かつて「空から女の子が降ってくる」ような出来事に、胸をときめかせたこともあった。だが、今となっては、空から降ってきてほしいのは「お金」「時間」「休息」「安心」「希望」である。これって政治に求めるべきものですか。
そもそも当時本当に女の子が空から降ってきたとして、それほど嬉しく思ったのだろうかと考えれば、多分そんな嬉しくも思わなかったであろう。降ってきたとして、いったいどうすればいいのだ。家に連れて帰るのか? 親に通報されるよ。それより明日も学校に行かなきゃならないし……受験もあるし……。
降ってこられるほうにも度量が必要である。コンサバであってはならない。あなたに必要なのは目の前の出来事を後先考えずに受け入れることだ。あと、かえって無責任な親のほうがいいですね。
ひるがえって現在である。空から女の子が降ってきたら?
いや~ちょっと難しいですね。
だって明日も仕事に行かなきゃならないし……生活もあるし……。面倒ごとが増えるのは勘弁だぜ。と言うとなんかやれやれ系主人公っぽくもある。しかしその実態は社会に疲れたへとへと系サラリーマン。余裕なき現実は篤志家の卵を潰していくのだ。
それでも善良な市民である私は、そっと彼女を受け止めるだろう。逆にお金が降ってきたら、きっと怖くて拾えないでしょう。そういうモブキャラ的善性を発揮するのも良い人生ではないか。ただ、残念ながら何であれ私の前に降ってくることはないんだよね。鳥の糞でさえ。いや、雨は降ってくるけどね。