勤務中も風呂でもオンカジ 「続ければ1億」妻との預金に手をつけた

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吉村駿
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 2019年5月、自宅でネットサーフィンをしていた兵庫県の30代男性は、スマートフォンの画面に表示された広告に目が止まった。

 「オンラインカジノで稼ごう!」

 タップすると、オンラインカジノのサイトが現れた。名称は「ベラジョンカジノ」。「スマホでラスベガス」「登録は1分」「安全安心」といった文言が並ぶ。

 ルーレット、バカラ、ブラックジャック……。スマホを操作するだけで何種類もの賭博ができるという。「ゲーム感覚でお金が稼げそうと魅力に感じた」

オンラインカジノについて警察庁が初の実態調査を実施したところ、国内での利用経験者が推計で約337万人にのぼることがわかりました。このうち6割は「ギャンブル依存症」と自覚していました。記事では一人の男性が「依存」していく様子を描きます。

 すぐに支払い用の銀行口座をサイトで登録し、5万円を決済代行業者に送金した。広告を見てから、わずか数分だった。

 ギャンブルだから勝ち負けがある。それは、パチンコや競馬と変わらなかった。ただ、勝敗が決まるスピードは決定的に違った。

妻や両親についたうそ

 バカラやルーレットはわずか20秒足らずで1回の勝敗が決まった。数日間は勝ちが続き、5万円が約100万円になった。

 「続ければ1億円に増えるかも。負けたとしても、すぐに取り返せる」

 オンラインカジノが生活の中心になっていた。スマホが手放せず、風呂やトイレにも持ち込んだ。寝る間も惜しく、休日は明け方まで続けた。

 会社員として勤務する間も頭から離れなくなった。昼休憩だけでなく、勤務中も同僚の目を盗んでスマホを開いた。

 最初に勝った約100万円は…

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この記事を書いた人
吉村駿
東京社会部
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事件・事故、スポーツ、生き物