滋賀県野洲市で34年にわたって寝たきりの長男の介護を続けてきた82歳の父親が、自身の体調の悪化などから将来を悲観し、承諾を得た上で長男を殺害した罪に問われました。10日の裁判で、大津地方裁判所は懲役3年、執行猶予4年の判決を言い渡しました。裁判では、被告が周囲との接点がありながら頼らずに孤立していった状況が明らかになりました。 34年、奇跡を信じた父親 滋賀県野洲市の督永勝次 被告(82)。 去年12月、自宅で、介護を続けてきた50歳の長男の剛志さんを、本人の承諾を得た上で結束バンドや両手で首を絞めて殺害したとして、承諾殺人の罪に問われました。 被告による長男の介護は34年に及びました。 高校時代、強豪校でサッカー部に入っていた長男は、練習でランニング中にトラックにはねられ、脳挫傷の後遺症で寝たきりになりました。 16歳の時でした。 左手は自由に動かせるものの、ことばを発することができず、