これほどの激震に襲われた場所になぜ、原子炉の設置が許可されたのか-。中越沖地震で、阪神大震災と同じ最大で震度7を記録した東京電力柏崎刈羽原発。国は1977年、専門家による安全審査の審議を経て1号機の設置を許可した。しかし、中越沖地震の揺れは設計時の想定を大幅に超えた。さらに周辺海域に大規模な活断層の存在が明らかになったことによって、国による安全の「保証」は大きく傷ついた。非公開で行われ、厚いベールに覆われてきた31年前の安全審査。かかわった人物の証言を基にその実態を検証する。 「そういうことなら辞めさせていただきます」 77年、東京・霞が関。柏崎刈羽原発1号機の耐震安全性を審査する場で突然、予想もしなかった発言が出た。それを、科学技術庁(当時)の原子力安全審査官だった塚腰勇(69)ははっきりと覚えている。審査は大詰めを迎えていた。 発言の主は審査メンバーの1人で東京大学地震研究所助教授
地震が作り出した芸術:巨大乱堆積物: Artistic outcrop showing earthquake-induced chaotic sediment 写真:山本由弦(産業技術総合研究所)・坂口有人(海洋研究開発機構) 写真1 解説: まるで絵に描いたように奇妙で,大規模な乱堆積物露頭. 上部鮮新統〜更新統の千倉層群畑(はた)層中に発達するこの露頭は,2007年度初頭に房総半島南部の農業道路建設現場において発見された(Yamamoto et al., 2007 in press).約200万年前の地震によって,砂層が液状化し,剪断強度を失ったそれらが古斜面上を移動したものと結論される(いわゆるliquefied sediment flow).岩体の厚さは約20 mにおよぶ(写真は全体の半分程度しか写っていない).この露頭は,下底面・上端境界を含む岩体全体を運動方向に対してほぼ真横か
大阪科学医療グループ・瀬川茂子 地球は大きな磁石だ。方位磁針はN極が北を向き、進む方向を決める助けとなる。この南北は不変ではなく、時代によって向きが正反対に変わる――。1920年代、京都帝国大学教授の松山基範は、当時の常識に反する「地磁気の逆転現象」を発表した。 ◇松山説「地磁気逆転」岩石から導く 幾重にも積み重なった柱のような岩壁にある採石場跡の洞穴。兵庫県の「玄武洞」は、世界遺産の地質版といわれる「世界ジオパーク」に認定された山陰海岸の観光地だ。 1926年、ここの岩石が示す磁石の性質を調べた松山は不思議なことに気づいた。 南北が逆になっている――。この岩石ができたころの地球の磁場(地磁気)が、現在と逆だったと考えた松山は、その後の調査も踏まえ大胆な学説を発表した。 「時代によって、地磁気の方向は逆転する」 評判はさんざん。松山の伝記をまとめた花園大学の前中一晃教授(地球科学)による
古来、人々は、地球の構造と歴史とについてどのような思索を重ねてきたのだろうか。山の形成、化石の意味、火山、聖書の記す大洪水、地球の年齢などをめぐって議論は綿々と続けられてきた。 地球の歴史の歴史、つまり史的地質学史の前史は、アリストテレスやストア派の宇宙観に始まる。コペルニクスとデカルトが世界の中心から地球を追いやり、地球ははじめて独自の考察の対象となった。ビュフォンは地球の時間の長大さと非可逆性を把握し、地球史を記述した。が、真の地質学が誕生するのは18世紀末、「自然の古記録」すなわち化石と地層の踏査が行われるようになるときである。 古代ギリシアから現代のプレートテクトニクス理論まで、このスリリングな地質学思想の変遷の全体が、本書では「斉一説」的思考(連続主義)と「激変説」的思考(不連続主義)の相剋としてスリリングに捉えられる。記述は平明で、しかもフランス人らしいエスプリに富む。そしてな
大阪科学医療グループ・瀬川茂子 地球温暖化が予測され、その対策に向けて検討が進む中、過去の気候が注目されている。将来予測と同じ方法で、「古気候」をコンピューターで再現し、記録と比較することで、気候変動の仕組みを探り、予測の精度を上げる国際的な取り組みが加速している。 ◇太古の気候を計算、記録と比較 「古気候を再現できれば、自信をもって温暖化の将来予測ができるようになります」 昨年末、京都市であった古気候モデル相互比較国際プロジェクト(PMIP)のワークショップで、米国立大気研究センターのベッテ・オットブリズナー上級研究員はこう話した。 古気候学は過去の気候を調べ、気候が変わる仕組みを探る分野だ。その手法が温暖化予測の検証手段の一つとして活用されている。 将来の気候を予測するには、気候モデルに基づくシミュレーションが使われる。スパコンに仮想地球をおき、大気と海洋の間の熱のやりとりなどを計算し
広島大学大学院地球惑星システム学科 日本勤労者山岳連盟会員 大橋聖和 気象 調査期間後半ともなると日数を稼ごうと無理をしてしまいがちであるが,悪天候時は安全なルートに変更したり,停滞してデータの整理に当てるなどの余裕が必要である.宿を出る前にはその日の天気予報を必ずチェックしておく.特に夏場は午後から天気が崩れる場合が多いので,午後の予報を注視する.また,低気圧や前線の接近も頭の中に入れておくと天気の移り変わりが予想できる.急な雨に備えてザックの中には常に折り畳み傘かレインスーツを用意しておきたい.特に雨に濡れた状態で風に吹かれると夏場でも驚くほど体温が低下するので(低体温症になる),軽視は禁物である.長雨の際には土砂崩れや落石にも十分注意する(雨が上がってからも数日間は危険性の高い状態が続く). 筆者は一度非常に怖い思いをして以来,雷にはかなり敏感になっている.そのときは朝から雨模様で入
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