SixTONES、Mrs. GREEN APPLE、乃木坂46ら登場 MVの祭典『MTV VMAJ』ライブパートを徹底レポート

 3月19日に、Kアリーナ横浜にて『MTV VMAJ』が開催された。本イベントは、全米最大規模の音楽授賞式「MTV Video Music Awards」の日本版として2002年から開催されている音楽アワード。多岐にわたる部門において最も優れた作品を発表する“ミュージックビデオの祭典”だ。本稿ではライブパートの様子を中心にお届けする。

 カウントダウンが明けた瞬間、ショーの幕開けを飾ったのは、「Best Storytelling Video」を受賞したOmoinotakeの「幾億光年」。賞の名にふさわしく、晴天から夕焼け、そして黄昏時へと移り変わる美しい景色を背負って歌い上げる。藤井怜央(Vo/Key)は、「この賞の名の通りどんどんストーリーに没頭していってグッとくるMVでした」「また皆さんに観ていただきたい」「またOmoinotakeのワンマンライブでこのステージに立てる日が来ればいいなと思います」と宣言した。

 2024年の音楽シーンのアイコンとして“ギリギリダンス”でトレンドを生んだこっちのけんとは、「Future Icons Award」「Best Animation Video」の2冠を獲得した「はいよろこんで」をパフォーマンス。「めちゃくちゃ嬉しいです。2024年は、本当に皆様のおかげでカラフルな1年を歩ませていただいたので、この賞とともにまた1歩ずつ歩んでいきたいと思います」とした上で、「Best Animation Video」については、「(MVを)作っていただいたかねひさ和哉さんに届けたい」とコメントした。

 Kroiは、「Best R&B Video」を受賞した「Jewel」を披露。ドラマ『オクラ〜迷宮入り事件捜査〜』(フジテレビ系)の主題歌にも起用された本作は、ゆったりと身体を揺らすフォーキーなメロディをベースに、時折顔を覗かせる力強いロックサウンドが特徴的だ。続く「Amber」でもKroiの音楽性を堪能する時間を楽しんだ内田怜央(Gt/Vo)は、「普段応援してくださっている皆さん、支えてくださっているスタッフの皆さんに感謝したい」とコメント。また今後については「我々、“行けるところまで行く”を掲げて日々新しい表現ができるように研究しておりますので、ぜひ皆さん楽しみにしていてください」と語った。

 「Best New Artist Video -Japan-」を受賞したME:Iは、もう新人とは思えない堂々とした姿でデビュー曲「Click」をパフォーマンス。さらに、17日にMVが公開されたばかりの新曲「MUSE」もこの日初披露し、「お化粧をするような可愛い振付にも注目です」(KEIKO)とダンスの注目ポイントを教えてくれた。リーダーのMOMONAは、「まずは支えてくださる皆さんにこれからも支えていきたいと思っていただけるアーティストになりたいと思います」「YOU:ME(ME:Iファンの呼称)の皆さん、これからもME:IはME:Iらしく頑張っていきたいと思います」と非常に頼もしく話していた。

 ソロ活動を本格化させてから急速に活躍の幅を広げているアイナ・ジ・エンドは、光が差し込むステージにうつ伏せに横たわった状態から「花無双」を熱唱。スキンカラーのシンプルな衣装に身を包み、時に表情を歪ませて歌いながら自身の身体を操る姿は、この1年間で積み上げ形作ってきた彼女の新境地を体現するものだった。「Best Alternative Video」を受賞した「Love Sick」では、鮮赤の衣をまとい、伝統と最先端のカルチャーが融合したような目の離せないステージを展開。世紀末のように叫びを上げる姿は、彼女の人生を歩む者しか表現できないアーティシズムの結晶だ。受賞作品についてアイナは、「辻本(祐希)監督と濃密な打ち合わせを経て、清水舞手という古くからのお友達とスタジオにこもってダンスを考えまして、熱量が高いまま撮影に挑めました」「みんなでいただいた賞だと思います」と喜びを噛み締めた。

 ano×幾田りらは、「絶絶絶絶対聖域 / 青春謳歌」で「Best Collaboration Video -Japan-」を受賞。2人がW主演キャストとして声優を務めた映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の主題歌でもある本作についてanoは「あのちゃんねる」でも親交の深いMCの霜降り明星・せいやと仲の良い絡みを見せつつ、「嬉しい」と頬を緩ませた。また、幾田は「『デデデデ』という作品の元に集まって2人でコラボしてできた作品なので、作品とanoちゃんに感謝しています」とコメント。本コラボを通じて2人の中もさらに深まったようだ。ライブでは「青春謳歌」と「絶絶絶絶対聖域」の2曲を披露し、個として強い存在感を放つ2人が揃うからこそ生まれる化学反応を見せた。

 日本中に「かわいい」を伝播させた「NEW KAWAII」で「Best Breakthrough Video」を受賞したFRUITS ZIPPERは、代表曲「NEW KAWAII」と「私のいちばんかわいいところ」を、今回はアレンジなしのオリジナルバージョンで披露した。鎮西寿々歌がファンとスタッフに感謝を伝えたほか、真中まなは5、6月のアリーナ公演に際して8月にさいたまスーパーアリーナでの追加公演が決まったことを報告し、「そこでたくさんのNEW KAWAIIとHappyをお届けしてまたここに戻ってきたいと思います」と微笑んだ。

 「歩道橋」で「Best Pop Video」を受賞した乃木坂46は、「Kアリーナの前で『歩道橋』MVを撮ったのでその場所で素敵な賞を受賞させていただけて、ゆかりのある場所になったなと思います」(遠藤さくら)とコメント。キャプテンの梅澤美波は「まだこの曲のミュージックビデオを観たことがない方も是非観ていただけたら嬉しいなと思います」と太鼓判を押した。さらに、「素敵なステージに立たせていただけることへの感謝の気持ちを表現できたら」と意気込んだライブでは「歩道橋」と「おひとりさま天国」の2曲をパフォーマンス。世代交代しても進化を止めない乃木坂46の強さと美しさを感じさせた。

 「Ay-yo, MTV!」と威勢よく空気を打ち破ったのは、「WMDA(Where My Drums At)」で「Best Choreography」を受賞したINI。怒号のようにドラムが響く音の上で伸びやかな美声を髙塚は、「2022年に『Rocketeer』で最優秀邦楽新人アーティストビデオ賞(「Best New Artist Video -Japan-」)をいただいて以来のこの舞台でとても光栄に思います」と受賞を喜んだ。ライブでは「WMDA(Where My Drums At)」に加え、続くINIのロックサウンドの代名詞「FANFARE」も披露。毛色の異なる2曲だが、双方において、藤牧京介、髙塚大夢、尾崎匠海を中心としたINIのボーカル強さ、スキルの幅広さを再認識することができるパフォーマンスとなったのではないだろうか。

 舞台を再びゆったりとした音楽に包むのは、「Best Asia Celebrity」を受賞したLeah Dou (竇靖童)の「Monday (feat. Lionman)」。日本での受賞について、「(トロフィーが)とても重いです。大変光栄です」「日本の音楽に一番関心を持っています。また、アニメにも関心があり『鬼滅の刃』を観ています」と親近感あるコメントを残してくれた。

 「Best Creative Video」を受賞したのは、次世代シンガーソングライター・TOMOO。「Super Ball」と受賞作「Present」の2曲を披露した。中でも「Present」では、後半少し言葉を詰まらせながら歌唱し、嬉し涙を拭った。今回の受賞について、「本作はアート面で監督と皆さんでこだわりを凝らしたと同時に、ハート面でも人の心が外に向かった時に生き生きしている本物の感情をビデオに収めようと思いながら作った」とコメント。また、「ここ最近は、ちょっと前までは考えられなかったような場所に立てたり、人に会えたり、視界が開けるような日々なのですが、もっともっと自分の内側に手を伸ばして掘り下げて、耕すような1年にできたらと思います」と近況と今後の展望についても語り、期待を膨らませた。

 46公演をまわるワールドツアーのファイナル公演を東京ドームに控えるXGは、「WOKE UP」で「Best Visual Effects」を受賞。ライブでは「WOKE UP」とそのメッセージ性に注目が集まる新曲「IS THIS LOVE」を披露した。リーダーのJURINは、「『WOKE UP』は、2024年、XGにとってゲームチェンジとなるタイミングで、信頼している大好きな監督さんに撮っていただいたMV」「そのような思い入れのある楽曲で受賞することができて嬉しいです」と高揚感を覗かせる。CHISAは「Performance of the Year」の受賞について、「集団力や団結力、チーム力を何よりも大切にしてきたので嬉しいです」「“宇宙人は細部に宿る”という言葉を信じてこれからも頑張りたいと思います」とコメント。さらに、「今回ベストプロデューサー賞を受賞されたMr. EverythingことSIMONさん、おめでとうございます!」と、「Best Producer」に輝いたXGのエグゼクティブ・プロデューサー JAKOPS(SIMON)にも祝いの言葉を贈った。

 この日特別なステージを見せた井上和(乃木坂46)は、ボーカロイド楽曲の特別賞「Daisy Bell Award」の受賞曲、稲葉曇「リレイアウター」を披露。井上のキレの良いソプラノの声域が楽曲の世界観とマッチし、ファルセットの巧みな使い分けで、個人パフォーマンスだからこそ表現できるアーティストとしての表情を垣間見ることができた。これには、乃木坂46のファン以外の観客も新鮮な印象と衝撃を受けたのではないだろうか。

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