シリア・レバノンが停戦に合意、越境攻撃で10人死亡受け
(CNN) シリアとレバノンの国防相は17日、越境攻撃により10人が死亡、52人が負傷したことを受け、停戦に合意した。シリア国営通信(SANA)が報じた。
両国防相は二国間の連携と協力を強化することでも合意したという。
この合意は、レバノンとシリアの新イスラム主義政権の間の緊張が高まったことを受けて行われた。両政府によると、2日間の越境攻撃でシリア人3人とレバノン人7人が死亡、レバノン側で52人が負傷した。
レバノン軍によると、シリアは17日、レバノン北部の町カスルでシリア人3人が死亡したことを受け、カスルのほか、レバノンの国境沿いの村落を砲撃した。レバノン軍は、この攻撃に対抗したという。
シリア国防省は16日、シリア領内でシリア兵3人を待ち伏せし誘拐したとしてレバノンのイスラム組織ヒズボラを非難した。3人は「レバノン領内に連行され、その場で処刑された」とSANAは伝えている。
SANAによれば、シリア・レバノン国境では「ヒズボラのミサイル」攻撃でカメラマンと記者も負傷した。
レバノン国営通信(NNA)によると、ヒズボラは国境での衝突への関与を否定している。
これに対し、レバノン大統領府は17日、シリアとの国境での緊張を続けることはできず、これを容認することもないと述べた。
レバノンに対する攻撃がシリアによるものであると確認された場合、シリアの新政権は隣国に異例の措置を講じたことになる。同国暫定政権のシャラア大統領は、隣国との安定を維持する意向を繰り返し表明しており、これまでのところイスラエルによる同国への度重なる攻撃には対抗していない。
シリアの新政権は、イランと友好関係にあったアサド政権を昨年末に打倒したスンニ派イスラム過激派が率いている。シーア派でイランの支援を受けるヒズボラはシリア内戦中に介入し、反体制派と戦うアサド前大統領を支援していた。