米Salesforceは、信頼性の高い自律型AIエージェントを業務フローに導入するための、デジタル労働力を生み出すプラットフォームであるAgentforceの最新版「Agentforce 2dx」を、3月5日(現地時間)に発表した。4月の提供開始を予定しており、一部機能は同日より先行公開されている。
Agentforce 2dxでは、Salesforce開発者がAgentforceをより迅速に構成、テスト、展開できる新たなローコードおよびプロコードツール群がリリースされており、これらを高度な分析機能と組み合わせることによって、リアルタイムデータとガイダンスを活用しつつAIエージェントのパフォーマンス監視、デバッグ、最適化が可能になる。
また、Salesforceはこれらのツールを試せる完全無料の環境として、Agentforce Developer Editionの提供を開始しており、開発者はAgentforce Developer EditionにてAgentforceを利用してAIエージェントのプロトタイプを作成したり、SalesforceのハイパースケールデータエンジンであるData Cloudの機能を試したりすることができる。
あわせて、Agentforce向けの信頼性の高いマーケットプレイスおよびコミュニティであるAgentExchangeが発表された。AgentExchangeはSalesforceに組み込まれており、デジタル労働力の市場への参入機会をパートナーに提供する。すぐに利用可能なテンプレートやアクションのライブラリによって、企業はAgentforceの導入を加速させて時間とリソースを節約できるほか、パートナーは自社のコンポーネントをリストに掲載・販売することで、成長するAIエージェント市場でのシェア拡大を図れる。
さらに、Agentforce 2dxはSalesforceの管理者、開発者、CTO、CIOをはじめとするITリーダーがベストプラクティスを共有して、Trailheadでスキルを習得しつつAIエージェントファーストの企業づくりを推進可能な包括的なグループである、AgentblazerコミュニティをAgentExchangeとともに立ち上げた。
Agentforce 2dxには新機能として、Agentforceをバックエンドのプロセスや他のシステムとアプリケーションに直接統合できるAgentforce API、AgentforceをSalesforceのビジネスロジックに組み込めるようにするAgentforce Invocable Actions、自然言語を使用してMuleSoft APIからAgentforceのトピックとアクションを作成可能なMuleSoft for Agentforce、Agentforceをコーディング不要のSlackワークフローに埋め込めるAgentforce Steps in Slack Workflow Builder、新しいAgentforceテンプレートによってSlackとSalesforce全体で従業員がAIエージェントを使用するケースでAgentforceを簡単に展開できるAgentforce Employee Template、Agentforce内のリッチコンテンツをあらゆるDigital Engagementのチャネルへインテリジェントに配信するAgentforce Surfaces、Agentforceのアクションの応答内にLightning Webコンポーネントを埋め込めるAgentforce Cards、Agentforceが活用可能な体系的に整理されたデータ構造であるセマンティックモデルを構築するTableau Semanticsを用意している。
また、新たなツールとして、AgentforceとData Cloudにアクセスして最初のユースケースとしてプロトタイプ作成を始められる無料の開発者向けの環境であるAgentforce Developer Edition、AIによるトピックおよび指示の作成機能によってベストプラクティスに準拠したAIエージェントを迅速に構成できるようにするAIによるAgent Builderのサポート、AIを活用してAgentforce設定を簡単かつ大規模にテスト可能なTesting Center、CLIとVisual Studio Codeを活用してAgentforceの構成を作成、更新、テストできるCLIとVisual Studio Codeのサポート、Agentforceで使用されるすべてのメタデータとデータをSalesforce Sandbox内で検索、分析可能なDX Inspector、一般的な傾向から個々のセッションのトレースまでAgentforceのパフォーマンスに関する詳細なレポートと分析を提供するAgentforce Interaction Explorerが、順次提供される。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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