占師の親族に死亡男性宅の所有権移転 自殺教唆事件の後に「贈与」

田添聖史 宮坂知樹
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 和歌山県で信奉者の2人をそそのかして自殺させたとして、自称占師の浜田淑恵容疑者(62)=大阪府河内長野市=が自殺教唆容疑などで逮捕された事件で、死亡した60代の男性が所有していた土地と建物の所有権が事件後に浜田容疑者の親族に移っていたことが、捜査関係者らへの取材でわかった。府警が詳しい経緯を調べている。

 捜査関係者らによると、死亡した男性が所有していた住宅は河内長野市の2010年築の2階建て住宅(延べ約265平方メートル)で、事件前は浜田容疑者が親族と暮らしていたという。

 20年8月に信奉者2人の遺体が見つかり、その約2週間後、この住宅の土地と建物の所有権を浜田容疑者の親族に贈与するという仮登記がなされ、同9月に正式に登記されていたという。

 関係者によると、相続の権利を持つ男性の親族に、浜田容疑者側が男性の死亡を伝えたのは仮登記がされた数日後だったという。

 捜査1課によると、浜田容疑者は20年8月1日に和歌山県広川町の海に信奉者の2人を入水させ、自殺をそそのかした疑いで逮捕された。

 死亡した2人は「悩み相談」を通じて知り合った浜田容疑者に心酔し、浜田容疑者に給料や不動産を売却して得た金を渡すなどしていたという。

 浜田容疑者は恐喝容疑でも今年1~2月に2度逮捕され、別の50代男性から計約8千万円を脅し取ったとして今月11日に起訴された。

 起訴状などによると、浜田容疑者は信奉者の2人が死亡した3カ月後、自宅で50代男性に2人を死亡に追いやったと告げ、「(海中で)2人はぷかぷか浮いていた。逃げたらどうなるかわかっているな。全財産をささげろ」などと現金を脅し取ったとされる。

 府警は、浜田容疑者が危害を加えることをちらつかせ、恐怖を与えながら、この男性を支配しようとした可能性があるとみて調べている。

 男性は昨年5月、恐喝の被害を府警に相談。府警は男性が録音していた音声データなどから浜田容疑者が2人の死亡に関与した疑いがあると判断した。

 府警は13日午前、浜田容疑者を自殺教唆容疑などで送検した。

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