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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第177回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 3月22日~3月28日

若手社員の約半数「引き継ぎで困った経験あり」/AIエージェントがデータ基盤の重要性を高める、ほか

2025年03月31日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回は(2025年3月22日~3月28日)、データプラットフォーム市場動向、若手社員の引き継ぎの課題、信頼できる情報源、個人ユーザーのデータバックアップ事情を紹介します。

[データプラットフォーム][AI] AIエージェント登場で重要度が高まるデータプラットフォーム市場(IDC Japan、3月27日)
・国内データプラットフォーム市場はAI技術に大きな影響を受ける
・AIエージェントはエンタープライズ業務のあらゆる領域で変革起こす可能性
・データプラットフォームはAI/機械学習の有効性を高めるデータ整備の役割

 データの統合/保存/管理/ガバナンスのための基盤を「データプラットフォーム」と定義し、国内の市場動向を調べた。注目が集まるAIエージェントによって、業務のあらゆる領域で変革が起こる可能性があり、それを支えるデータプラットフォームにも改革の必要性が高まるとしている。エージェンティックワークフローの普及により、業務の自動化/迅速化が進むことから、インシデントの影響拡大を防ぐ「ガードレール」の構築においてデータプラットフォームが重要な役割を担うと見ている。

 ⇒ このほか、データ分析/活用向けデータプラットフォームでは「クラウドシフト」の傾向も顕著とのこと。基幹系データベースにもそのトレンドは及んでいるそうです。

[DX] 若手社員の約半数が「引き継ぎで困った経験あり」、その課題は?(ヌーラボ、3月27日)
・「業務の引き継ぎで困った経験あり」は47.8%
・課題は「情報共有不足」(46.3%)、「タスクが不明瞭」(37.6%)、「資料管理不備」(37.3%)
・トラブル防止の重要な要素は「コミュニケーションルールの策定」「役割分担の明確化」「タスクの見える化」

 20歳~25歳の若手ビジネスパーソン600人を対象にした調査より。「業務の引き継ぎで困った経験がある」若手社員は47.8%。困った理由として「必要な情報が十分に共有されなかった」(46.3%)、「過去のタスクや業務の内容が不明瞭」(37.6%)、「引き継ぎ資料が整理されていない/見つけづらかった」(37.3%)が多く挙がった。

 ⇒ 4月は異動と新入社員入社のシーズン。業務の引き継ぎは口頭よりもデジタルのほうが良さそうです。うまくいく引き継ぎのポイントとして、「タスク管理ツールを活用した業務の可視化」「業務フローの標準化」「マニュアルやドキュメントの整備」を挙げています。

業務引き継ぎに困った経験がある若手社員は47.8%(出典;ヌーラボ)

引き継ぎに苦労した理由(出典;ヌーラボ)

スムーズな引き継ぎに重要なチームワークマネジメントに重要な要素。「コミュニケーションルールの策定」などが上位に挙がった(出典;ヌーラボ)

[社会][SNS] デジタルネイティブ世代の最も信頼する情報源は「SNS」(ビッグローブ、3月27日)
・20代が信頼する情報源は「SNS」が最多
・18~19歳は「TV」(32.9%)、「SNS」(30%)
・18~19歳の51.4%が、物事を判断する際に「事実よりも自分の願望を重視」

 18~69歳の男女1000人を対象にした調査から、デジタルネイティブ世代の意識について分析した調査報告書。「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る際に、最も利用する媒体」を尋ねたところ、20~24歳と25~29歳のトップは「SNS」だった(20~24歳が33.3%、25~29歳が35.6%)。それ以外の世代では「TV」がトップ。なお、25~29歳では「TV」(3位)よりも「動画配信サービス」(2位)が上回るという結果に。このほか、「子どもが欲しいかどうか」という設問では、20~34歳の約6割が「子どもがほしくない」と回答している。

 ⇒ デジタルネイティブの20代は30代になっても「SNS」を選ぶのか、それとも年齢が上がると違うメディアを選ぶのかが気になります。

信頼できる情報を得る際に最も利用する媒体(年齢層別)。20代はSNS(黄色)が最も多く、それ以外はTV(赤)が多い(出典:ビッグローブ)

「事実であるかどうかより、自分の願望に近いかどうかが重要」と考える人の比率(年齢層別)。10代~20代前半と60代は「やや/そう思う」が多い(出典:ビッグローブ)

「子どもは欲しいか」という設問(年齢層別)。20~24歳の55%が「あまり/そう思わない」と回答した(出典:ビッグローブ)

[バックアップ][消費者] バックアップも「ハイブリッド」傾向、約半数が無料のクラウドを使用(ウエスタンデジタル、3月25日)
・自動/手動でデータをバックアップしている消費者は52%
・バックアップしない理由は「方法がわからない」(39%)「必要性を感じない」(33%)
・クラウドストレージの利用は52%に

 一般消費者のデータバックアップについて、日本を含む10カ国で6118人に調査した(日本の参加者は534人)。日本の回答者の52%が「自動/手動でバックアップをしている」と回答。その一方で、30%が「デバイスの故障、誤削除、サイバー攻撃によるデータ損失を経験」していた。バックアップ手法として、無料のクラウドストレージが52%、そのうち23%が過去6ヶ月以内に容量不足を経験しているという。クラウドとローカルの外部ストレージを組み合わせるユーザーが増えていると報告している。

 ⇒ トラブル発生後に「やっておけばよかった」と気づくバックアップ。同社は「3-2-1バックアップ戦略」として、データのコピーを3つ保持し、2種類の異なるメディアに保存し、そのうち1つはオフサイト(例えばクラウド)に保管することを推奨しています。

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