コンビニの人気商品、カツサンド。日本人にとって親しみ深いこのサンドウィッチがいま、世界で人気を集め高級レストランのメニューにも仲間入りするようになっている。とくにスペインでは、カツサンドが飛躍的な変化を遂げているようだ。 美食の世界の空模様はときに気まぐれなものだ。少し前まで、パン粉をまぶした豚肉のサンドウィッチ「カツサンド」は、コンビニの棚に隠されたお宝で、物好きな旅行者やオタクのあいだでのみ認識されていた。 それがいまや、この控えめなサンドウィッチは、世界の美食のアイコンと化し、東京の街角の屋台とミシュランの星付きレストランで、同じように存在感を放っている。白いパンと揚げたカツレツのサンドウィッチが、一体どのようにして、マドリードからニューヨークまで幅広く人々の舌を征服したのだろうか? 輝かしきカツサンドの誕生 すべては「とんかつ」から始まった。これはある意味、この「日出ずる国」が世界