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民法第818条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第4編 親族

条文

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親権者)

第818条
  1. 親権は、成年に達しない子について、その子の利益のために行使しなければならない。
  2. 父母の婚姻中はその双方を親権者とする。
  3. 子が養子であるときは、次に掲げる者を親権者とする。
    1. 養親(当該子を養子とする縁組が二以上あるときは、直近の縁組により養親となった者に限る。)
    2. 子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの

改正経緯

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2024年改正(2024年(令和6年)5月21日公布、施行日未定、公布より2年以内に施行する)にて以下条項から改正。

(親権者)

  1. 成年に達しない子は、父母の親権に服する。
  2. 子が養子であるときは、養親の親権に服する。
  3. 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。
 
(改正前解説)
3項
「共同して行う」:父母一致の意思決定のもとに、または、他方の同意を得て親権を行使すること。

解説

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Wikipedia
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ウィキペディア親権の記事があります。
親権の目的及び主体につき規定。明治民法第877条においては、まず、親権は父に属し、これを欠く時に母が有するものとされていたが、戦後改正で父母ともに有することとなった。

参照条文

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  • 民法第819条(離婚又は認知の場合の親権者)
  • 民法第834条(親権の喪失の宣告)
  • 民法第838条(後見の開始)
  • 児童福祉法第33条の8
    児童相談所長が、未成年後見人選任の請求をした場合、親権を行う者又は未成年後見人が選任されるまでの間、当該児童相談所長は親権を行う。

判例

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  1. 土地建物所有権移転登記手続請求(最高裁判例 昭和35年02月25日) 民法第826条1項
    1. 親権者の一方に利益相反関係のある場合における代理の方法
      親権者たる父母の一方に民法第826条第1項にいう利益相反関係があるときは、利益相反関係のない親権者と同項の特別代理人とが共同して子のための代理行為をなすべきである。
    2. 民法826条第1項の利益相反行為の事例
      甲が乙の親権者として、自己の事業上の債務のため乙所有の不動産を代物弁済として他に譲渡する行為は、乙が甲の事業により生活上の利益を受けており、その利益も考慮してなされたものであるとしても、民法第826条第1項にいう利益相反行為である。
  2. 未成年者略取被告事件(最高裁判例 平成17年12月06日)刑法第35条,刑法第224条,民法第820条
    母の監護下にある2歳の子を別居中の共同親権者である父が有形力を用いて連れ去った略取行為につき違法性が阻却されないとされた事例
    母の監護下にある2歳の子を有形力を用いて連れ去った略取行為は, 別居中の共同親権者である父が行ったとしても,監護養育上それが現に必要とされるような特段の事情が認められず,行為態様が粗暴で強引なものであるなど判示の事情の下では,違法性が阻却されるものではない。

参考

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明治民法において、本条には婿養子を離縁する際に付帯的に離婚を請求できる旨の以下の規定があった。家制度廃止に伴い継承なく廃止、離縁と離婚は独立して扱われることとなった。

第八百十三条第十号ノ場合ニ於テ離縁又ハ縁組取消ノ請求アリタルトキハ之ニ附帯シテ離婚ノ請求ヲ為スコトヲ得
第八百十三条第十号ノ事由ニ因ル離婚ノ訴ハ当事者カ離縁又ハ縁組ノ取消アリタルコトヲ知リタル後三个月ヲ経過シ又ハ離婚請求ノ権利ヲ放棄シタルトキハ之ヲ提起スルコトヲ得ス
  • 明治民法第813条第10号
    婿養子縁組ノ場合ニ於テ離縁アリタルトキ又ハ養子カ家女ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ離縁若クハ縁組ノ取消アリタルトキ

前条:
民法第817条の13
(親子の交流等)
民法
第4編 親族

第4章 親権

第1節 総則
次条:
民法第819条
(離婚又は認知の場合の親権者)
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