ある日、俺はとてつもない強さを持つ伝説の戦士から、現代社会に適応すべくITエンジニアになることを決意した。
理由は簡単、「ITってのは強そう」という噂を耳にしたからだ。
何でも、プログラムってやつを駆使して人間の生活を支配するらしい。
そんなわけで転職した俺だったが、最初から順風満帆とはいかなかった。
入社初日、先輩のプログラマーが俺に「まずはこのコードを読んで理解してください」と言ってきた。
だが、「int main()」の時点で頭が真っ白になった。
「何これ、意味わかんない」と正直に言ったら、先輩が「これがプログラムの入口です」と教えてくれた。
入口?それなら俺に任せろ。
意気込んで読み進めたが、if文の「条件分岐」という概念に遭遇して衝撃を受けた。
どうやら俺は、この「if」という謎の呪文と戦うことになりそうだ。
それは簡単な計算アプリだったが、実行ボタンを押した瞬間、エラーが100個以上出てきた。
「え、何で?」。
「ブロントさん、これデバッグしないと動きませんよ」と言われた。
「どこからエラーが出ているのか確認してください」と言われたので、「どこでもいい、俺がすべてを解決する」と豪語した。
が、実際にはセミコロンの付け忘れという初歩的なミスを指摘されてしまった。
「この程度のミスなど、俺の中ではノーカン」と誤魔化したが、内心めっちゃ恥ずかしかったのは言うまでもない。
ITエンジニアは、どうやら一人で全てを成し遂げるものではないらしい。
チームで開発するのが常識らしく、俺も例に漏れずプロジェクトに参加することになった。
だが、俺は気づいた。
「チーム」ってのは、つまりお互いのスキルを信じる必要があるということだ。
だが俺は信じられるのは自分だけだと思っていた……。
「CI/CD」「Docker」「REST API」……完全に魔法使いの呪文だな、と感じた俺は、「俺にはもっと物理的な仕事をくれ」と頼んだ。
しかし、どうやらこの世界では「物理的な力」よりも「論理的な力」が重要らしい。
悔しいが、俺は少しずつ「コードを書くという戦い方」を覚え始めた。
数か月後、俺はようやく小規模なアプリを独力で完成させることができた。
その瞬間、気づいた。
剣で敵を斬るように、コードでエラーを倒し、社会の問題を解決する。
今では、俺のエンジニア仲間から「戦士系エンジニア」として頼りにされるまでになった。
強さとは何かを語るなら、それはただの力ではない。
しかし、俺はこうしてエンジニアという新たなフィールドで生き抜いている。
これからも新たな言語や技術に挑み、デバッグという名の強敵と戦い続けるだろう。
なぜなら、俺はブロントさん。