パナマ運河の港湾事業買収、中国政府が「経済的威圧」として反対の構え
香港(CNN) 米資産運用大手ブラックロックがパナマ運河の港湾事業を香港企業の長江和記実業(CKハチソンホールディングス)から買い取るとの基本合意について、中国当局が18日、「経済的威圧」と批判して反対の構えを示した。
パナマ運河は中国本土や香港から離れた場所にあるため、中国規制当局の介入が可能かどうかは不明。だが中国外務省の報道官は18日の会見で、当局が買収の件を調査しているかどうかとの質問に、「中国がいつも経済的威圧や覇権主義、他国の正当な権利や利益を侵害する威嚇行為に断固反対してきたことを強調したい」と答えた。
これに先立ち、香港の李家超(ジョン・リー)行政長官も同日、「われわれは国際、経済、貿易関係における威圧、威嚇戦術の乱用に反対する」と述べていた。
同日付の米ブルームバーグ通信は、中国政府の市場規制当局など複数の機関が、この買収合意をめぐるセキュリティー侵害や独占禁止法違反の有無を調べるよう指示を受けたと伝えた。
合意の行方が不透明になったことを受けて、CKハチソンの株は18日、一時5%下落した。
ブラックロックが率いる投資家連合は今月、パナマ運河の両端の2港とそのほか43港の運営権を、228億ドル(約3.4兆円)で買い取ることで基本合意に達したと発表していた。