こんにちは。ハンバーガー評論家として活動している松原好秀（まつばら・よしひで）です。2004年からハンバーガー探求を始め、およそ20年間で4,000個以上のハンバーガーを食べてきました。
そんな私が最近気になっているのが、地方の小都市に「確かな腕を持つ」ハンバーガー専門店が増えていること。
例えば、群馬県桐生市、栃木県足利市、茨城県つくば市などに、行ってみたいと思わせるバーガー店が続々と増え、その街や地域にどんどんと根差し、定着していっています。
本来、ハンバーガーは世界中どこの国でも食べられるグローバルな食べ物ですが、それが日本国内において徐々にローカル色を帯びつつある。
ということで、今回は地域色をテーマに、よりすぐりのハンバーガー店を巡るドライブプランをご紹介します。
お店と周辺スポットを満喫しようとすると、移動は車が便利。大手チェーンのドライブスルーではない、地域色豊かなハンバーガーを目指してハンドルを握るドライブ体験を、ぜひ皆さんもお試しください！
車でハンバーガー店に行く前に
本編の前に、私が車で行く際に注意していることを3つ紹介します。
- 1. 営業日を確認する
せっかく長距離の移動をしたのにお店がやっていないと残念ですから、多くの場合、私は営業日や営業時間を確認して「食べに行きます」と予告してから行くようにしています。
- 2. 立地や気象状況に注意する
例えば今回紹介する富士山の近くのお店は、標高800メートルを超える場所にあります。特に冬場・春先は積雪や路面凍結への注意と寒さ対策が必要です。お店の立地や気象状況に注意して、くれぐれも慎重で安全な運転を心がけましょう。
- 3. 周辺のお店を調べる
目的地のハンバーガー店周辺のお店（私の場合はおいしいパンやスイーツのお店）を入念に調べてから出かけましょう。
今回も羽生市の「みやび亭」でパンを、「まつのや」でいがまんじゅうを、横須賀市の「NOTHING, BUT SUGAR」でシナモンロールを買うなどしました。そんな「ハンバーガー＋α」の楽しみ込みの小旅行をぜひ楽しんでください。
地域色を感じられるハンバーガーに出会う、ドライブプラン5選
【プラン1】「バーガーのまち」として注目を集める小都市へ。「キヤッセバーガー」（埼玉県羽生市）
まずは、かつて藍染（あいぞめ）や衣料の生産で栄えた埼玉県の小さな街、羽生市（はにゅうし）が「いまハンバーガーでアツい！」という話題から。
物語は2023年、羽生市出身の渡邉貴広さんがハンバーガーの大会で「日本一」になったことから始まります。その結果に市内は沸き返り、渡邉さんは一躍「時の人」に。
2024年には地域振興を目指した協定を羽生市と結び、5月に「羽生バーガーフェス」を開催。するとこれがまた大反響。一連の流れに大きな可能性を感じた「キヤッセ羽生」が渡邉さんに熱烈オファーして誕生したのが今回紹介する「キヤッセバーガー」で、2024年10月にオープンしました。
渡邉さんは都内の三軒茶屋にある名店「ベーカーバウンス」の創業者として知られる人物です。ベーコンからハムからパストラミビーフから、ポテトやケチャップに至るまで「何でも自家製」を始めたお店で、その後の日本のバーガーシーンに多大な影響を与えました。ひき肉でなく、包丁で手切りした「チョップ肉」でパティを作ったのも渡邉さんが最初と言われています。
そんな渡邉さんがレシピ開発から材料の選定、作り方の指導まで、微細にわたりプロデュースしたキヤッセバーガー。バーガーメニューは4品あります。こちらがぜひ食べたい「ベーコンチーズバーガー」です！
パティは豪州牛の2種類の部位を粗びきにした110グラム。その上に自家製ケチャップ、上下にチーズ2枚とベーコン2枚。バンズは渡邉さんが「ベーカーバウンス」の頃から愛用し続ける都内のパン店作。その裏には自家製タルタルソース。かぶりつけば、新鮮野菜のシャリシャリとした歯応え。卵多めの自家製タルタルにより豊富な野菜の新鮮さが際立つ、サックリとフレッシュなバーガー！ さすがのクオリティ！
故郷・羽生へ戻った渡邉さんは新店「Big Bang Diner」を始める傍ら、学校給食を監修したり、市民にハンバーガーの作り方を教えたりなどの活動を盛んに行い、その結果、ついには市内のバーガー店を集めた「マップ」まで完成して、羽生市はにわかに「バーガーのまち」として注目すべき小都市となりました。
2025年も5月に「バーガーフェス」開催予定とのこと。今後の羽生市の動きに注目です！
【🍔メモ】キヤッセバーガー
- URL：https://kiyasse.jp/burger/
- 住所：埼玉県羽生市大字三田ヶ谷1725
- 電話：048-565-5255
- アクセス：東京駅から東北自動車道経由、約1時間10分
- 🚙³₃：Googleマップ
なお、お店がある「キヤッセ羽生」は農業について学べる農林公園です。バーベキュー広場や、イモ掘りなどの農業体験ができる施設があり、直売所には地元産の花や新鮮野菜、パンやスイーツ、羽生の地酒や特別生産米「彩のかがやき」などが売られており、お土産を買うのに大変重宝します。
公園を管理・運営するのは「アグリメディア」という貸し農園や農業求人などに携わる企業です。いちご狩りが楽しめる観光農園も羽生市内に複数手がけており、農業を通じた地域振興・活性化などに取り組んでいます。ですからもちろん、「キヤッセバーガー」の野菜も地元生産者が作るものをメインに使用しています。
キヤッセ羽生のすぐお隣の「羽生水郷公園」は淡水魚専門の水族館「さいたま水族館」で知られる名所。希少な水生植物「ムジナモ」の国内唯一の自生地もあり、自然と生き物に触れ合える格好のお出かけスポットになっています。
また、羽生市といえば「鬼平江戸処」として知られる羽生パーキングエリア（上り線）が有名ですが、キヤッセ羽生からは車で4分ほどです。一般道からの出入口があり、無料駐車場もあるので、ここでもお土産が買えますね。新たな発見に満ちた羽生の旅でした。
【プラン2】地域に根付くブラジル文化を感じられる街へ。「BURGER'YA」（群馬県大泉町）
【プラン1】で紹介した羽生市からは車で40分ほど。群馬県大泉町へやって来ました。大泉町は人口41,722人（2025年1月31日現在）。うち外国人が8,964人で、人口割合はおよそ21.5％。町民の5人に1人は外国人という、これは全国の市町村でも一二を争う比率です。
ブラジル、ペルー、インドネシア、ネパール、ベトナムとさまざまな国の人々が大泉町に住んでいます。その数なんと54ヵ国！ 大泉町は「インターナショナルタウン」。町内を見渡すと、実に多様な文化が共生していることがわかります。
「活きな世界のグルメ横丁」という、町内にある世界各国の料理店がぎゅ～っと広場に集まるイベントが定期的に開かれていますので、開催日に大泉町を訪ねるのも良いでしょう。
こちらは大泉町観光協会が入る「ブラジリアンプラザ」です。観光協会では「外国気分を楽しもう！」というツアーコースの提案や、日系ブラジル人ガイドによるプチ・ポルトガル語講座、サンバレッスンなど、ノリの良い体験企画を各種用意しています。「日本定住資料館」という展示コーナーなどもあって、頼れる旅の窓口です。お出かけ前にホームページを見ることをまずおすすめします。
そんな大泉町の外国人人口で最も多く、長い歴史を持つのがブラジル人で、大泉町は「ブラジルタウン」としてよく知られています。彼らの生活拠点が「スーパータカラ」。店内には初めて見るような輸入食品が多数。訪ねたこの日はパネトーネ（発酵菓子）が何種類も売られていました。
そのスーパータカラの中に日系3世のブラジル人が営むバーガー店「BURGER'YA（バーガーヤ）」があります。店主のKatsumi Okumaさんは2016年にブラジルから単身日本へやって来て、自身が住むアパートでテイクアウトとデリバリーの店をスタート。そこから横浜の鶴見に2号店、新宿御苑前に3号店を出して、今やすっかりブラジル人コミュニティの有名人になりました。
店員は全員ブラジル人ですが日本語OKです。バーガーメニューは全12品。中でもSNS映え間違いなしの一品が「カスカタバーガー（CASCATA BURGER）」。直火で焼いた豪州＋チリ産牛130グラムパティの上から自家製のチェダーチーズクリームたっぷり、クリスピーベーコンどっさり！ チーズの滝のようなバーガーです。
ふんわり軽いバンズの間に、ザラッとドライでほぐれの良いパティ。直火焼きのコゲの風味も感じられて美味！ いい肉の味！ 手も口の周りも汚れること必至ですが、そんなことはどうでもよくなる豪快さあり！
サイドメニューにはブラジルのコロッケ「コシーニャ（Coxinha）」を。コロッケの中心にほぐした鶏肉が入った一品。よくできたスナックです。美味！
夕方と週末はブラジル人でにぎわいますが、ぜひ臆さず飛び込んで、陽気な異文化体験を存分にお楽しみください！
【🍔メモ】BURGER'YA（バーガーヤ）
- URL：https://www.instagram.com/burger.ya/
- 住所：群馬県邑楽郡大泉町坂田3-12-10
- 電話：090-7207-7660
- アクセス：東京駅から東北自動車道経由、約1時間45分
- 🚙³₃：Googleマップ
【プラン3】富士山麓に鹿肉バーガーを求めて。「富士山ジビエセンター DEAR DEER」（山梨県富士吉田市）
続いては観光地の中の観光地、世界文化遺産・富士山へのドライブです。その麓にある非常に意義深く、興味深い施設をご紹介します。
富士吉田忍野スマートインターチェンジを出てすぐの「道の駅 富士吉田」からこの絶景！ 富士山が近い！ 周辺に「富士山レーダードーム館」「ふじさんミュージアム」などの施設も集まった「道の駅 富士吉田」は優れた観光スポットですが、比較的ゆったりと過ごせる場所でもあります。
そんな道の駅の隣にあるのが「富士山ジビエセンター DEAR DEER（ディア ディア）」。一言で言うとジビエ加工施設です。
従来、こうした施設は人里から離れた場所に造られることが多かったのですが、あえて道の駅の隣に建てたところに大きなポイントがあります。ジビエセンターは集客施設であり、地産地消やジビエ文化について学べる学習施設としての機能も併せ持つ施設として建てられました。
富士の樹林をバックに「美術館のよう」だとも称される趣きある構えですが、「富士山を食害から守れ！」という明確な使命を持っています。
富士山は、山麓にすむ野生の鹿やイノシシによる食害に悩まされています。一方、それを食い止める猟師は高齢化が進み、減少の一途。しかも、捕獲した鹿などは土に埋めてしまうことがほとんどで、猟はお金にならないのが現状です。これは富士山麓のみならず、全国各地に共通する深刻な社会問題です。
そこで富士吉田市は、猟師が狩った鹿を代金を支払ってすべて受け入れ、さらに肉を処理・加工して販売するところまでをセットにした施設を考えました。
構想3年、2度のクラウドファンディングを経て着工・建設。そして、2024年7月にオープンしたのが、この「DEAR DEER」です。国内最高レベルのジビエ加工施設と言って間違いないでしょう。
いくつにも分けられた処理室に加え、熟成室や燻製室まであって、解体から食品加工までをすべて施設内で行えます。加工した商品を販売するショップが併設されているのも注目すべきポイントです。
鹿肉や猪肉のソーセージだけでも4、5種類を販売しています。鹿肉だけだと脂肪分がほとんどなくパサついてしまい食味が今一つなので、銘柄豚「富士ヶ嶺（ふじがね）ポーク」とおいしくブレンドしたソーセージなどを販売。フードメニューはテラスで食べるかたちでの提供になります。その看板メニューが「鹿肉のハンバーガー」。
センターで解体・加工した富士山麓の野生鹿と富士ヶ嶺ポークを合わせた100グラムパティに、地元パン店が焼く歯切れの良いツヤなしバンズ。トマト・レタスは基本は県内産。かぶりつけば、大きめな肉の粒がサックリと音を立てて裂ける感じが歯応えよく、そこへサウザンアイランド風のソースがキリッと酸味を利かせて、さらにかめば、鹿肉独特の赤身の香ばしさ！ そんな、ライトでポップにまとめられたジビエバーガーです。
「鹿肉ソーセージのホットドッグ」も美味！ 粗い肉のつぶつぶをかみ締める感じがたまりません！ 猟師で施設のセンター長でもあるレストランの元シェフがすべてレシピを開発しています。「ふじやまビール」や甲州産のワインもあるので、運転を代われる人がいる方はぜひ一緒にどうぞ！
富士山にジビエにソーセージ。大変充実した楽しい見学・学習施設です。レーダードーム館から望む富士山もまた絶景！
【🍔メモ】富士山ジビエセンター DEAR DEER（ディア ディア）
- URL：https://mtfuji-deardeer.com/
- 住所：山梨県富士吉田市新屋725-3
- 電話：0555-73-9111
- アクセス：東京駅から中央自動車道/富士吉田線/西宮線/長野線経由、約1時間30分
- 🚙³₃：Googleマップ
【プラン4】16年の軌跡に敬意を込めて、ヨコスカネイビーバーガーを味わう旅。「TSUNAMI」（神奈川県横須賀市）
山の次は海のドライブを楽しみましょう。横須賀へやって来ました。横須賀といえば、皆さんご存じ「ヨコスカネイビーバーガー」が有名です。
横浜横須賀道路を降りて、県道28号の高架橋をグーッと下ってゆくと、パッと前方が開ける……。この風景の変化は何度経験してもドラマチックです。その開けた先が横須賀本港。米軍と自衛隊の基地がある港です。
横須賀観光は、基地と切っても切り離せない関係にあります。本港に臨む公園はヴェルニー公園。米軍基地を挟んで東には記念艦「三笠」を展示した三笠公園があり、無人島「猿島」へ渡る船が発着しています。
ヴェルニー公園のそばには「YOKOSUKA軍港めぐり」の船着き場が。港内をぐるっと一周するクルーズですが、時に潜水艦や巨大な空母を間近に見ることのできるツアーで、これは絶対おすすめ。ベストシーズンは春と秋です。
そして米軍基地ゲート前の商店街が「ドブ板通り」。米兵たちの間では「Honchi」（本町のこと）と呼ばれています。
ドブ板通り界隈の飲食店を中心に「ヨコスカネイビーバーガー」がスタートしたのは2009年のこと。当時の在日米海軍司令官から横須賀市長あてに、米軍と市民との友好の証としてハンバーガーのレシピが授与されました。このレシピをもとに現在14店がネイビーバーガーを提供しています。
そのネイビーバーガー開始当初からの店の一つが「TSUNAMI（ツナミ）」です。2004年に飲食店を始める以前は、ドブ板通りでサーフボードを売っていました。今は2店舗あり、鉄人28号が目印なのが本店、バットマンとスパイダーマンがあるのが「tsunami box」という2号店で、どちらも同じメニューが食べられます。
バーガーは、米海軍直伝の公式レシピに基づいたものが9品。これらがヨコスカネイビーバーガーです。さらに店独自の工夫を凝らしたアレンジ系のバーガーが9品。こちらはスペシャルバーガーとツナミでは呼んでいます。合わせて全18品のラインアップ。
ネイビーバーガーの中には空母の名を冠した「ジョージワシントン」「ロナルドレーガン」というバーガーがあり、スペシャルバーガーの中には歴代米国大統領の名の付いた「オバマバーガー」「バイデンバーガー」「トランプバーガー」があります。
こちらは公式レシピに基づいて作られた「ダブルチーズバーガー」。パティはレギュラー（R）227グラム、クォーター（Q）113グラムの2サイズ。オージービーフの赤身に和牛脂を加えた直火焼き。海軍直伝らしいガッシリとした構えで、十字に付いた直火のコゲ目がプンと香ばしくスモーキー。しっかりとした食べ口と牛肉の風味のよさが印象に残る質実剛健なバーガーです。バンズは市内のパン店作、サラダセットは三浦半島の「青木農園」が作る三浦野菜を使用。
バーガーばかりが注目されますが、ツナミは実はメキシコ料理店です。基地内のメキシコ人を先生に教わった本格的なメキシカンが今も変わらず食べられます。こちらもおすすめ！
そしてツナミは、よこすか海軍カレー、ヨコスカネイビーバーガー、ヨコスカチェリーチーズケーキの「横須賀三大グルメ」をすべて食べられるお店でもあります。
とはいえ、この極めて高カロリーな三大グルメを一度に食べるのは極めて困難。ですから、何度も訪ねてコンプリートしてください。三浦半島のドライブはいつ行っても爽快ですよ！
【🍔メモ】TSUNAMI（ツナミ）
- URL：https://www.navyburger.com/
- 住所：神奈川県横須賀市本町2-1-9
- 電話：046-827-1949
- アクセス：東京駅から首都高速湾岸線/県道294号経由、約1時間5分
- 🚙³₃：Googleマップ
【プラン5】小さな商店街をにぎわす比類なき名店へ。「R-S」（千葉県松戸市）
ラストは観光地への旅ともまた違う、とある商店街を目指すドライブプランです。周辺には名所も名勝も特にありませんが、しかし、そのために旅行する価値のある卓越したハンバーガー店が待っています。
場所は千葉県松戸市の高台にある「小金原中央商店街」。最寄りのどの駅からも路線バスで15分という、電車・バスで行くには不便な場所ながら、開店を待つ人の列が平日の午前中からできる店が商店街の中に一軒……それがお目当ての店「R-S（アールズ）」です。
アールズの話の前に、商店街のある小金原団地は1971（昭和46）年完成、築50年オーバーながら、今も現役バリバリの団地です。今風のリノベーションを随所に施した、住み良い環境が団地全体に整えられています。以前はもっとノスタルジックな団地だったのですが、だいぶモダンになりました。
そんな小金原団地の中に遠方から人が殺到する場所がもう1ヵ所……それがパンの名店「ツオップ」！
「カレーパン」の記事にも登場した、全国的な知名度を誇る名店です。こちらも平日の昼から列をなすほど人が集まります。
ここで大事なポイント。「アールズ」のハンバーガーは「ツオップ」のバンズを使っています。カボチャのタネを乗せた、焼き色濃い目の特注バンズ。アールズとツオップは車で3分ほどの距離なので、ぜひセットでお訪ねください。
さて、アールズへ戻って、扉を開けると、まるでおもちゃ箱のような店内。すべて店主・島本さんのコレクションです。玩具・置物・調度品の多くはアンティーク。差し込む日の加減もあって、団地以上にノスタルジックな空気を醸しています。
バーガーメニューは和牛パティのバーガーが6品、オージービーフが14品、チキン2品の全22品。中でも有名なのが「REAL burger（リアルバーガー）」。熱狂的なREALファン（「リアリスト」と呼びます）を多数有するバーガーで、中にはファンTシャツを作る人もいるほどの絶大な人気を誇る名作です。
和牛180グラムパティに「ツオップ」のバンズ、目玉焼き、チェダーチーズ2枚半、テリヤキソース、そしてマヨネーズたっぷり。つまり、生野菜なしの「テリヤキエッグチーズバーガー」がその正体。ある意味、非常に偏った材料からなるバーガーですが……とてつもなく美味！
これはもう和牛パティのおいしさに尽きます。融け出た自らの油で自らを焼く"揚げ焼き"のようなパティで、パティ表面のカリッと焦げたひき肉の粒々に、利かせたガーリックの香ばしい風味がたまりません！
そのREALと並ぶ傑作が「Hamburger（ハンバーガー）」という名のバーガー。和牛パティのおいしさを軸にBBQソース、チェダーチーズ、トマト＆オニオンの生野菜2点、そしてタルタルに近いエッグスプレッドがたっぷり。REALとはまた違う表情を見せる人気作です。
これらのクセ強なバーガーのおいしさはアールズへ行かないと味わえません。ほかの店では「替えの利かない」というか、近いバーガーさえそもそもないという……。「わざわざ訪れる価値がある」という意味がこれでおわかりいただけたかと思います。
アールズとツオップを目指して……いざ、小金原中央商店街へ！ 第2駐車場はアールズのすぐ裏です。
【🍔メモ】R-S（アールズ）
- URL：https://www.instagram.com/rs.burger/
- 住所：千葉県松戸市小金原6-2-6
- 電話：047-312-6668
- アクセス：東京駅から首都高速7号小松川線/ルート7経由、約55分
- 🚙³₃：Googleマップ
地産地消のハンバーガーがトレンドになる！？
さまざまな「地域色を感じられるハンバーガー」をご紹介して来ました。
いわゆる「グルメバーガー（良質な食材を使い、手作りしたハンバーガー）」のこの先は、「地産地消」、その土地の食材を上手に使ってクラシカルなバーガーを作ることがトレンドになっていくと私は考えます。
野菜だけでなく、その土地の肉、その土地で収穫された小麦まで、多くを土地の産品でまかなったバーガーがより高く評価され、求められるようになるでしょう。その土地のバーガーはその土地のめぐみで――それをいただくことに地方や郊外の店へわざわざ足を向ける価値があるということですね。
この春はぜひ車で、地域のハンバーガーを探すドライブにお出かけください！
地域の味に出会うドライブへ！
ハンバーガー探求家、評論家。2014年に『ザ・バーガーマップ東京』（幹書房）出版。ウェブ・雑誌の連載のほか、テレビ・ラジオの出演も多数。
- ブログ：ハンバーガーストリート
編集：はてな編集部
※2025年3月21日18:55ごろ、記事を一部修正しました。ご指摘ありがとうございました。