「お金に困らない老後生活を送りたい」「投資に興味はあるが、もう50代なので遅くないか不安……」。こんな思いを抱えている人は少なくないだろう。大切な資産を守りつつ、無理のない範囲で資産運用をするにはどうすればよいのか。ケーススタディを通して、具体的な活用方法を考えてみよう。※本稿は、ぱすたお『9割の“普通の人”の最適解!「逆算ほったらかし」新NISA投資術』(翔泳社)の一部を抜粋・編集したものです。
新NISAは50代からでも遅くない!
ただし過度な投資には要注意
鈴木夫妻のように、老後資金の準備を始める50代にとっても、新NISAは非常に有効な手段となります。確かに、定年までの期間は限られていますが、退職後も運用しながら取り崩すことを前提とすれば、運用期間は40年近く取れますので、十分に長いです。
ですので、鈴木さんの場合は、5年間で1800万円の投資枠を全て埋めて、それ以降は運用しながら少しずつ取り崩していくことが基本になります。
ただ、シニア世代の資産形成で注意しないといけない点は、リスク管理です。一般的に、シニア世代は収入が減少傾向にあり、定年を迎えたらほぼ0になる人が多いです。
現在の貯金や退職金をまとめて株式などのハイリスクな投資に回すことは、ご自身のリスク許容度を大きく超えてしまう恐れもあります。
退職金などで大金が入ると、「このお金をうまく活用せねば……」と思われるかもしれませんが、無理に増やそうと焦って投資する必要はありません。現金で持っておく、もしくは債券など値動きの小さい資産に投資するなど、資産全体のリスクを下げる運用を意識するべきだと考えます。
くれぐれも、金融機関の営業担当の口車に乗せられて、過度な投資をしないようにご注意ください!