中国経済の衰退が進む中、企業の人員削減が相次ぎ、多くの中年層が職を失っています。失業後の再就職は難しく、かつて月収数万元の高給を得ていた中年層のビジネスパーソンでさえ、突然の解雇に直面し、適切な仕事を見つけることができない状況に追い込まれています。
安定した収入を誇っていた中産階級の人々も、失業によって生活が一変しました。経済的な圧力に押しつぶされそうになり、「中年になって仕事を失うことがどれほど悲惨なことか、わかるか」と嘆く声が聞かれます。
中年失業者たちの生の声
失業した複数の中年層が、自らの体験を語ります。彼らの背後には、かつては幸せに暮らしていた無数の家庭がありました。しかし今、それらの家庭は大きな困難に直面しています。彼らはこの厳しい現実をどのように乗り越えていくのでしょうか。ネット上には、中年で失業した人々の苦悩がつづられています。
ある投稿者はこう語ります。
「あさっては旧正月なのに、今日解雇された。中年になり、住宅ローンや自動車ローンを抱え、親の面倒を見ながら子どもを育てている。今、車の中に座っているが、家に帰ってどう伝えればいいのかわからない。40歳になって突然、人生の行き先を見失った。何をすればいいのかもわからない。
でも、まだ運がいい方だ。多くの仲間より半年も長く持ちこたえた。この日がいつか来ることはわかっていたが、いざ現実になるとやはりつらい。解雇された皆さん、元気にしていますか」
また、別の投稿者も胸の内を明かしています。
「最近ずっと考えていることがある。自分はもうこの世界に忘れられたのではないか、見捨てられたのではないかと。半年以上失業し、息子はもうすぐ幼稚園に上がる。数十通も履歴書を送っても、まったく返事がない。昨日の夜、息子を寝かしつけながら絵本を読んでいたが、気づいたら自分も涙を流していた」
上海のあるネットユーザーは、親族の実体験を語っています。
「私のいとこは39歳である。2か月前、上海の国有企業を解雇された。15年間働き続け、退職金はN(勤続年数分)+2か月分。まあ悪くないと思うだろう。彼の月給は3万元(約62万円)で計算すれば、およそ60万元(約1238万円)は受け取れるはずだった。しかし、実際には20万元(約412万円)しかもらえなかった。会社は『給与額ではなく、地域の平均給与1万元(約20万円)に基づいて計算する』と言われた。今、彼は毎日仕事を探しているが、不安でまともに眠れない。彼は涙ながらにこう言った。『今の仕事が一生続くと思うな。心の準備をしておけ』と」
IT業界の幹部だったという別のユーザーは、年齢を理由に再就職の難しさを訴えています。
「半年間失業している。今年で43歳。IT業界で20年働き、高級管理職にいた。しかし、去年、年齢を理由にリストラされた。今になって再就職しようとしても、年齢が壁になり、履歴書すらまともに見てもらえない。求人アプリで勧められる仕事は、保険の営業や配車サービスのドライバーばかりである。自分にとって、これはあまりにも不公平だ。なぜ私たちの世代は、こんな仕打ちを受けるのか。私たちは生きる資格がないのか。皆さんは、どうやって生き延びているのか」
あるネットユーザーは、中年失業者の厳しい現状を語っています。
「彼らは皆、家族を支えてきた大黒柱である。しかし、今は解雇されてしまった。毎朝7時や8時には家を出て、まるで仕事に行くかのように振る舞っている。妻や子どもは、彼らが職を失ったことを知らない。しかし実際は、皆必死で仕事を探しているのが現実である。
時間を持て余し、仕方なくカフェやタピオカドリンク店で時間をつぶすしかない。誰にも言えない無力感と焦りの中で、途方に暮れている」
失業者は求職のプレッシャーだけでなく、家庭の問題にも直面しています。多くの人が失業して間もなく、離婚を余儀なくされています。北京市海淀区の民政局(婚姻登記所)では、離婚手続きを進める中年夫婦の姿が多く見られます。
一級建築士が失業、半年近く職なし
国家資格を持つ建築技師でも失業し、半年近く仕事が見つからない状況が続いています。
ブロガーの「悠闲铅笔(ゆうかんえんぴつ)」は2月20日に公開した動画の中で、自身の厳しい家庭状況について語りました。
「皆さん、中年で失業することがどれほど悲惨か分かるだろうか。言いたいことがたくさんある」
「夫は国家資格を持つ一級建築技師で、かつては会社の副総経理(副社長)を務めていた。毎月の手取り給与は4万元(約82万円)。当時、未来に希望を抱き、河南省鄭州市に140平方メートルのマンションを購入した。住宅ローンは150万元(約3100万円)で、毎月の返済額は8000元(約16.5万円)。将来は明るいと信じていた。まさか、今年38歳になる夫が失業し、すでに半年近くも家にいるとは思わなかった。毎日ソファに横たわりながら、スマホで仕事を探している。我が家にとって、毎日が試練の連続だ。この年齢で再就職するのは非常に難しく、月給25000元(約51万円)以上を支払ってくれる企業はほとんどない。夫が家で不安そうに過ごしている姿を見るのはつらい。家族全員が大きなプレッシャーを抱えている」
最近、夫は彼女にこう話したといいます。
「来週までに仕事が見つからなかったら、配車サービスのドライバーか、フードデリバリーの仕事をするよ。少なくとも生活費の足しにはなるから」
「悠闲铅笔」はため息交じりに語ります。
「かつては私たちも中間階級で、充実した生活を送っていた。それなのに、一夜にして無職になり、こんなにも厳しい現実に直面するなんて、いまだに信じられない。どうして突然、こんな状況になってしまったのだろうか。もう、どうにもならないのだろうか。今、考えられる唯一の選択肢は、夫が引き続き仕事を探すか、ひとまず配車サービスの仕事をすることだ。そうしなければ、次の手段は家を売って、故郷に帰るしかない。でも、それだけは避けたい。鄭州市で長年暮らし、この街には私たちの思い出や生活の軌跡が詰まっているし、子どもたちもここで学校に通っている。しかし、現実の重圧が私たちを追い詰めている。いったい、どうすればいいのだろうか」
中年層の実際の失業状況は、統計データよりも深刻
経済学の研究や市場調査によると、中国における「中間階級」の年齢層は一般的に25歳から55歳の範囲に収まるとされています。
中国の労働市場では、「35歳の壁」という現象が広く存在しており、特にインターネット業界、金融業界、国有企業、公務員といった分野では、年齢制限が顕著です。たとえ専門スキルが高くても、35歳を超えると転職が極めて困難になるケースが多いのが現実です。
中国国家統計局のデータによると、2024年12月の全国都市部の調査失業率は5.1%で、そのうち30歳から59歳の失業率は3.9%とされています。しかし、この公式データには多くの疑問の声が上がっています。
中国のソーシャルメディアやオンラインフォーラムでは、求職の困難さを訴える人が後を絶ちません。特に中年層が失業後に仕事を見つけるのが極めて難しいという声が多数寄せられており、実際の状況を考えれば、失業率が3.9%というのは到底現実を反映しているとは思えません。
(翻訳・藍彧)