茨城県の大井川和彦知事(60)が2017年8月に初当選してから7年半の間に、県庁職員の自殺者が13名、メンタル疾患による長期病休者が初めて年間100名を超えていたことが「週刊文春」の取材で分かった。

茨城県の大井川和彦知事 ©時事通信社

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IT企業仕込みの政治手腕を発揮

 秋の知事選で3選を目指すとみられる大井川知事。茨城県出身で県内屈指の進学校・水戸第一高等学校を卒業後、東京大学法学部を経て通産省(現経済産業省)に入省したエリートだ。

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 経産省退官後、マイクロソフト日本法人の執行役常務、ニコニコ動画を運営するドワンゴの取締役などを歴任。2017年、53歳の時、7期目を目指す現職知事の橋本昌の対抗馬として、多選廃止と刷新を訴えて初当選した。

2017年に初当選した大井川知事。由香夫人(写真左)は弁護士 ©時事通信社

「菅義偉官房長官(当時)が支援にまわり、『安倍官邸推薦』と言われた」(政治部記者)

口癖は「PDCAを回す」

 大井川による刷新は徹底していた。IT企業仕込みの政治手腕を発揮し、口癖は「スピードを上げてPDCA(計画・実行・評価・改善)を回す」。

「知事就任わずか4カ月で県庁内の決裁業務の100%電子化を達成。県立の中高一貫校を一気に10校増やし、全国トップの13校まで拡大しました」(同前)

 だがその陰で、急進的な改革の歪みが生じていた。