2025-03-06

バン副大統領を見てて思い出した映画ことな

セレンスキーとの会談煽りまくって世界の注目を浴びてるJDことジェームズ・デイヴィッド・バン副大統領だが、この人は

高校卒業後、海兵隊に入隊

大学進学、ロースクール修了

ベンチャーキャピタリスト

ラストベルトで育った自身の半生をネタにした自叙伝が注目を浴び、映像

政界進出トランプ後ろ盾を得て2022年上院初当選

副大統領

という経歴の人らしい。

アメリカ海兵隊というと、個人的にどうしても思い出してしま映画がある。

スタンリー・キューブリックの『フルメタル・ジャケットである

ある程度、世代が上の映画ファンならよく知っていると思うが、ベトナム戦争当時のアメリカ海兵隊舞台にした、わりと衝撃的な映画である

こんな話をすると歳がバレるというやつだが、自分中学生の時、リアタイで見ている。

わざわざ自分で選んでキューブリック作品を見るような、そんなマセたガキだったわけではなく、父親に誘われたのだ。

多分そこまで深刻な映画とも思わずアクション映画戦争映画東宝の8・15シリーズとか)もわりと好きな人だったので、よく調べもせずにつれてったのだと思う。

それ以前に『零戦燃ゆ』なんかも連れて行かれた記憶がある。

なお、現在、AmazonPrimeビデオでも鑑賞可能だが、レーティングR15+になっていた。今の基準では、中学生にはまだ早い映画である

この映画、前半は実に過酷海兵隊の訓練が続く。まず入隊した若者は、鬼教官から徹底的にそれまでの人格否定するような罵声を浴びせられ、“合衆国を守るために敵を殺す”ことを至上の使命とする軍人に叩き直される。

今でもたまにネットでも見かける“そびえ立つクソ”という罵声があるが、多分、ルーツはこの映画字幕だろう。

この字幕には割と知られたエピソードがあって、当初は、その当時の映画字幕界の大御所戸田奈津子担当したのだが、控えめな日本語に意訳したために完璧主義者の監督OKがもらえず、急遽、原田眞人翻訳し直したという。

人種差別は許さん、

黒豚ユダ豚・イタ豚を俺は見下さな

すべて平等価値がない!”

とか、

テキサス出身だという訓練兵に

テキサスで取れるのは種牛とおカマだ

種牛には見えんからおカマだ!

吸うんだろ?

フェラ豚か?”

とか、どんな“穏当な意訳”にしてたのか気になるところだが。

教官役を演じたR・リー・アーメイも元海兵隊

除隊後に映画界で働いていた人で、かの『地獄の黙示録』にもセリフ一言だけのパイロット役で出たりしたことはあるものの、この映画に出るまで俳優としてさしたるキャリアがあるわけではなかった。

もともとこの映画でもアドバイザーとして雇われていたのだが、その演技指導での迫力に惚れ込んだ監督に大抜擢されたのだそうな。

映画罵詈雑言には彼のアドリブもあったのだが、そのまま採用されたとも聞く。

この映画世界的に有名になり、ゴールデングローブ賞助演男優賞にもノミネート、その後数々の映画テレビにも出演し、その功績で名誉昇進もしてるので、あの鬼教官は“米軍公認”といってもいいのだろう。

実際、映画を見てると、たしかにとんでもない鬼教官なんだが、彼は彼なりに訓練兵のことを案じ、とんでもない体力で朝から晩まで訓練に付き従い、彼らを短期間で海兵隊員として育てあげようという熱意は伝わってくるのだ。

映画では冒頭、見るから落ちこぼれそうなやつに“微笑みデブ”というあだ名をつけて、扱き上げるのだが、彼に相当な射撃の才能があるのを見つけると、“ついに貴様にも取り柄があるのを見つけたぞ!”と大喜びし、良かった、落ちこぼれはいなくなった、これで新兵全員が無事、訓練を終えるのかな?と中学生だった自分は思ったのだが⋯いや、少し映画の中身を書きすぎたか

あ、あくまで訓練生活映画の前半で、後半はベトナム市街戦突入します。

いや、ベトナム戦争当時と今とでは海兵隊もだいぶ変わっているのだろうなとは思うのだけど、でもwikipedia英語版をみると“United States Marine Corps Recruit Training”という項目があり、まあ今でもそれなりに厳しい訓練をしてるのだろうなぁという気はする。

社会人スタートをそんなところからはじめると、どんな人格形成されるのかなあと、ふと思ったり。

海兵隊出身者にもいろんなタイプの人はいるんだろうが、JD現在キャラに、海兵隊経験はやはり影響してるんだろうなぁ、とか。

戦争テーマにしたキューブリック映画といえば、『博士の異常な愛情』というのも有名だが、あれは陰謀論にとりつかれた米軍将校暴走によって世界が核による破滅危機さらされるというブラックコメディだった。

あの映画では大統領は穏当な常識人なのだが、米軍将校ソ連首相ソ連大使も、大統領科学顧問ストレンジラブ博士もアレな感じで、でも世界運命はこういう人達に握られてしまうのかも、という恐怖感がある。

米ソの冷戦時代、核攻撃ミサイルではなく爆撃機爆弾運んでやる時代な話なので,今見るとなんとも古いのだけど。

余談ながら、はてな老人会の皆様に思い出話をもう一つ。

その昔、ゲームソフトテレビCM

ファミコンウォーズが出るぞ!”

“こいつはドえらいシミュレーション

かあちゃんたちには内緒だぞ“

と掛け声をかけながら隊列くんで走るやつがあったが、あれも『フルメタル・ジャケット』のヒットの影響だろう。

あのメロディは“ミリタリーケイデンス(military cadence)”といわれ、米軍伝統的に使われているものらしい。

YouTube検索かければメロディはすぐに出てくる。

映画でも何度もあれ歌いながら隊列組んで走るシーンが出てくる。

映画では“Ho Chi Minh is a son of a bitch!”など歌っていたが、JDが訓練うけてた頃は、どんな歌詞だったのだろう?

  • バンス副大統領は、海兵隊の広報担当ね。 情報によると、最前線ではなく報道班として記事の執筆や写真撮影を担当されたと。 彼は戦闘記者(戦闘広報官)として、現地の部隊の活動を...

    • 『フルメタル・ジャケット』の主人公も、地獄のような訓練を乗り越えたのに、最初はダナンで米軍の広報誌の編集部に配属されてましたよ? 相棒のカメラマンは“ベトナムに来たのに...

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