「1日早く症状を改善」の意味は 塩野義コロナ飲み薬、専門家の見方

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市野塊 編集委員・田村建二
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 新型コロナウイルス感染症の治療薬として、塩野義製薬の飲み薬の緊急承認が決まった。軽症者も使える初めての国産の飲み薬となる。期待の一方、重症化を防ぐ効果など分かっていないこともまだ多く、「薬の実力」については慎重な見方もある。

 ゾコーバは、ウイルスが感染した細胞の中で増えるのに必要な酵素の働きをじゃますることで、ウイルスの増殖を防ぐ。しくみは米ファイザー社が開発した飲み薬「パキロビッドパック」と同じだ。

 臨床試験の結果を受けた医薬品医療機器総合機構の報告書によると、感染に伴う発熱や倦怠(けんたい)感、のどの痛みといった五つの症状が改善するまでの時間が、ゾコーバを服用した人たちではほぼ7日間と、有効成分を含まない偽薬(プラセボ)を服用した人たちよりもほぼ1日、短かった。体内のウイルス量もより大きく減った。重い副作用はとくにみられなかったという。

 治験の評価項目を12症状の改善から、有効性が示しやすい5症状に絞った点については、新型コロナは変異株によって症状が変わることなどから許容されると判断された。

 「差はたったの1日だけ」と…

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この記事を書いた人
田村建二
科学みらい部
専門・関心分野
医療、生命科学