マルコス家vsドゥテルテ家、逮捕で対立加速か 長女も弾劾裁判へ

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マニラ=大部俊哉
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 国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状に基づき、フィリピンロドリゴ・ドゥテルテ前大統領が11日に逮捕された。強硬な取り締まりで多数の死者を出した「麻薬戦争」への追及が進む陰で、顕在化してきたのがドゥテルテ一家とマルコス大統領一家の確執だ。ドゥテルテ氏の長女サラ副大統領も弾劾(だんがい)訴追されている。フィリピンの政治中枢に何が起きているのか。

 両家の対立を燃え上がらせたのは、昨年11月のサラ氏のオンライン会見での発言だった。

 「殺し屋を雇った」「私が殺されたら大統領と妻、(マルコス氏のいとこの)下院議長を殺してくれと指示した。冗談ではない。最後までやり抜けと命じた」

 この発言がニュースなどで拡散され、大炎上。暗殺計画を首謀したなどとして、2月に下院がサラ氏への弾劾訴追案を可決、7月に罷免(ひめん)の可否を審理する弾劾裁判を控える。現地メディアによると、フィリピンで副大統領が弾劾訴追されるのは初めてのことだ。

選挙で共闘→ほころび

 弾劾の動きと並行して、国家…

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この記事を書いた人
大部俊哉
マニラ支局長|東南アジア・太平洋担当
専門・関心分野
安全保障、国際政治、貧困問題