春闘、高水準の賃上げ相次ぐ 大手が集中回答 物価高、人手不足受け

片田貴也
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 今年の春闘は12日、大企業の多くが労働組合の賃上げ要求に答える集中回答日を迎えた。物価高や人手不足を背景に、定期昇給(定昇)を含む賃上げ率が33年ぶりの5%台となった昨年に続いて高水準の回答が相次いだ。

 トヨタ自動車は、平均賃金の引き上げ額は明らかにしていないが、労組からの「最高水準」の賃上げ要求に満額で応じた。満額回答は5年連続。日産自動車は月1万8千円の賃上げ要求に対して、1万6500円で回答した。要求額は昨年の妥結額と同じ過去最高水準だったが、満額回答とはならなかった。

 電機大手では、各労組が基本給を底上げするベースアップ(ベア)相当分として月1万7千円を求めたのに対し、日立製作所やNECは満額で回答し、三菱電機は1万5千円と回答した。重工大手では、三菱重工業川崎重工業、IHIがベア1万5千円で満額回答した。鉄鋼大手でも、JFEスチールが1万5千円のベアと満額で応じた。このほか、化学大手の三菱ケミカルは1万8415円(4.8%)のベアで、労組が要求した4.0%(1万5346円)を超える回答となった。

 12日を前に回答した企業もある。自動車部品大手のデンソーは、4月からベアと定昇を合わせて過去最高となる月平均2万3500円の引き上げを決めた。牛丼チェーン「すき家」などを展開する外食大手のゼンショーホールディングス(HD)は正社員のベアを、要求を上回る平均7.68%とした。一方、サントリーHDは、4月分から月1万2千円のベアを実施すると発表。労組は1万4千円を要求しており、満額には届かなかった。

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