昭和風情あふれる大衆演劇場 笑いあり涙あり 「役者との近さ魅力」

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稲石俊章
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 「笑いあり、涙あり、興奮あり。お芝居、踊りに、歌謡ショーを楽しむなら、大島劇場へ」

 JR川崎駅東口からバスに乗って約10分。追分の停留所の手前で車内にアナウンスが流れる。バスを降りて数分歩くと、住宅街の一角に花輪やのぼりが現れた。1950年の創業の大島劇場は、川崎区で唯一残る大衆演劇場だ。

 2月上旬のこの日は、劇団「魁(さきがけ)」と「まな美座」の合同公演が開かれていた。

 約150人を収容できる畳敷きの客席には、お弁当を広げているグループや、劇場で缶ビールと柿の種を買って1人で楽しむ女性もいた。

 午後6時、「夜の部、3部構成でお送りをいたします」と案内が流れ、舞台の幕が開いた。顔見せ演舞ショーが始まり、スポットライトを浴びた着物姿の役者が、演歌とともに踊る。次は芝居で、父を殺された娘が敵討ちをする時代劇。最後の舞踊ショーでは「お祭りマンボ」や「長良川艶歌(えんか)」など昭和歌謡を中心に踊り、客は手拍子を送った。役者が舞台から客席中央を通る「花道」に降り目の前で踊ると、さらに歓声があがった。

 魁の座長、南條はる雄さん(…

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