いつのまにか「クルマの未来」が変わっていた…!
自動車業界がモビリティ産業へと進化した結果、モビリティ業界の中心が「新4強」と呼ぶべき企業群へとシフトしつつあります。
新4強とは「テスラ」「ウェイモ」、中国の「BYD」と「百度」の4社です。モビリティ業界に今、何が起きているのかをまとめます。
自動車業界のトップ企業を計る尺度は長い間、「販売台数(販売力)」「性能」「ブランド」の3つでした。
「トヨタ」「GM」「VW」のように年間1000万台前後の販売台数を誇る企業群が業界をリードする一方で、性能としての「走り」で差異化した「BMW」や「ポルシェ」といった企業も別の軸で業界をリードします。さらには「メルセデス」や「レクサス」のように、所有すること自体がステイタスだというブランドも競争の重要要素でした。
そして21世紀に入って脱炭素が必要条件となったことで、4番目の要素である「方式」が重要性を増しました。ガソリン車はいずれ2040年代には消えていくと言う前提で、「プラグインハイブリッド」「EV」「水素」のどの方式が業界の主流になるかが競われ、それぞれの分野への技術開発投資が進みました。
ところが2020年代に入って、この「方式」が急速に重要性を失います。
趨勢としてはハイブリッド車が売れている一方で、EVが減速しています。この流れを受けてトヨタ、GM、VWなど既存の自動車メーカーが再び主導権を手にすると考える人もいます。
しかし、モビリティ業界のトップ企業を計る新しい尺度はどうやら「方式」ではないことも明らかになってきました。それよりも重要な2大要素が「SDV技術」と「自動運転技術」であると考えられるようになってきたのです。