パナソニック コネクトのグループ会社であるパナソニック システムネットワークス開発研究所(PSNRD)は、「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)で大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)が運行する自動運転バスである舞洲万博P&Rシャトルバスに「ITSスマートポール」を提供すると発表した。自動運転車両のセンサーでは検知が難しい情報をリアルタイムに補完し、円滑な走行を支援する。
大阪・関西万博における自動運転バス走行ルートにITSスマートポールを提供
ITSスマートポールは、PSNRDとスマートモビリティインフラ技術研究組合(SMICIP)が共同で開発した情報通信技術(ICT)インフラ。交差点周辺の車両や歩行者を検出するカメラやセンサー、通信機器などを搭載した多機能型の電柱になる。
今回の取り組みでは、4~10月にかけて、万博パーク&ライドの駐車場からシャトルバスのルート上にある3カ所に設置し、車載センサーでは検知しづらい死角や遠距離の移動体などの情報を取得する。
高度道路交通システム(ITS)専用となる760MHzの周波数を使用した路車間の直接通信技術である「路車間通信」により、リアルタイムに自動運転バスへ通知することで、自動運転車の駐車場出口から公道への合流や側道から本線への合流、緊急車両の進路確保などの走行支援を実現するという。
ITSスマートポールによる自動運転支援のイメージ(SMICIP提供)
高速・大容量、低遅延・ゆらぎのない新しいネットワークサービスである「All-Photonics Connect powered by IOWN」を活用することで、ITSスマートポールとネットワークサーバー間のデータ伝送を超低遅延で伝送することで、広域な走行支援を実現するとのこと。ITSスマートポールの低コスト・コンパクトな設置を実現する「統合制御ボックス」も導入し、コストを抑えながら保守管理業務の効率化も図る。
PSNRDによると、All-Photonics Connectのモビリティー分野への適用は全国初の試みになるとのこと。加えて、屋外のICTインフラへの実装もまれな実例になるとしている。