詳細検索
  1. ホーム
  2. KEPオンライン
  3. 【中川大輔&牧島輝】喜多さん弥次さんが歌って踊って舞台を疾走!「東海道中膝栗毛」をベースにしたエンターテインメント
詳細検索

KEP ONLINE Online Magazine

【中川大輔&牧島輝】喜多さん弥次さんが歌って踊って舞台を疾走!「東海道中膝栗毛」をベースにしたエンターテインメント

2025/2/14

インタビュー

舞台『きたやじ オン・ザ・ロード~いざ、出立!!篇~』

弥次さん、喜多さんでおなじみの、江戸時代から読み継がれてきた十返舎一九の名作「東海道中膝栗毛」をべースにした、浅まる企画第1弾 舞台『きたやじ オン・ザ・ロード~いざ、出立‼篇~』が初上演される。劇団☆新感線などの舞台を制作するヴィレッヂの若手プロデューサーが立ち上げた〝浅まる企画〟の第1弾。喜多八役の中川大輔と、そのバディ弥次郎兵衛役の牧島 輝が来阪し、歌ありダンスあり、殺陣ありの疾走感あふれる今作について和気あいあいとバディらしく語った。

ーーまず、オファーを受けていかがでしたか。

中川「主演の一人として選んでもらえてうれしかったです。演出を手掛けるウォーリー木下さんは東京パラリンピックの開会式の演出もされていたので、楽しみだなと思いました。歌とダンスは役者人生初めての挑戦になるので、大きなチャレンジです。」

牧島「この舞台は〝疾走〟がキーワードですけど、テンポがよくて、華やかで明るくて気持ちのいい、面白い作品になるんじゃないかなと思いました。」

ーーそれぞれの役どころを教えてください。

中川「僕は喜多八という旅役者の役です。僕も役者をしているので共通している部分があって、セリフの色んなところで同じような気持ちになり楽しいです。劇中で役に入った瞬間に別人になるというシーンがあるんですが、喜多八と近いなと思いながら稽古しています。彼は江戸っ子で、喧嘩っぱやく、「宵越しの銭は持たねぇぜ」という気持ちのいい人間。ウォーリーさんに「少年漫画の主人公のような、単純な熱血バカになってほしい」と言われたので、今、必死で稽古をしています。」

牧島「僕は弥次郎兵衛といい、お尻が大好きな役です(笑)。」

中川「僕の役もそうです(笑)。」

牧島「お酒も好きで、お尻も好きで、喧嘩師なんですが、今は喧嘩をやめている。明るくて気持ちのいい役だけど、生きる理由を探しちょっと迷いもあるんです。」

中川「裏歴史というか、悲しい過去みたいなものを弥次さんは持っていますよね。」

牧島「喜多さんも持っている。それぞれ抱えるものがありながらも明るくて、人と出会い、変わっていく。喜多さんと比べて弥次さんは、ちょっと一歩下がって冷静に物事を見るところがあり、勢いで行ってしまう喜多さんをサポートする役なので、普段からサポートできるように頑張りたいなと思っています。」

中川「お互いの関係性もそういう感じかもしれないですね。そこが似ています。」

牧島「フフフ。」

ーー役づくりでされていることは?

中川「実は喜多さん弥次さんの気持ちに近づけたらいいなと「東海道中膝栗毛」に書かれた東海道を実際に歩いてみたんです。今回は日本橋から興津まで約170㎞を7日間かけて歩いたんですが、大変で昔の人はすごいなと思いました。原作では二人とも4日ぐらいでそこまで行っていて、僕もそのつもりでしたが、足が一歩も動かなくなるぐらい疲弊してしまって。結局、7日かかって興津の宿にたどり着きました。楽しかったけど大変でした。でも、三島や箱根、小田原などが出てくると、ここ歩いたなと情景が浮かぶので良かったなと思っています。」

ーー牧島さんは歩くご予定は?

牧島「今のところないですね(笑)。」

中川「何回も誘ったんですけど、牧島さん、忙しすぎて。先日まで舞台をやっていたんですよ。」

牧島「歩く気持ちはあります。今、興津あたりにいますね(笑)。」

中川「牧島さんのスケジュールがなさすぎたんです(笑)。」

牧島「そもそも歩くことがおかしいと思うんだけど(笑)。俺が歩いてないから、おかしいみたいな状況になってる(笑)。」

中川「アハハハ。東海道を歩いたという話をしている時は、なんか申し訳なさそうですよね。」

牧島「そんなことないです。心は靴ずれしまくっています(笑)。」

中川「この話、これから色んなところですると思います。」

牧島「次からは「歩きました」と嘘つきます(笑)。」

ーーもともと「東海道中膝栗毛」は知っていましたか。

牧島「ちゃんと知ったのはオファーがきてからですね。」

中川「たぶん、教科書に載っていて、名前は知っていたという感じですね。」

ーー年配の世代には「東海道中膝栗毛」はよく知られていて、そこを歩いてみたいという憧れがある人は多いと思います。

中川「稽古場でも歳上のキャストの方々は皆、なじみがあるんです。皆さん、やじきたと言うんですよね。一向に「きたやじ」とは呼ばないですもんね。」

ーーそう、「弥次さん喜多さん」です。

中川「それで刷り込まれているんですね。僕らの若い世代は名前だけが刷り込まれている感覚です。」

ーー原作を読んでどう思いましたか。

中川「今、読んでも面白いし、十返舎一九さんの〝ギャグセン〟の高さに驚きました。こんなに面白い物語が江戸時代にすでにあったんだと。僕らが「ジャンプ」を読む感じで、昔の人は読んでいたのかなというぐらい面白かったです。」

牧島「なんか、しょっちゅう飯食っているなという(笑)。これがうまいとか、歩いていて次はあれ食べたいとかを目的にしていて、今はいい店をインスタで紹介してバズるところが、昔の人は原作を読んで「俺も食いたいな」と思って行ったりしていたはず。お店の宣伝にもなっていたんじゃないかと思います。」

中川「ガイドブック的な役割を果たしていたんですかね。」

ーーその原作へのオマージュも込めて、今回の台本はどう思いましたか。

中川「本当に別物というか、オリジナルなところがたくさんあり、すべての世代が楽しめる、単純明快でスカッとする物語。最近はあまり見られない、義理、人情物という要素があって、僕は寅さんの映画とかが好きなので、うれしいです。現代のサバサバした空気の中で、すごく染み渡るような物語。江戸中期は太平の世で、色んな文化を楽しんでいて、今の平和な日本と通じるところがあるなと。そこもお客さんに届いたらいいなと思います。」

牧島「とにかく、個性的なキャラクターがたくさん出てくるのでそれも面白いです。文字で読むだけで面白いんですけど、それをさらに個性的な俳優さんが演じられるので、かなりインパクトのあるキャラクターが見どころの一つだと思います。」

ーー原作も今作も男同士の友愛が濃く描かれていますが、そこはどう思いますか。

中川「うらやましいですね。芸人さんのコンビでもいるように、幼なじみでずっと一緒にやってきて、大人になっても笑いあうってすごく尊いなと。芝居の中で、そんな関係性を演じられてうれしいです。」

牧島「いる? そういう友達って?」

中川「幼なじみで今もっていう人はいない。」

牧島「俺もいない。」

中川「なんか、悲しい響きが今、しましたね(笑)。東海道を歩いている時に、おじいちゃん二人がランニングしていて、片方のおじいちゃんが転んでケガしたんです。「大丈夫ですか?」って聞いたら、ケガしていない方が「大丈夫だよ。こいつ、転ぶのが好きなんだよ」と。こんな関係性がすごくいいなと思いました。」

牧島「僕らもそういう関係性を目指します!」

ーー今のところ、作品通りのお二人という印象で、中川さんが朗らかでストイック、牧島さんはクールで一歩引いている感じですね。

牧島「そうですね、クールビューティなんです(笑)。」

中川「肩書きを付けるならクールビューティですね。」

ーー牧島さんから見た中川さんは?

牧島「ワイルドガイ!」

ーー牧島さんは中川さんが使う敬語が気になるそうですね。

中川「やっぱり、役者として尊敬する部分があるので、敬語が出ちゃうのかも。この関係性が心地良いのでこのままいかせていただけたらいいなと思っております(笑)。」

牧島「ですって(笑)。」

中川「できれば友達になりたいなって。敬語でも友達になれるじゃないですか。」

牧島「そう(笑)?」

中川「これからまるまる二か月ぐらいは一緒にいるので、幼なじみという空気がドンドンドンドン強まっていったらいいなと思います。」

ーーところで、ウォーリー木下さんの演出はいかがですか。

牧島「ふとした時に出てくるアイデアが意外性に富んだものが多くて、自分にはない発想をたくさんくれて、ワクワクしますね。」

中川「東京パラリンピックでも思いましたけど、ダイナミックさがすごいなと思いますね。キャスト全員を使った人の動きやダンス、熱量で、お客さんの心を揺り動かすような演出をする方だなと。幕が開いて最初の15分はキャスト全員で走り回るすごい迫力の演出で、これをあと2時間もやるのかと(笑)。」

牧島「俺、まだそこのシーンをやっていなくて。喜多さんはすごくアクションが多いから、人一倍汗かくんじゃないかな。」

中川「毎回、フルマラソンを走るぐらいの感覚ですね。そのぐらいの熱量でお客さんを巻き込んでいけたらいいなと。それができたら、あっという間の舞台になりそうですよね。」

牧島「うん、そうだね。」

ーー秋山菜津子さんや尾上寛之さんら演技派キャストのとの共演も楽しみですね。

中川「お二人とも稽古の初日から出来上がっていて、それをさらにブラッシュアップされているので、追いつけないよという感じです。追いつきたいです。」

牧島「力のある俳優さんたちばかりなので、どんなパスを出しても受け止めてくれるから、安心して頼っていこうと思っています。」

ーー喜多さん弥次さんをはじめ、それぞれの裏事情や育った背景など、キャラクターの色んな要素が絡んでいく物語です。

牧島「傷があったりする中でのやさしさや、人情味あふれる部分がキャラクターに随所にみられる。物語にも希望があり、どこまでも前向きなのが気持ちいいなと思います。」

中川「喜多弥次も悲しい過去を背負っているんですけど、それを乗り越えたからこそ、明るく何でも楽しもうという生き方に変わった。僕も演じていて楽になるというか、すごく救われますし、その空気感がお客さんにも伝わればいいなと思います。」

ーー中川さんは歌とダンスは初挑戦です。

中川「歌もダンスも現代的でありつつ、江戸の和な感じもあります。疾走感のある音楽に合わせて僕たちが動き回り、楽しいですね。」

牧島「歌稽古では、「もっとコブシをきかせていいよ」とかなり自由にやらせてもらっています。あんまりミュージカルでコブシを使ったりしないので、すごくオリジナリティが出てくるんじゃないかと思います。」

ーー幕が開くのが楽しみですね。

中川「「東海道中膝栗毛」を知っている人も知らない人も全員が楽しめるエンタメ作品です。遊園地に来て帰るぐらいの楽しい作品ですし、お祭り騒ぎになると思うので、それに加わって、日ごろの悩みを忘れてほしいですね。ぜひ、遊びに来てください。」

牧島「今回、アンダー22の2500円のチケットも発売しているので、演劇のチケットが高すぎるという若い人たちや、弥次喜多を知らない世代も見に来やすいと思います。舞台の生の迫力や熱量をぜひ、劇場で味わってほしいですね。」

取材・文 米満ゆう子

 

舞台『きたやじ オン・ザ・ロード~いざ、出立!!篇~』

■作
シライケイタ
■潤色・演出
ウォーリー木下
■出演
中川大輔 牧島輝/浅川梨奈 
尾上寛之/和田雅成/市川しんぺー 
佐藤真弓 村上大樹 百瀬朔
インディ高橋/秋山菜津子 山本亨
遠藤令 鈴木智久 花陽みく 
真鍋恭輔 村田実紗 

▶▶オフィシャルサイト



大阪公演

|日時|2025/03/21(金)~2025/03/23(日)≪全4回≫
|会場|SkyシアターMBS
▶▶公演詳細

一覧へ戻る