パキスタンの武装勢力が列車襲撃 「人質50人殺害」犯行声明で主張
パキスタン西部バルチスタン州で11日、走行中の旅客列車を武装集団が襲撃した。治安当局によると、列車を停止させ、乗客を人質に取った。ロイター通信によると、同州の分離独立を目指す反政府武装勢力「バルチスタン解放軍(BLA)が「約50人を殺害した」との犯行声明を出した。
襲撃されたのは、州都クエッタから北西部ペシャワルへ向かう急行列車。地元紙ドーンによると、9両編成で450人ほどの乗客がいた。BLAは線路を爆破し、機関車を銃撃。列車に乗っていた治安部隊と銃撃戦の末、同州中部のムシュカフ付近の山間部のトンネルで列車を止めた。運転士らが死亡したという。
BLAは声明で、ヘリコプターやドローンで攻撃してくる軍を撃退し、列車を手中に収めたと主張。女性や子供、地元のバルチ人を避難させる一方、交戦で軍兵士ら30人を殺害し、乗客だった兵士や警察官ら214人を人質に取ったとし、政府側に拘束されているバルチ人の政治犯らとの交換を要求した。治安当局は、乗客のうち190人を救出し、BLAの30人を殺害したと発表したが、発生から丸1日たっても人質全員の解放には至っていないという。
パキスタンは中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の重点国で、同州では港湾や道路などの大規模開発が続く。BLAはこうした開発事業を「侵略」ととらえ、パキスタン政府や軍、中国人を標的にした攻撃を繰り返している。昨年11月には、州都クエッタの鉄道駅のホームで爆発があり、少なくとも24人が死亡。BLAが犯行声明を出していた。
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