講演一回のギャラが100万円!?…森永卓郎さんが最期に告発した「原発推進派」の“真実”

今年1月28日、経済アナリストの森永卓郎氏が死去した。

原発不明がんと闘いながらも、亡くなる直前までメディアに出演し続け、世界経済の行方に多くの警鐘を鳴らしてきた。

「AIバブルは崩壊する…」「日経平均はこれから大暴落する…」

彼がこう語った背景には一体何があるのか。そして残された私たちは、この先行き不透明な社会をどう乗り越えていくべきなのか。激動の時代を生き抜くための戦略と覚悟とは。

森永卓郎氏と、息子の康平氏がいまの日本のさまざまな病巣についてガチンコで語り合った魂の一冊『この国でそれでも生きていく人たちへ』より一部抜粋・再編集してお届けする。

『この国でそれでも生きていく人たちへ』連載第17回

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『日本人は電力を高く買っている!?…森永卓郎さんが最期に教えてくれた電力を“より安く”消費する方法』より続く。

原子力発電の"本当の"コスト

ちなみに、原子力発電は一番コストが安いと思われているが、実際は違う。発電以外にもいろいろなコストがかかるが、コスト計算ではそれらを含めていないだけだ。

たとえば放射性廃棄物の最終処分場をどうするかが決まっていない。地下300メートル以上深い場所に埋める地層処分が必要とされているが、日本の場合、全国に活断層が散らばっており、安全に処分できる土地は存在しないと科学者たちは声を揃えている。2023年には地球科学者300人が連名で、日本に地層処分に適切な土地は存在しないという声明を発表している。

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原子力発電を続けると、行き場のない放射性廃棄物が溜まっていく。最後は処理を引き受けてくれる外国に持っていくしかないが、その際には当然法外な費用を請求される。

こういうコストも含めると、本当の原子力発電のコストは1kWhあたり30円以上という見立てもある。

だから私は原子力発電は即刻やめたほうがよいと思っている。そもそも原発がいったん事故を起こすと大変なことになる。それはつい十数年前に日本人すべてが身をもって知ったはずだ。

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