免疫チェックポイント阻害剤、一部で治療後がん急拡大 仕組みを解明

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瀬川茂子
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 免疫の働きを利用してがんを攻撃する「免疫チェックポイント阻害剤」の治療後、がんが急速に大きくなることがある。

 この現象が起きる仕組みを、米国立がん研究所(NCI)の小林久隆・主任研究員らのグループが、動物実験で明らかにした。

 新たな治療法の開発につながりそうだ。28日、専門誌に発表した。

 がん細胞は、免疫細胞の働きにブレーキをかけて、攻撃から逃れようとしている。

 このブレーキを解除して、免疫の働きを強めてがんを攻撃させるのが、免疫チェックポイント阻害剤で、2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した京都大の本庶佑特別教授らの研究で開発された「オプジーボ」もその一つだ。

 ただ、こうした薬は効きやすい人と効きにくい人がおり、結果を事前に予測することはむずかしい。

 中には治療後、がんが急に大きくなる人もいる。「ハイパープログレッション病」と呼ばれ、治療を受けた患者の10~25%で起こるという報告もある。

 グループは、がん細胞の周辺…

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この記事を書いた人
瀬川茂子
科学みらい部|大阪駐在
専門・関心分野
生命科学、災害、科学全般