GX4000
メーカー | アムストラッド |
---|---|
種別 | 据置型ゲーム機 |
世代 | 第3世代 |
発売日 | 1990年 |
CPU | ザイログZ80A |
対応メディア | ロムカセット |
互換ハードウェア | Amstrad CPC Plus |
次世代ハードウェア | Amstrad Mega PC |
Amstrad GX4000(アムストラッド ジーエックス4000)は、イギリスで1990年に発売されたゲーム機。
概要
[編集]イギリスの大手電機メーカーであり、イギリス8ビットパソコン市場最大手のアムストラッド社によって開発された。16ビット機が全盛となった1990年にあってもなおヨーロッパで根強い人気を持っていた8ビットPCであるAmstrad CPCの技術を基にして設計されており、GX4000用ゲームのロムカートリッジはCPCシリーズの最新モデルであるAmstrad CPC Plusでも利用できる互換性があった。8ビット機でありながらハードウェア性能は高く、4096色のカラーパレットを持つことができ、これはヨーロッパで同年に発売された16ビットゲーム機であるセガ・メガドライブの512色を上回っている。ハードウェアスプライト機能や、ハードウェアスクロール機能も持っていた。
GX4000はカーレーシングゲームの『Burnin' Rubber』をバンドルし、99ポンド(1990年当時の1UKポンドは約250円)で販売された。
歴史
[編集]この節には内容がありません。(2021年8月) |
ハードウェア
[編集]この節には内容がありません。(2021年8月) |
仕様
[編集]- CPU: 8/16-bit ザイログ Z80A at 4 MHz
- グラフィック:
- スプライト 最大16枚
- 画面表示: 160×200または640×200
- 同時発色数: 4096色中32色
- メモリ: 64 kB RAM、16 kB VRAM, 32 kB ROM
- I/O: オーディオ出力端子、デジタルコントローラ端子×2、アナログジョイスティック端子(IBM互換)、光線銃コネクタ、オーディオ&RGBビデオ出力端子(8 pin DIN)、SCART端子(音声&ビデオ)、外部からの電源供給ソケット、モニターからの電源供給ソケット
- サウンド: PSG3和音 AY-3-8912
- ゲーム供給媒体: ロムカートリッジ
周辺機器
[編集]この節には内容がありません。(2021年8月) |
ゲームソフト
[編集]本体にバンドルされていた『Burnin' Rubber』を含め、全部で25のゲームがリリースされている。当時イギリスで大手のゲーム会社だったOceanとU.S. Goldの2社によるリリースが多い。『RoboCop 2』や『Pang』などが代表的な作品である。
市場の反応
[編集]イギリスおよびヨーロッパの数カ国で1990年にリリースされた。しかし、ヨーロッパで同年に発売されたセガのメガドライブや任天堂の SNESに対抗できずに商業的に失敗し、発売後数ヶ月で生産が中止された。
Amstrad CPC Plusの開発者であるCliff Lawsonは、GX4000の失敗の理由として、アムストラッドにはセガや任天堂と同等の宣伝広告ができるような体力が無かった、十分なローンチタイトル数を揃えられなかった、などの理由を挙げている。 なお、高性能な16ビット機であるメガドライブやSNESに対して、低性能な8ビット機をぶつけたことが失敗の理由であると言う意見に対して、Cliff Lawsonは「GX4000は技術的には少なくともSNESと同等のスペックを持っていた」と反論している。
さらに悪いことに、いくつかのGX4000用のゲームは、数年前にCPC用としてリリースされたカセットテープ版ゲームを単にロムカセット版として焼き直して出しただけの旧作であり、しかもAmstrad CPC用カセットテープ版が3.99ポンドで買えたのに対して、GX4000用ロムカセット版は25ポンドと、はるかに高い価格となっていた。いくらロムカセット版はロードが早くてロードエラーに対する信頼性が高いとはいえ、ロムカセット版とカセットテープ版にここまで価格差があっては、誰もロムカセット版を買おうとはしなかった。Amstrad CPCは欧州の各家庭に普及しきっていたため、CPCと同じソフトしか動かないなら新たにGX4000を買う必要は無かった。
なお、同年にはコモドール社からも、イギリスでAmstrad CPCと人気を二分した8ビットPCであるコモドール64にロムカセットを挿せるようにしたゲーム機特化版であるC64GSを発売。これも同様の理由で失敗している。
その後
[編集]PC市場でも16ビットPCや32ビットPCが主流となる中、8ビットの独自路線PCであるAmstrad CPCシリーズも淘汰され、アムストラッド社製PCのラインナップはPC/AT互換機路線に移行する。アムストラッドは1993年に再びゲーム市場に挑戦し、セガよりライセンスを受け、テラドライブに類似したシステムであるAmstrad Mega PC(メガドライブとPC/AT互換機の一体型マシン)を後継機として売り出したが、失敗。アムストラッドはゲーム市場から撤退した。
脚注
[編集]この節には内容がありません。(2021年8月) |
関連項目
[編集]イギリスのアムストラッドのみならず、世界の各地域の8ビットホビーパソコン大手はその余勢を駆ってこぞってゲーム機市場に参戦した。
- C64GS - 北米8ビットパソコン市場最大手のコモドールが1990年に北米でリリースした8ビットゲーム機。1982年発売の8ビットパソコンであるコモドール64を基にして開発された。低性能、ローンチに失敗、コモドール64用ゲームを焼きなおしただけのC64GS用ロムカセットゲームばかりリリース、などGX4000とほぼ同じ理由で失敗した。
- Atari XEGS - 北米8ビットパソコン市場大手のアタリが1987年に北米でリリースした8ビットゲーム機。基になったのは1979年発売の8ビットパソコンであるAtari 8ビット・コンピュータ。これもGX4000やC64GSとほぼ同じ理由で失敗している。
- Zemmix - 韓国8ビットパソコン市場大手の大宇電子が韓国で1985年にリリースしたゲーム機。当初発売されたのはMSX規格の互換機で、その後MSX2やMSX2+互換の物も発売され、10年にわたってシリーズ機が出された。
- PCエンジン/Turbografx-16 - 日本8ビットパソコン市場最大手のNECが日本で1987年、北米で1989年にリリースした8ビットゲーム機。上記の各機とは異なり、旧機種の互換機ではなく新規開発で、発売当初の競合機種より高性能だった。日本国内ではそれなりの成功を収めた。