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住友金属鉱山下部鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
住友金属鉱山下部鉄道
JR予讃線と交差する廃線跡
概要
現況 廃止
起終点 新居浜港駅
端出場駅
路線 上記の端出場本線のほか以下の支線
端出場駅 - 打除駅(専用鉄道区間)
星越駅 - 惣開駅(惣開支線)
星越駅 - 新居浜駅(国鉄連絡線)
運営
開業 1893年3月15日 (1893-03-15)
廃止 1977年2月1日 (1977-2-1)
所有者 住友金属鉱山
路線諸元
路線総延長 10.3 km (6.4 mi)(新居浜 - 端出場間)
軌間 762 mm (2 ft 6 in)
電化 直流600 V 架空電車線方式(星越間 - 端出場、星越 - 惣開間)
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線(廃止当時)
新居浜港
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新居浜港
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0.0 新居浜港
惣開 1.6*
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端出場本線
原地 ???*
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昭和橋
原地臨時 ???*
uexBHF uexBHF
0.4 昭和橋
惣開支線
uexSTR
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星越トンネル
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星越 0.0*
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2.0/0.0# 星越
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3.0/1.0# 多喜ノ宮信号所
uexBHF uexSTR
??? 多喜ノ宮
uexSTR
国鉄連絡線
uexhKRZWae uexhKRZWae
uexSTR
2.6# 新居浜
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    国鉄予讃本線
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端出場本線
uexSTR+1 uexSTRc4
uexBHF
5.6 土橋
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6.7 山根
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??? 板ノ元
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物言嶽トンネル
uexTUNNEL1
車屋トンネル
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9.4 黒石
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檜尾川橋
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10.3/0.0## 端出場
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四通橋/第四通洞
専用鉄道区間
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中尾トンネル登録有形文化財
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打除鉄橋 (登録有形文化財)
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0.4## 打除

住友金属鉱山下部鉄道(すみともきんぞくこうざんかぶてつどう)は、かつて1977年昭和52年)まで愛媛県新居浜市において鉱石輸送や旅客輸送を行っていた住友金属鉱山運営の鉱山鉄道(一時期地方鉄道)の通称である。「別子鉱山鉄道」や「別子鉄道」とも呼ばれた。

伊予鉄道に続く愛媛県で2番目の鉄道として上部鉄道に先駆けること9か月、当時住友財閥の初代総理人であり、別子銅山の総支配人でもあった広瀬宰平の専用鉄道として1893年(明治26年)3月15日に開業した。主に別子銅山から採掘された銅鉱石を製錬所港湾へと輸送する役割を担ったが、1973年(昭和48年)の別子銅山閉山を見届けた後、1977年(昭和52年)1月31日限りで廃止された。

路線データ

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  • 路線距離:総延長14.5km
    • 端出場本線 :新居浜港 - 星越(ほしごえ) - 端出場(はでば)間 10.3km
    • 専用鉄道区間 :端出場 - 打除 0.4km
    • 惣開支線 :星越 - 惣開(そうびらき)間 1.6km
    • 国鉄連絡線 :星越 - 新居浜間 2.6km
  • 軌間:762mm
  • 複線区間 :星越 - 多喜ノ宮信号所間
  • 電化区間(直流600V) :星越間 - 端出場、星越 - 惣開間

歴史

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  • 1893年明治26年)3月15日 - 広瀬宰平の専用鉄道として惣開 - 端出場間が開業。
  • 年月不詳 - 住友財閥所有の専用鉄道となる。
  • 1927年昭和2年)7月 - 住友別子鉱山が発足、同社の鉱山鉄道となる。
  • 1929年(昭和4年)11月5日 - 惣開支線(惣開、星越、土橋、山根、黒石、端出場)が開業。また同日に地方鉄道に転換、一般旅客営業開始[1]
  • 1936年(昭和11年)9月16日 - 端出場本線の新居浜港 - 星越間が開業。
  • 1937年(昭和12年)6月21日 - 住友別子鉱山が住友炭礦と合併し住友鉱業に社名変更。
  • 1942年(昭和17年)11月12日 - 国鉄連絡線が開業。
  • 1946年(昭和21年)1月29日 - 住友鉱業が井華鉱業に社名変更。
  • 1950年(昭和25年)
  • 1952年(昭和27年)6月 - 別子鉱業が住友金属鉱山に社名変更。
  • 1955年(昭和30年)1月1日 - 一般旅客営業廃止、鉱山鉄道に再転換。
  • 1967年(昭和42年)1月31日 - 国鉄連絡線(星越 - 新居浜)廃止。
  • 1967年(昭和42年)4月1日 - 惣開支線(星越 - 惣開)廃止。
  • 1975年(昭和50年)9月3日 - 端出場本線の星越 - 新居浜港間廃止。
  • 1977年(昭和52年)2月1日 - 残る星越 - 端出場間廃止、下部鉄道全廃止。
  • 1991年(平成3年)6月5日 - 専用鉄道区間の端出場 - 打除間がマイントピア別子の観光鉄道として復活。

駅一覧

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端出場本線
新居浜港駅 - 昭和橋駅 - 星越駅 - 多喜ノ宮信号所 - 多喜ノ宮駅 - 土橋駅 - 山根駅 - 板ノ元駅 - 黒石駅 - 端出場駅
専用鉄道区間
端出場駅 - 打除駅
惣開支線
星越駅 - 原地臨時駅 - 原地駅 - 惣開駅
国鉄連絡線
星越駅 - 多喜ノ宮信号所 - 新居浜駅

接続路線

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新居浜駅:日本国有鉄道予讃本線

輸送・収支実績

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年度 乗客(人) 貨物量(トン) 営業収入(円) 営業費(円) 益金(円)
1929 387,145 109,559 47,504 70,482 ▲ 22,978
1930 1,035,565 680,539 278,641 284,661 ▲ 6,020
1931 850,944 643,109 260,541 237,892 22,649
1932 737,716 576,532 235,448 214,562 20,886
1933 738,559 689,691 273,005 215,417 57,588
1934 791,564 771,067 297,708 273,868 23,840
1935 885,961 773,048 298,505 310,405 ▲ 11,900
1936 959,699 826,852 318,575 319,062 ▲ 487
1937 993,546 958,919 369,004 443,695 ▲ 74,691
1939 1,477527 1,144,493
1941 2,087,755 1,002,536
1943 4,734,329 1,462,325
1945 3,747,278 314,108
  • 鉄道統計資料、鉄道統計、国有鉄道陸運統計各年度版

現在の姿

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文化財

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登録有形文化財
  • 打除鉄橋:旧別子鉱山鉄道端出場鉄橋「足谷川鉄橋」として2009年(平成21年)8月7日登録される。1893年(明治26年)建設、橋長39mの単線仕様、斜橋形式の鋼製単トラス桁橋で、トラスは、下弦材にアイバーを用いた125ftのボーストリング・ワーレントラスで、ピン結合となっているドイツ製橋梁。
  • 中尾隧道:旧別子鉱山鉄道端出場隧道として2009年(平成21年)8月7日登録される。1893年(明治26年)建設、緩やかに湾曲する延長93m、幅3.0m、馬蹄形断面の煉瓦造隧道。

その他

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1929年11月12日(国立国会図書館デジタルコレクション)

関連項目

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