花音 (漫画)
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『花音』(かのん)は、さいとうちほによる日本の漫画。『プチコミック』(小学館)にて1995年7月号から連載された。単行本全6巻、文庫版全3巻。第42回(平成8年度)小学館漫画賞受賞作品。
あらすじ
[編集]モンゴルで生まれ育った、日本人の少女花音はバイオリンの天賦の才能を持っていた。モンゴルに取材に来ていた作曲家、河原天童は彼女の秘められた才能に気づき、花音は天童に連れられて日本に戻る。
「バイオリンを弾き続ければ、音楽家の父にめぐり合える」という事故死した母親の遺言を胸に、花音はバイオリニストの道を歩み始める。花音の奏でる音色と才能に惹かれる、天才指揮者三神弦の後押しもあり、確実にバイオリニストとして成長していく花音。やがて父親と思われる3人の音楽家の存在が浮かび上がってくる。
登場人物
[編集]- 林 花音(はやし かのん)
- 父親を知らずにモンゴルで生まれ育った、バイオリンの天才。愛用しているのは1759年製ガダニーニ「ケンタウロス」。
- 三神 弦(みかみ げん)
- 32歳独身。バイオリニストとして10歳でデビュー。その後ピアニストとなり作曲も手がけ、現在では指揮者として絶大な人気を誇る。三神財閥会長の隠し子。
- 河原 天童(かわはら てんどう)
- 作曲家。モンゴルで花音に出会い、彼女の母の死に立ち会い、日本へと連れてきた。花音と三神の才能に触れ、自らの才能に疑問を持ち、あがく。
- 沢 浩基(さわ こうき)
- 花音の父親と思われる音楽家の一人。バイオリニスト。
- 梶原 幸生(かじわら さちお)
- 花音の父親と思われる音楽家の一人。ピアニスト。
- ケント・グレゴリー
- 花音の父親と思われる音楽家の一人。指揮者。
- 林 由布子(はやし ゆうこ)
- 花音の母。日本ではカメラマンとして音楽家を主として撮影していた。花音を身篭ったのちモンゴルに渡り、そこで花音を産み育てた。
作中に使用・演奏された音楽
[編集]- クライスラー:「亜麻色の髪の乙女」
- モンゴルで花音と天童が聴いたレコード。花音はこれらクラシックのレコードと母からバイオリンを学んだと天童に語る。
- ビゼー:「ハバネラ」(カルメンより)
- 日本に来たばかりの花音が、天童のスタッフ達に早弾きで聞かせた。
- ドボルザーク:「家路」
- 天童の事務所の外で花音がこの曲を弾いていたところ、通りかかった三神が聞き止める。二人の初めての出会いのシーン。
- ワックスマン:「カルメン幻想曲」
- 花音が初めてソリストとして、三神が指揮するオーケストラの前で演奏した。
- サン=サーンス:「永遠のロマンス」
- 沢浩基が演奏した。
- 「アヴェ・マリア」
- 教会で花音が結婚式のお祝いと気持ちの決別の為に弾いた。
- チャイコフスキー:「バイオリン協奏曲ニ長調作品35」
- ケント・グレゴリーの指揮のもと、花音がソリストとして演奏した。
- サラサーテ:「ツィゴイネルワイゼン」
- 花音がモンゴルで聴き育ったクラシックのレコードのうちの1枚。演奏者は三神だが花音は知らなかった。
書誌情報
[編集]さいとうちほ 『花音』
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