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熱田駅

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熱田駅
駅舎(2008年4月)
あつた
Atsuta
CA64 笠寺 (4.0 km)
(1.9 km) 金山 CA66
地図
所在地 名古屋市熱田区森後町二丁目502
北緯35度7分47.913秒 東経136度54分36.237秒 / 北緯35.12997583度 東経136.91006583度 / 35.12997583; 136.91006583
駅番号 CA  65 
所属事業者 東海旅客鉄道(JR東海)
所属路線 東海道本線名古屋地区
キロ程 360.8 km(東京起点)
電報略号 アツ
駅構造 地上駅
ホーム 2面4線[1]
乗車人員
-統計年度-
3,046人/日(降車客含まず)
-2019年-
開業年月日 1886年明治19年)3月1日[2]
備考 駅員配置駅
JR全線きっぷうりば
名 名古屋市内
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熱田駅(あつたえき)は、愛知県名古屋市熱田区森後町2丁目にある、東海旅客鉄道(JR東海)東海道本線である。駅番号CA65

運行形態の詳細は「東海道線 (名古屋地区)」を参照。

概要

1886年明治19年)3月に開業した[2]熱田宿熱田神宮があったことにより、熱田は古くから賑わった。熱田駅の設置された頃は、周辺が葦だらけの名古屋駅に比べれば、当駅は遥かに名古屋の玄関としてふさわしいものであった。しかし1913年大正2年)に愛知電気鉄道(後の名古屋鉄道)の神宮前駅が近くに設置されると、列車本数が劣勢だったことなどから賑わいを奪われて、次第に寂れていくようになる。かつては当駅と名古屋駅との間に駅はなく、有料急行が運転されている時代は一部の急行列車が、それ以降は快速列車が停車していたが、隣の金山駅1989年平成元年)に総合駅として整備されると、その地位を譲った。ただし、熱田神宮が最寄りに所在するため、正月三が日(曜日配列により直後の休日を含む)の快速系列車の臨時停車は、2022年令和4年)現在も行われている。

残された広い構内や留置線は、名古屋駅や金山駅の設備に収容できない回送車両(もっぱら朝夕混雑時用の車両や北陸・高山方面の特急列車用車両)の回送先および待機場所として使用されている。例えば特急「しらさぎ」用の車両は、名古屋駅 - 当駅間を回送し、ここでリネン交換などの車内整備を行う。

歴史

武豊駅を起点とし、「半田線」などと呼ばれた路線の終着駅として1886年(明治19年)3月に開業した。熱田は東海道五十三次最大の宿場町であり、駅は町の東側にあった。現在地より南に約1.57km(北緯35度6分58.6秒 東経136度54分57.0秒 / 北緯35.116278度 東経136.915833度 / 35.116278; 136.915833 (熱田駅(初代)))の位置で[3]、熱田港に近く、鉄道と水運の連絡駅だった。

1896年(明治29年)に熱田駅は熱田神宮近くの現在地に移転した。移転に伴い熱田港から離れたが、精進川(後の新堀川)への運河を建設し、港との連絡を図った。この運河は、その後の名古屋港駅白鳥駅の開業により利用が減少し埋め立てられた。

駅の移転に伴い建設された2代目の駅舎は太平洋戦争中の1945年昭和20年)5月、熱田空襲に遭い焼失した。この日の空襲では、熱田神宮の社殿や笠寺駅駅舎なども焼失した。1947年(昭和22年)6月に3代目の駅舎が建設され、1982年(昭和57年)10月に4代目の現駅舎に改築された[4]

開業時より鉄道貨物輸送の拠点駅の一つであり、有蓋車用車扱ホームが駅構内に設置されていたほか、日本車輌製造本社工場[5]内外輸送名古屋支店、中京倉庫などへ続く専用線が存在した。1980年代前半に合理化のためすべて廃止され、一部の業務は名古屋貨物ターミナル駅へ統合された。

1970年代には、逼迫する名古屋駅の機能分散のため、当駅構内に大規模な小荷物取扱施設が設置され、名古屋駅の小荷物機能が移転した。小荷物取扱は1986年(昭和61年)11月までに廃止となったが、この施設を転用して1980年代後半から1990年代には当駅が「カートレイン」の名古屋地区の始発・終着駅となっていた。

年表

1910年頃の熱田駅

駅構造

島式ホーム2面4線を持つ地上駅[1]。ホームの番号は構内西側から付けられており、1番線から4番線まで存在する。1・2番線が下り列車用、3・4番線が上り列車用で、2・3番線が本線、1・4番線が待避線となっている。このほかにも旅客用ホームに接しない線路があり、1番線西側の2線は待避線、4番線東側の2線は行止り式の留置線(着発収容線)となっている。この待避線・留置線は、特急「しらさぎ」「ひだ」の折り返し回送列車や、通勤輸送用の電車が留置されている。また、一番西側の待避線に接したホームは、1979年(昭和54年)3月から全面稼働した小荷物取扱施設のホームの一つであり、このため駅舎につながる旅客用の階段などはない。現在は使用されていないが、「カートレイン」が運行されていた当時はこのホームで乗用車の積み下ろしおよび旅客の乗降を行っていた[11]

駅舎と2つのホームは跨線橋で繋がる。バリアフリーには3台のエレベーター(ホーム - 跨線橋間2台、改札階 - 地上1台)と、改札と跨線橋の間をスロープで結ぶことで対応している。

構内の西側にある駅舎は2階建てで、駅事務室・改札口は2階にある。名古屋鉄道(名鉄)神宮前駅とは異なり橋上駅舎にはなっておらず、構内の東側に駅舎も設置されていないため、直接名鉄の線路を越えて駅の東側へ行くことは出来ない。JR東海の直営駅だが駅長は配置されていないため、金山駅が当駅を管理する。JR全線きっぷうりば自動券売機2台(TOICA対応タッチパネル式)、TOICAチャージ機も設置されている。

JRの特定都区市内制度における「名古屋市内」の駅である。

のりば

番線 路線 方向 行先 備考
1・2 CA 東海道本線 下り 名古屋大垣方面 1番線は事実上予備ホーム
3・4 上り 岡崎武豊方面 4番線は事実上予備ホーム

(出典:JR東海:駅構内図

1番線及び4番線を使用する定期旅客列車はないが、名鉄神宮前駅付近で本線から分岐する長い待避線のため、貨物列車の待避がよく行われている。

利用状況

「名古屋市統計年鑑」によると、当駅の1日平均乗車人員乗車人員は以下の通り推移している。

年度 1日平均
乗車人員
出典
1991年 3,462 [12]
1992年 3,374 [12]
1993年 3,320 [12]
1994年 3,217 [12]
1995年 3,116 [13]
1996年 3,103 [13]
1997年 3,053 [13]
1998年 3,012 [13]
1999年 2,930 [13]
2000年 2,890 [14]
2001年 2,799 [14]
2002年 2,747 [14]
2003年 2,835 [14]
2004年 2,914 [14]
2005年 2,880 [15]
2006年 2,799 [15]
2007年 2,831 [15]
2008年 2,856 [15]
2009年 2,893 [15]
2010年 2,894 [16]
2011年 2,840 [17]
2012年 2,857 [18]
2013年 2,894 [19]
2014年 2,887 [20]
2015年 2,980 [21]
2016年 3,031 [22]
2017年 3,057 [23]
2018年 3,024 [24]

金山駅より利便性が悪く、通常は普通しか停車しないため名鉄神宮前駅や地下鉄熱田神宮西駅より圧倒的に少ない。ただし、金山駅や名古屋駅までの運賃は名鉄や地下鉄より安い。

駅周辺

長い歴史を持つ鉄道駅だが、現在では拠点性は高くない。当駅から名鉄神宮前駅にかけて大津通り沿いに神宮前商店街があり、かつては熱田区一の賑わいを見せた。

2021年(令和3年)7月1日には、駅前に名古屋市営バスの回転場が開業した(電波学園スクールバスと共用)。神宮東門や熱田区役所が終点となるバスがここまで回送されて折り返している(回転場内に停留所はない)。

名勝・旧跡
公共施設
  • 神宮東公園
  • 愛知県名古屋南部県税事務所
  • 名古屋市熱田区役所・熱田図書館・熱田保健センター
  • 名古屋市熱田土木事務所
文教施設
主な企業
商業施設
  • 神宮前商店街
  • パレマルシェ神宮前店(名鉄駅隣接)
  • イオンモール熱田 - 当駅と金山駅のほぼ中間に位置する。金山駅と異なり、シャトルバスの運行はないが、イオンモール熱田行きの巡回バスが駅前を発着している。
交通

バス路線

熱田駅前交差点の西側に「熱田駅西」、北側に「熱田駅」、南側に「熱田区役所」停留所があり、名古屋市営バスの以下の路線バスが発着する。

熱田区役所
熱田駅

隣の駅

現在営業中の路線

東海旅客鉄道(JR東海)
CA 東海道本線
特別快速・新快速・快速・区間快速
通過
普通
笠寺駅(CA64) - 熱田駅(CA65) - 金山駅(CA66)
基本的には普通列車しか停車しないが、正月三が日には熱田神宮への参詣客の便宜を図り、快速系列車が臨時停車する。

かつて存在した路線

鉄道省(国有鉄道)
東海道本線貨物支線
熱田駅 - (古渡信号場) - 千種駅

脚注

注釈

  1. ^ a b c 「熱田駅」停留所にも停車。
  2. ^ a b 「熱田駅西」停留所にも停車。

出典

  1. ^ a b 『週刊 JR全駅・全車両基地』 04号 名古屋駅・古虎渓駅・美濃赤坂駅ほか77駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年9月2日、23頁。 
  2. ^ a b c d e f g h i 停車場変遷大事典、27頁
  3. ^ 国土地理院1/20000地形図「熱田」1891年(明治24年)測図、1893年(明治26年)7月29日発行
  4. ^ a b “熱田駅が新装オープン”. 交通新聞 (交通協力会): p. 3. (1982年10月7日) 
  5. ^ 1.2km『地方鉄道及軌道一覧 : 昭和18年4月1日現在』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  6. ^ a b 停車場変遷大事典、51頁
  7. ^ “熱田 千種 両駅に予約装置 あすから営業開始”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1967年3月31日) 
  8. ^ 『JR時刻表』1989年3月号、弘済出版社。[要ページ番号]
  9. ^ 『JR時刻表』1990年3月号、弘済出版社。[要ページ番号]
  10. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '96年版』ジェー・アール・アール、1996年7月1日、184頁。ISBN 4-88283-117-1 
  11. ^ 『JR時刻表』1990年1月号、弘済出版社。JRニュースpp.2 - 3「『カートレイン』発売中」。
  12. ^ a b c d 平成8年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-5.JR東海各駅の乗車人員 総数を365および366で除した人数。
  13. ^ a b c d e 平成12年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-5.JR東海各駅の乗車人員 総数を365および366で除した人数。
  14. ^ a b c d e 平成17年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365および366で除した人数。
  15. ^ a b c d e 平成22年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365および366で除した人数。
  16. ^ 平成23年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  17. ^ 平成24年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を366で除した人数。
  18. ^ 平成25年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  19. ^ 平成26年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  20. ^ 平成27年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  21. ^ 平成28年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を366で除した人数。
  22. ^ 平成29年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  23. ^ 平成30年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。
  24. ^ 令和元年版名古屋市統計年鑑 11.運輸・通信 11-7.JR東海各駅の乗車人員 総数を365で除した人数。

参考文献

  • 『名古屋市熱田区誌』 熱田区制五十周年記念事業実行委員会、1987年
  • 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年。ISBN 978-4-533-02980-6 

関連項目

外部リンク