわけではない、よかったこともたくさん。

今後の取り組み

12月以外のブログ投稿数が増えていないこと、公開までのフローが煩雑になってしまっていること、運営メンバーの交代が発生するので引継ぎが必要なことを挙げています。
2025年改善ネタです。

次の施策を考えないといけない
完成形ではない状況ではありますが、それでもアドベントカレンダーは大盛況でした。

まとめ

弥生開発者ブログ運営で、弥生開発者ブログとアドベントカレンダーの取り組みをふりかえりました。
2025年はどんな1年になるでしょうか。お楽しみに。

弥生アドベントカレンダー2024まだ読んでいないという人は、ぜひ気になるタイトルの記事を1つ読んでみてください。
qiita.com

また1年後!



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S3バックアップ見直し ~AWS BackupからCRRに変更しコストを月額1600ドル削減しました~

メリークリスマス、弥生でエンジニアをしているおおもりと申します。今年5月に中途入社してからスマート証憑管理というサービスの運用改善を行っています。
今回、スマート証憑管理で実施したAWSコスト削減施策で行ったDR(ディザスタリカバリ)対策で利用しているS3バックアップの見直しについて紹介します。
昨今、円安の影響でいろいろな物が値上げしています。日用品だけでなくAWSサーバー費用もドルで計上されるため円安の影響を受けます。
弥生では、全てのサービスのサーバー費用などのコストを役職に関係なく知ることができるオープンな状態になっています。また全社集会の場でもサービスごとの収益、費用、利益等が目標通り進んでいるかの報告が行われます。
そのためエンジニアの立場でもコストを意識して日々仕事に取り組んでいます。

スマート証憑管理のサービス説明

スマート証憑管理は、領収書・請求書・納品書・見積書などの証憑をクラウド上で保存・管理できるサービスです。
保存された証憑が電子帳簿保存法の保存要件を満たした状態にできるようにサービスが提供されています。
保存された証憑データを「11年4ヶ月」保存すると規約で定めています。
これらのサービス要件をAWSのS3を使って実現しています。電子取引のデータ保存の保存要件によりデータ削除できないため日々S3のデータは増えていきます。
現在は、TBを超える膨大なデータ量になっています。

DR(ディザスタリカバリ)対策

スマート証憑管理のサービス説明で記載した通りサービスの要は、お客様から預かっている証憑になります。
DR対策としてAWSの東京リージョンで万一何かあったときにも対応できるように大阪リージョンにもS3のデータを複製しておく必要があります。
AWS Backupを使ってバックアップ対応を行っていたのですが、費用が高いという問題がありました。
データ量が多いため毎月2000ドルを消費しており、今後データ量が増えるとさらにコストがかかるという問題がありました。

AWS社からのS3バックアップ改善提案

弥生ではAWS社のTAM(テクニカルアカウントマネージャー)やSA(ソリューションアーキテクト)に相談しサポートを受けることができます。
今回コスト最適化のテーマだったためTAM担当者の方からS3のCRR(クロスリージョンレプリケーション)機能を使えば安くなるというご提案とCRR機能を使った場合と現状のままAWS Backupを利用し続けた場合を比較したグラフを提示いただきました。

開発環境での改善提案の検証

以下の3つの条件を開発環境で検証しました。

1. 現在運用しているAWS Backup  
AWS Backupは各サービスのバックアップを一元管理・設定できるサービスです。  
定刻でバックアップを取得するよう設定を行い、S3バケットのスナップショットを作成し、大阪リージョンへ送信するようにしていました。  

 結果  
バケット内の全オブジェクトを東京リージョン内でスナップショットにしてから大阪リージョンにスナップショットを送信していました。  
そのためオブジェクト量に比例して、毎日コストがかかることがわかりました。  
さらにスナップショットを復元した際にオブジェクトの日付が復元した時間になってしまっていることも判明しました。

2. 改善案のCRR +CRR Batch  
CRR(クロスリージョンレプリケーション)はS3で設定できる機能です。  
設定するとほぼ同期的にオブジェクトが作成・変更・削除されたタイミングで連携先のS3バケットで同じようにオブジェクト操作が行われます。    
CRR Batch(クロスリージョンレプリケーションバッチ)はCRRを設定する際に今まで貯めていたデータを一括で連携先のバケットに送信できる機能です。    結果  
CRR Batchで連携されたオブジェクト含め大阪リージョンのオブジェクト日付は、東京リージョンと同じ日付になることを確認できました。  
また開発環境では少量データで検証していましたが、CRR Batchはデータ量に比例して転送時間がかかることがわかりました。  
結果から本番データでは、膨大なデータ量のため数日かかるという予測をあらかじめ立てることができました。

  3. 改善案のCRR +CRR Batch +ストレージクラスGIR
ストレージクラスGIR(Glacier Instant Retrieval)は、S3標準よりも安いストレージクラスです。
S3標準ストレージクラスよりも安いストレージクラスGIR(Glacier Instant Retrieval)を大阪リージョンで利用するように設定します。

結果
ストレージクラスGIRを利用する場合には、オブジェクトサイズが128KB未満だと逆にコストが多くかかることがわかりました。
ストレージクラスGIRからオブジェクトを取り出す必要があり、以下の2点の課題があることがわかりました。
・ストレージクラスGIRからオブジェクトを取り出す仕組みを構築する必要があります
・ストレージクラスGIRから取り出した日付がオブジェクト作成日になってしまいます

開発環境での検証結果まとめ
開発環境での検証結果からCRR +CRR Batchに変更することを決定しました。

本番環境でのCRR +CRR Batchへの変更対応

事前の認識合わせ

AWS BackupからCRR +CRR Batchへの変更にあたってTAM担当者の方から連携された数値も利用してコスト改善の見積を行いました。
CRRの設定をする際に今までのオブジェクトデータを送信する1度しか動かないCRR Batchで2000ドルかかり、CRRでは毎月400ドルかかるということを見積として出しました。改善前のAWS Backupでは2000ドルかかっており、CRRに変更すれば400ドルになるため1600ドル削減できます。
そのため初回に投資する2000ドル含め2カ月ほどでコスト削減するという見積りをたてることができました。
コスト見積りを事前に出し、初回には一時的に費用は上がるが毎月の削減で改善できることを示したおかげでPMや開発部関係者とすぐに合意が取れリリースに進むことができました。

実施結果

CRR Batch費用
CRR設定開始前のデータを一括で転送するCRR Batchにより大阪リージョンへの連携に2日かかりました。青色のS3のコストは約2000ドルの費用でした。
データ量が多いこともあり失敗せずに完了するか不安がありましたが無事予想通りのコストで完了しました。

CRR効果
CRRの設定によりS3の費用は、予想通り数十ドル増えましたが、緑色のAWS Backupが丸々費用として削減されました。
結果から、毎月1600ドルの費用を削減することができました。

今後の取り組み
AWS Backupの費用削減に成功したので、次に費用がかかっているECRの費用削減に今は取り組んでいます。現在弥生では、AWS費用を削減することに力を入れています。
大規模なユーザデータを扱ったコスト改善などに興味がある方がいればぜひ弥生に入社していっしょに頑張りましょう。

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DAPツール「Pendo」の海外イベントに参加してきました

この記事は弥生 Advent Calendar 2024 の24日目の記事です。

こんにちは。弥生でプロダクトデータ分析をしている yayoi_sd です。

わたしが所属している次世代本部では「Pendo」というツールを導入しており、そのイベントに参加しにアメリカのノースカロライナまで行ってきました。 jp.pendo.io

Pendoとは

ひとことで言うと「ソフトウェアのユーザー体験を向上させるための、分析・ガイド・フィードバック機能を備えたツール」です。

ガイドは、ユーザーが製品内で操作を直感的に学べるようにオンボーディングや機能紹介のサポートを提供できる機能で、フィードバックはアンケート機能です。

このような、ユーザーがソフトウェアやデジタルツールを効果的に利用できるよう支援するためのプラットフォームを一般に「DAP(Digital Adoption Platform):デジタルアダプションプラットフォーム」と呼び、弥生では製品改善に活かすべく複数製品でPendoを活用しています。

参加したイベント:PENDOMONIUM(ぺんどもにあむ)

Pendoは外資系のツールで、本社はノースカロライナにあります。

毎年そこでユーザーイベント「PENDOMONIUM」を開催していて、今回そこに参加をしてきました。 www.pendo.io

イベント会場の Raleigh Memorial Auditorium。コーポレートカラー「ピンク着用推奨」ちらほら見かけました

キーノートでは、Pendoの今後の戦略や方向性を学んできました。

いちばん印象に残ったのは「これからのソフトウェア体験では、AIによるパーソナライゼーションを通じてユーザーによりよい体験を提供していくのである」といった趣旨の発言です。

キーワードとして「AIによる自動化(自律型エージェント)」、「インサイトと推奨」、「会話型インターフェイス」の3つが挙げられており、今後の機能拡張もこの方向でなされていきそうに思いました。

わたしがPendoの開発をしているわけではないので「思いました」みたいな言い方になりましたが、実際に紹介された機能拡張予定で「集めたフィードバックからインサイトを得るために会話型ユーザーインターフェースを組み込む」といった話があったりしたので、「そう思いました」

Opening Keynote(CPOのTrisha氏)。上述の3つのキーワードがスライドで触れられています

Pendoユーザー事例セッション

PENDOMONIUMでは、ユーザーによる活用事例のセッションも数多く実施されています。

ここでは、Pendoのガイド機能を使いユーザーのオンボーディング完了率を改善させていた企業の取組事例を一部抜粋・共有します。(キーノートのような大きな話だけでなく、ユーザー向けの地に足のついた事例紹介も充実)

Pendoユーザー事例:アプリ内のオンボーディングガイドの「利用率」を2倍にした方法
この事例の紹介企業では、ビジネス向けに、オンラインで図表作成ができるツールを提供しています。

話者のロールはマーケティングマネージャーで、マーケティングリサーチや行動経済学にバックグラウンドを持たれている方でした。

もともと、図表作成ツールの初回利用ユーザーに向けオンボーディングガイドを提供していたようですが、ガイドの利用率の低さが課題となっていました。

  • ガイドを利用するユーザーの割合:14%
  • ガイドを半分地点まで閲覧するユーザーの割合:11%
  • ガイドを全て閲覧するユーザーの割合:9%

初期ガイドの反省点として、「内容が基本的すぎる」、「ステップが多い」、「テキストが多い」といったことが挙げられていました。
そこで、下記のような改善を加えられています。

ガイド改善点の例

  • ガイドの開始位置の変更 & A/Bテストによる検証(画面右端 vs 画面中央)
  • ガイド導入にアンケートを追加(どんな図表を作りたいか?)
  • ガイドの分岐機能の活用 & アンケート回答に応じた詳細化(作成したい図表に応じ、その後のガイドをパーソナライズ)
  • ガイド利用を促すCTAボタン(Call To Action:ユーザーに特定の行動を促すためのボタン)の文言変更(before:show me around ⇒ after:Yes, show me around)
  • 社会的証明の活用(例:xxユーザーが、先月この図表を作成)

改善版のガイドでは、以下のような結果が見られていました。

  • 中央表示の方が、ガイド利用の開始がされやすい(+15%)
  • アンケートには、39%のユーザーが回答
  • ガイドを利用するユーザーの割合:29%
  • ガイドを半分地点まで閲覧するユーザーの割合:18%
  • ガイドを全て閲覧するユーザーの割合:15%

この結果をもって、「小さな変更が大きな成功に繋がる」点を強調されていたのが印象的でした。
この事例の要点は以下の通りです。

  • パーソナライゼーションとガイドの目的の明確化が必要
    • ユーザーは製品に何を求めているか?「アハモーメント」を早く体験させること
    • ユーザーに過剰な負担を求めないこと

講演は野外ブースで実施されていたものも(雨ふったことないねん、と聞きましたが本当でしょうか )

参加してみて

印象に残ったこと、よかったことは以下です。

  1. PendoにおけるAIの取組について、本気度を感じることができた
  2. ユーザー事例から「やってみなはれ」的な前向きなパワーを感じた
  3. シンプルに非日常な体験ができた

1点目。さきほど「集めたフィードバックからインサイトを得るために会話型ユーザーインターフェースを組み込む」という機能拡張例を挙げました。
こちら、実はPendo社によるZelta AIという企業の買収がPENDOMONIUMでも発表されていました。
www.pendo.io

自社で使い方を模索していくのではなく、既にAIで成功した事例でシナジーのある会社を買収し機能に組み込むというやり方にPendoの本気度を感じます。

2点目。Pendoというツールの性格もそうだなと思っているのですが、「やってみて検証して改善」といった取り組みをファンクション横断で進めているユーザー事例を多く聞いたように感じています。
弥生ではPendoを導入して2年目。社内ユーザー数も増えてきており、どんどん使い倒していきたいな~と気持ちを新たにしました(Pendoも、しれっとどんどん機能改善・拡張されている..!!)。

3点目。通常業務から離れ遠く外国の地でインプットを得る時間、とても貴重な機会だったと思います。年1イベントなので、弥生としても毎年恒例参加にしたい気持ち。

左:アフターパーティにてCEOのToddさんと弥生メンバーとで 右:Pendo新機能の名が冠されたビール

海外イベントへの参加:気になる英語のこと

わたしも、一緒に行ったメンバーも、簡単な応答はできるといった英語レベルでした。
講演となると難度が高く、そこはAIの力を借りました。AI、とても優秀で十分実用に足ります。

  • Otter.ai:リアルタイムでの書き起こしや、ファイル出力
  • Deep L:書き起こしファイルをアップするとほぼノータイムで和訳
  • ChatGPT:要約

1講演あたり40分ほどあったので、ChatGPTに要約をさせました。
要約させると具体例が抜け落ちてしまったり、この点は少し課題感あるな~と思いましたが、要点は十分に拾うことができます。

おまけ

実は、今回のイベントはPendo日本法人に現地でのアテンドいただく形で参加をしてきました。
ご縁がありイベントに合わせてGoogle NYC Officeを訪問させていただいたので、その様子をポストして記事を締めくくります。

Google NYC Office(外観のみですみません)

ハイラインから眺めるNYの街並み(建物がデカい!)


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