BeOS(ビー・オーエス)とは、アメリカのBe社が開発したオペレーティングシステムである。
概要
C++ベースで開発され、マイクロカーネルを採用したプリエンプティブなマルチタスクOSである。
インターフェースはGUIで、Windows 95に近い操作方法を採用していた。
また、音声、映像などの各種メディアとの親和性が高く、メディアOSとも呼ばれた。
動作も、Mac OSやWindowsよりも軽快で、同じような処理をする場合でも性能の低いCPUでも稼働し、なおかつ1990年代後半の個人向けOSとしては珍しくマルチプロセッサーにも対応した。
Windowsの独占状態に反旗を翻すパワーユーザーが、FreeBSD、Linuxとともに、代替OSとして注目した。
歴史
Be社は、アップル社の開発責任担当を務めた、ジャン=ルイ・ガセーが独立して1990年に創設された。
同社はPowerPCを搭載したオリジナルのパソコン、BeBoxを開発、その上で動作するOSとしてBeOSが開発された。
BeBoxとBeOSは1995年に発売された。
また、これと並行してPower Macintosh(G1、G2搭載モデルのみ) で動作するPowerPC版がリリースされた(ただし名目上は開発版、Preview Release)。
その中で、アップル社がMac OSの後継として開発した「Copeland」 計画が頓挫し、外部からOSを買い取る話が出て、それを聞きつけたガセーはすぐさまBeOSを売り込んだ。
しかし、アップル社は創設者であるスティーブ・ジョブズが開発に携わったNeXT社のOPENSTEPを採用し、業績が落ちていたBe社は窮地に陥る。
そこでBeBox主体からシフトし、Windowsによって世界的に普及しつつあるインテルCPUにも対応したバージョン(R3)を1998年に発表、その年末にはPowerPCのサポートを止めたR4をリリースした。
このとき、日立製作所からはWindowsとBeOSのデュアルブートモデルのパソコンが発売された。
1999年にはR4.5がリリースされ、対応するソフトウェアも増えていった。
しかし2000年に、Be社はパソコンベースから当時注目されていたインターネット家電にシフトすることを決断。パソコン向けのR5は無料配布が行われた(これとは別に、サポートのついた有料パッケージ版も販売された。日本では引き続き日立グループがサポートした)。
インターネット家電向けのBeIAは、アメリカソニーの「eVilla」に採用されたが、ビジネスとしては成功せず、経営危機に陥ってしまう。
結局2001年に知的財産をPalm社に売却して、Be社は解散した。目先の利益に目がくらみ、従来のプラットフォーム、ユーザーを短期間で簡単に切り離してしまったことが徒となってしまった。
後継OS
ZETA
ドイツ、yellowTAB社が、BeOSの知的財産を買収したPalm社からライセンスを購入して開発されたOS。
2005年にバージョン1.0が発売されるも、翌年にはyellowTAB社が破産。
その後、同社CEOだったBernd Korz氏が中心となって開発、別会社で販売再開するも、2007年には販売不振のために開発支援を打ち切られ、この年を以て販売終了した。
Haiku
2001年にBeOSのオープンソース化を目的にOpenBeOSプロジェクトとして発足。
2004年に開発者フォーラムの中で「Haiku」の正式名称が決定された。
2009年に、R1/ Alpha1がリリース、2011年にはAlpha3がリリースされるものの、まだ正式版の完成には至っていない。
日本におけるBeOS
もともとBe社には親日家が多く、コードネームに日本語を使うこともあるだけでなく、アルファベットを使用しない言語として唯一日本語がサポートされていた。
R4からは日本語用IMEとフォントが搭載され、日本語の利用が容易となった。また、同じ頃に日立製作所と提携して、プリインストールパソコンが発売され、R5では有料版のサポートと、対応ソフトパッケージの販売も行っていた。
日本のユーザーグループも早くから発足され、日本BeOSネットワークでは、開発中のHaikuの紹介、サポートを行っている。
秋葉原でUnix系OSや関連ハードの販売を行っていた「ぷらっとホーム」でも、BeOSやZETA、さらにはそれらに対応するマルチプロセッサー対応のマザーボードなどを販売していた。
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関連項目
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