流速
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連続体力学において、流速(英: macroscopic velocity[1][2], flow velocity(流体力学), drift velocity(電磁気学))とは、連続体の運動を数学的に記述するためベクトル場である。流速ベクトルの絶対値はflow speedと呼ばれ、スカラー量である。
定義
[編集]流体の流速uはベクトル場;
で表され、流体粒子の任意の位置と任意の時間における速度を示す。
流速ベクトルの絶対値(flow speed)q はスカラー量であり[3]
で表される。
利用
[編集]流体の流速は、流体の運動に関する全ての事象を効果的に表すことが出来る。流体の多くの物理的性質は、流速の観点から数学的に表すことができる。一般的な例を以下に示す:
定常流
[編集]→詳細は「物質微分 § 定常流」を参照
が時間と共に変化しなければ、流体の流れは安定しているとされ:
が成り立つ。
非圧縮性流れ
[編集]→詳細は「非圧縮性流れ」を参照
非圧縮性流れにおいてはの発散 は0であり:
が成り立つ。 ここでは管状ベクトル場。
渦なし流れ
[編集]→詳細は「en:Irrotational flow」を参照
渦なし流れにおいてはの回転 は0であり:
が成り立つ。 ここでは非回転的ベクトル場。
非回転的な単連結空間 における流れは速度ポテンシャル ()を用いることにより、ポテンシャル流として表される。渦なしかつ非圧縮性の流れにおいては、速度ポテンシャルのラプラス作用素は0であり: となる。
渦度
[編集]→詳細は「渦度」を参照
流れの渦度は、流速より以下のように定義される。
したがって、非回転流では渦度は0である。
速度ポテンシャル
[編集]→詳細は「速度ポテンシャル」を参照
非回転流れが単連結な流体領域を占める場合、スカラー場が存在し、
が成り立つ。 ここでスカラー場は流れの速度ポテンシャルである(非回転的ベクトル場を参照)。
計測器
[編集]関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ Duderstadt, James J.; Martin, William R. (1979). “Chapter 4:The derivation of continuum description from transport equations”. In Wiley-Interscience Publications. Transport theory. New York. p. 218. ISBN 978-0471044925
- ^ Freidberg, Jeffrey P. (2008). “Chapter 10:A self-consistent two-fluid model”. In Cambridge University Press. Plasma Physics and Fusion Energy (1 ed.). Cambridge. p. 225. ISBN 978-0521733175
- ^ Courant, R.; Friedrichs, K.O. (1999) [unabridged republication of the original edition of 1948]. Supersonic Flow and Shock Waves. Applied mathematical sciences (5th ed.). Springer-Verlag New York Inc. pp. 24. ISBN 0387902325. OCLC 44071435