冠詞とは名詞に付随して性質をつける語句である。
本項では英語の冠詞について扱う。
概要
英語には定冠詞theと不定冠詞a(an)が存在し、複数形も含め名詞にどれを用いるかは英語学習者にとって非常に難解な問題である。
不定冠詞だけとってみても「私は鶏肉を食べた」という非常に簡単な文章を英訳するとき、
のどれが正解かは案外わからない。
思考法としてはこうである。不定冠詞a(an)は「共通単位性を持つものの中から1つ」の意味合いを名詞に持たせる。また「共通単位性を持つものの中から複数」になる場合は複数形を用いる。それを踏まえると②の例文はニワトリを一匹(これが共通単位になる)バリバリと食べる。③に至ってはニワトリを複数匹貪り食うという地獄絵図を意味することになってしまう。
「水」のようにそれ自体に共通単位のないものはa(an)を用いることができない=不可算名詞となる。しかし「水」も「コップ一杯分の水」になれば共通単位が生まれるのでa cup of waterという表現が可能になる。また、一見単位がありそうに見えても「抽象的、総合的、概念的な事象」として用いる場合は不可算となる。例えば、
④I walked in a field of corn.#トウモロコシ畑を歩いた。
のcorn(トウモロコシ)は穂、粒、食べ物などを包含した総合的な意味合いを持つため不可算となる。だがcornの中でも限定的に「トウモロコシの粒」だけを意味するのならば、単位性を獲得するため可算名詞になる。③の例文を見ても明らかに夕飯などで鶏肉を焼いて食べたという状況であり、「各種部位」、「鶏という食べ物」を総合的に意味する不可算の無冠詞chickenを用いるのが正解となる。
次に不定冠詞のtheはその名詞の中の「特定のもの」の意味を付随する名詞に与える働きを持つ。
⑤の場合は不特定の犬全般を好きでいるのに対して、⑥の場合は「どんな犬か?」を文脈の中で示さなければいけない。それがトムの飼っている犬だったり、動物園で見かけた犬だったり、昨日の会話の中で出てきた犬だったり、とにかく固有の犬でなければtheを用いることはできない。
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