
今回は私が保持している資格、通関士試験とSTC Advancedについて、この2つの資格の違いや特徴、そしてそれぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
通関士は、税関における輸出入通関手続きの専門家としての国家資格です。
試験概要
- 実施頻度:年1回(10月)
- 受験料:約3,000円
- 合格率:例年10-15%程度
- 試験内容:関税法、関係法令、通関実務が中心
2024年の通関士試験の合格率は12%と、とんでもなく低かったようです。
年々難易度が増しているように感じます。
メリット
- 通関業者で働く際に必要の資格(必須ではない)
- 国家資格としての高い信頼性
- 貿易実務の基礎知識を体系的に学習可能
- 給与面でのアドバンテージ
通関士試験に合格するとお手当がつく企業もあります。また、保持者限定の求人案件も見かけます。
STC Advanced試験とは
STCは、CISTEC(一般財団法人 安全保障貿易情報センター)が認定する安全保障貿易管理の専門家資格です。
試験概要
- 実施頻度:年約3回(オンライン試験と会場試験の選択が可能)
- 受験料:Advanced 7,700円
- 合格率:40-50%程度
- 試験内容:外為法の輸出管理規制、該非判定などの安全保障貿易管理
通関士試験と比べると、出題範囲も狭く、集中すれば勉強時間も短縮できます。
メリット
- 安全保障貿易管理の専門性の証明
- 輸出管理実務での高い評価
- 規制品目の該非判定や取引審査などの実務能力の習得
- 企業のコンプライアンス体制強化への貢献
STCには3種類、STC Associate、STC Advanced、STC Expertがあります。
STC AdvancedやSTC Expertを保持していると、高い評価が得られます。保持者限定の求人案件も見かけます。
両方の資格を持つメリット
1. 通関手続きと安全保障貿易管理、両方の専門性を持つことができます
2. 輸出入業務を包括的に理解・対応できる人材として高い評価を得られます
3. 法令遵守と円滑な貿易実務の両立に貢献できます
4. 輸出管理部門や通関部門でのキャリアアップが期待できます
5. 専門性の高い職種での活躍の機会が広がります
通関士試験とSTC試験は、それぞれ異なる専門分野をカバーすると言って良いでしょう。通関士試験では外為法の一部が出題範囲に含まれていますが、深くは触れていません。
通関士は通関手続きの専門家として、STCは安全保障貿易管理の専門家として、それぞれの立場で貿易実務に貢献できます。両方の資格を取得することで、より包括的な知識と実務能力を身につけることができ、キャリアの可能性も大きく広がります。
資格取得を目指す際は、自身のキャリアプランや現在の業務内容を考慮しながら、計画的な学習を進めることをお勧めします。
私の場合は、輸出入を営む商社に勤務、取扱貨物の一部に該当品がありましたので通関士とSTC Advacedの資格を取得した次第です。
世の中に資格試験は無数にあり、あれもこれもと取得してもキリがありません。コスパ、タイパを考えてトライしてみて下さい。