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ウシャス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ウシャスサンスクリット: उषस्, Uṣas, : Ushas)は、インド神話における暁紅(曙)の女神で、夜明けの光を神格化したもの。天空神ディヤウスの娘で[1][2][3][4][5][6]、夜の女神ラートリーの妹[7]太陽神スーリヤの母あるいは恋人といわれる。

リグ・ヴェーダ』に登場する女神の中では最も多くの讃歌を持ち、独立讃歌は20を数え、ラートリーのほかに、スーリヤ、アグニアシュヴィン双神と結びつけられている[8]。美しい女神であるウシャスは、太陽神スーリヤの先駆であり[9]、闇を払い[10][4]、あらゆる生命を眠りより覚まし、活動を促す[11][5]。ウシャスは赤い馬[8][12]もしくは赤い牝牛の牽く車に乗り[13]、後を追うスーリヤが彼女を抱きしめると消滅するが[12]、翌朝には、天則(リタ)に従い、方角を誤らず、再び美しい肌を現すとされる[14]

後世ではその重要性を失った。

脚注

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  1. ^ 『リグ・ヴェーダ』1巻48・1。
  2. ^ 『リグ・ヴェーダ』1巻48・9。
  3. ^ 『リグ・ヴェーダ』7巻77・6。
  4. ^ a b 『リグ・ヴェーダ』7巻81・1。
  5. ^ a b 『リグ・ヴェーダ』7巻81・3。
  6. ^ 『リグ・ヴェーダ』7巻81・5。
  7. ^ 『リグ・ヴェーダ』10巻127・3。
  8. ^ a b 『リグ・ヴェーダ讃歌』p.19の解説。
  9. ^ 『リグ・ヴェーダ』7巻77・3。
  10. ^ 『リグ・ヴェーダ』7巻77・1。
  11. ^ 『リグ・ヴェーダ』1巻48・5。
  12. ^ a b 『インド神話伝説辞典』p.92。
  13. ^ 『リグ・ヴェーダ』5巻80・3。
  14. ^ 『リグ・ヴェーダ』5巻80・4。

参考文献

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