ミルクの吐き戻しで6カ月の男児死亡 認可外保育の元施設長に有罪
東京都練馬区の認可外保育施設で2018年、昼寝中だった生後6カ月の男児の観察を怠り、ミルクの吐き戻しで窒息死させたとして、業務上過失致死罪に問われた元施設長の鈴木数子被告(77)に対し、東京地裁(江口和伸裁判長)は11日、禁錮1年執行猶予3年(求刑禁錮1年)とする判決を言い渡した。
判決によると、被告は18年10月、男児が昼寝中に吐き戻したミルクをのどに詰まらせたのに気づかず放置し、窒息死させた。男児は当時、うつぶせの状態から自力で体勢を変えられず、判決は「睡眠中の状態を細かく観察する注意義務を被告が怠った」と認めた。
この認可外保育施設は、17年の東京都の立ち入り調査で「睡眠状況の観察が不十分」との指摘を受け、睡眠チェックリストを記入するとの改善策を都に報告したが、実施していなかった。
判決はこうした経緯をふまえ「具体策を理解していたのに怠っており、被告の過失は重大だ」と批判。「何の落ち度もなく、両親や姉弟らと過ごすはずだった未来を奪われた被害者の無念は察するにあまりある」と述べた。
男児の両親は判決後、代理人弁護士を通じて「今回の判決が保育現場の改善や保育関係者の意識の向上につながるきっかけになり、息子の死が無駄にならないことを願います」とするコメントを出した。
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