第3回「聖域」から動物園に移るチンパンジーも 実験受けた彼らへの思い

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杉浦奈実
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 熊本城前から路面電車に揺られて28分。約120種700頭の動物と、約800種5万点の植物が集まる熊本市動植物園は、緑豊かな熊本市東部にある。

 木立のなかで追いかけっこをしたり、樹上で休んだり。園内の池に浮かぶ島では、のんびりと暮らすチンパンジーたちをオリを通さずに観察することができる。

 ここにいる5頭のうち、3頭はチンパンジーたちの「聖域」京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリからやってきた。

 熊本サンクチュアリは動物実験を受けたチンパンジーが、余生を過ごす施設だ。ただ、幸い健康に大きな影響が出なかった個体が、サンクチュアリから動物園に送り出されることもある。

 熊本市動植物園には、京大との連携協定に基づいて2011年に4頭、13年に1頭がやってきた。このうち2頭は高齢のため病気で他界したが、はじめからいる雄のマルクと、他の園から来たみるくとの間には今春、雄のレンが生まれた。

他のチンパンジーと変わりなく

 11年に初めて迎え入れると…

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この記事を書いた人
杉浦奈実
科学みらい部
専門・関心分野
生物多様性、環境、科学

連載チンパンジーたちの「聖域」 医療実験のその後(全3回)

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