藤橋 (砺波市)
藤橋 | |
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基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 富山県砺波市庄川町小牧 - 同市庄川町湯山 |
交差物件 | 庄川 |
用途 | 道路橋 |
路線名 | 国道471号 |
管理者 | 富山県砺波土木センター |
施工者 | 川田工業 |
竣工 | 2009年(平成21年) |
開通 | 2009年(平成21年)11月22日 |
座標 | 北緯36度33分47.4秒 東経137度0分20.6秒 / 北緯36.563167度 東経137.005722度 |
構造諸元 | |
形式 | 逆ローゼ橋 |
材料 | 鋼 |
全長 | 148.000 m |
幅 | 12.000 m |
最大支間長 | 120.000 m |
関連項目 | |
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式 |
藤橋(ふじばし)は、富山県砺波市の庄川に架かる国道471号(富山県道59号富山庄川線重用)の橋長148 m(メートル)の逆ローゼ橋。
概要
[編集]庄川に架かり、砺波市庄川町小牧から同市庄川町湯山を結ぶほか、砺波市と南砺市利賀村を結ぶ重要な橋で、新橋は庄川峡の景観に調和する朱色のアーチ橋となった[1]。
本橋は極めて扁平なアーチ橋となっている。施工にあたっては監視カメラによってケーブルクレーンを遠隔操作した。また、非合成桁ながら地震時には合成構造となるような配慮がなされており、鋼と鉄筋コンクリート床版の素材の違いを吸収すべく遅延合成スタッドが採用された[2]。
- 形式 - 鋼逆ローゼ橋
- 活荷重 - B活荷重
- 橋長 - 148.000 m
- 支間割 - 146.9047 m
- アーチ支間 - 120.000 m
- アーチライズ - 16.7 m
- 幅員
- 総幅員 - 12.000 m
- 有効幅員 - 11.000 m
- 車道 - 8.500 m
- 歩道 - 片側2.5000 m
- 床版 - 鉄筋コンクリート
- 総鋼重 - 991 t
- 施工 - 川田工業
- 架設工法 - ケーブルエレクション斜吊り工法
歴史
[編集]江戸時代末期の1843年(天保14年)に初めて架設されて以降、東山見村[注釈 1]の庄川には庄川の藤橋として知られる簡易な藤橋が架かっていた[4]。明治時代には東方の牛岳で産出する肥料用の石灰の輸送に用いられた[5]。
1890年(明治23年)に民間会社が車道を開通させたが、この際に藤橋は鉄鎖釣橋で架替し安全性を高めることになった。翌1891年(明治24年)に牛岳石灰同業組合、牛岳私設車道方を中心に地元名士の出資によって藤橋は橋長57 m、幅員2.7 mの鉄鎖釣橋となった[6]。しかし、1892年(明治25年)11月に落雪のために落橋したため、東山見村では復旧のための寄付を募り、牛島車道が85 %を拠出して1893年(明治26年)5月に橋長59 m、幅員2.25 mの橋が架橋された[7]。これは1891年(明治24年)に木造アーチ橋として架け替えられた県内の愛本橋に強く影響を受け、木造アーチ橋を基本として、補強のために支柱を有する桟架鎖橋を加えた。しかしながら鉄鎖釣橋と木造アーチ橋では活荷重に対するたわみが異なるため鉄鎖釣橋のは効果は少ないと考えられ、後年鉄鎖は撤去された[8]。
1911年(明治44年)に自動車通行も可能な近代的な木鉄混用補剛トラス桁の吊橋になる[9][8]。
1933年(昭和8年)3月に橋長60 m、幅員5.5 mに鉄塔の吊橋に架替えられる[10]。
1956年(昭和31年)6月20日に単純上路トラス橋(支間長61.5 m)と鈑桁橋からなる橋長87.5 m、幅員5.5 mの藤橋が開通[11]。この橋には近接して小牧ダムから取水した南砺山麓用水が通る1969年(昭和44年)竣工の水管橋がある[12]。
仮設から50年以上が経過し老朽化が進んでいるうえに、幅員が狭小であることから1996年(平成8年)11月19日に『主要地方道富山庄川線(藤橋)整備促進期成同盟会』が発足した。これにより下流側への新橋が架設事業が1997年度(平成9年度)から始められ、2001年(平成13年)12月に一部工事を発注、2009年(平成21年)11月22日に供用された[1][13][14][15]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 「待望の新橋が完成」(PDF)『広報となみ』第62号、砺波市、2010年1月25日、10頁、2021年7月13日閲覧。
- ^ a b 泉谷智之, 杉本浩士 & 丸井満泰 2010.
- ^ “橋梁年鑑 平成23年版” (PDF). p. 120, 173. 2021年7月12日閲覧。
- ^ “藤橋1843”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2021年7月13日閲覧。
- ^ 山根巌 2006, pp. 48, 50.
- ^ “藤橋1891”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2021年7月13日閲覧。
- ^ “藤橋1893-5”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2021年7月13日閲覧。
- ^ a b 山根巌 2006, p. 50.
- ^ “藤橋1911”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2021年7月13日閲覧。
- ^ “藤橋1933-3”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2021年7月13日閲覧。
- ^ “藤橋1956-6-20”. 土木学会附属土木図書館. 橋梁史年表. 土木学会. 2021年7月13日閲覧。
- ^ “藤橋は利賀へ七里の玄関橋” (2011年3月27日). 2021年7月13日閲覧。
- ^ “国道471号(藤橋)”. 管内主要事業の紹介. 富山県砺波土木センター (2021年3月19日). 2021年7月13日閲覧。
- ^ “富山県告示第558号・富山県告示第559号” (PDF). 管内主要事業の紹介. 富山県砺波土木センター. pp. 4–6 (2009年11月20日). 2021年7月13日閲覧。
- ^ 『庄川町史 続巻』(2002年11月1日、庄川町発行)69 - 70頁。
参考文献
[編集]- 山根巌「我が国における明治期の近代的木造吊橋の展開(その3)—富山県下の庄川水系等における吊橋の変遷—」(PDF)『土木学会講演集』第26巻、土木学会、2006年、47–55、2021年7月13日閲覧。
- 泉谷智之、杉本浩士、丸井満泰「アーチ橋の現場施工にまつわるエトセトラ 〜藤橋の安全対策および遅延合成スタッドの施工〜」(PDF)『川田技報』第29巻、川田工業、2010年、2021年10月17日閲覧。
関連項目
[編集]- 藤橋 (曖昧さ回避)
- 利賀大橋 - 国道471号利賀バイパスが庄川を渡るアーチ橋
外部リンク
[編集]- 富山県砺波土木センター - 橋梁管理者